表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
89/122

080_焼肉パーティ

俺たち以外に野営地には誰も居ないので。四方を壁で囲み。安全を確保した所で、あんこが愚痴った事から始まった。

『わっち頑張ったっすよね。コボルトのご機嫌取り』

「ああ。コボルト達、喜んでいたよな」

『そうっすよね。それじゃ労うのは当然っすよね』

ん?『あんこ』と言えば、『ごはん』か『狩り』だけど。このタイミングだと、ごはんの要求か。

ここのところ自由に夕飯作って食べていない。

王都を出てからは、必ずコボルトのお付きが居たり、護衛が居たりで自由にインベントリを使いまくった料理をしていない。

隕石収納しただろうって?

あれは腐らない。容量が大きいだけだ。

コボルト視点で、フェンリルの主なら、そんな規格外のマジックバックを所有してても問題ないだろう。

インベントリには、今だに初夏にビメリュスで購入したプラムが新鮮なまま。

思い出したので。プラムを一個ずつ、みんなに投げ与えた。

「わープラムだ。おいしー」

「まだあったのですね。プラム」

ナタリーとヘルミナは素直に感想を言って食べる。

ミカエルとナンシーは。どうしてこうも不可思議な事ばかりするのだ?とばかりにジト目で見てから。素直に食べる。

あんこは、これじゃないとクレーム。

『知ってるっすよ。インベントリに『にくうし』が、まるまる二頭分』

「え。覚えてるのか?」

『もちろん!チーズを買いに行った村で買ったやつが、今だに食卓に上がっていないっす』

流石と言うか、食にはうるさい『あんこ』だ。インベントリの食料まで記憶してるんか。

「あれは、アンさんを交えて食べようかと思っていたんだけど」

『また買えばいいっす。今はわっちを労う事が先っす』

まぁ、また買えば良いっていうのには同意か。

「それじゃ、『にくうし』使って何作る?」

『焼肉っす。胃袋の限界までチャレンジっす』

ま、いいか。代わりに野生の牛でも狩ってきてもらおう。

「と言うわけで。今晩のご飯は、焼肉パーティーとなります」

「お酒はあるのかしら?」

ナタリーさん。焼肉には冷えたエール以外の飲み物って何かあります?

樽買いのエールを地面にドン。この寒さなら常温で問題なし良い感じで冷えるはず。

暖炉から離して置いておこう。

そして『にくうし』の解体。インベントリでサクッと焼き肉用の薄さにカット。

魔法で焼き肉用のグリルの土台を作成炭を投入できるようにする。

グリルの鉄板は鉄隕石から得たインゴットをインベントリで加工。

周りを囲んで各自焼いてもらうスタイル。

あんこの分は。気が付いた人が、どんどん焼いていくそんな感じでスタート。

炭の着火は、俺が魔法で瞬時に行い、さらに魔法で炭を強制加熱する。

瞬時にグリルの温度が上がり安定する。

グリル横のサイドテーブルに、肉の山を部位毎に器を変えて並べる。

もちろんカット済みの野菜も取り出す。玉ねぎとかピーマンとか。薄切りの根野菜もだ。

キノコは市場に出回らない。こっちの世界でも素人が手を出すと死ねるらしい。

よって入手出来ていない。ちょっと残念。

調味料も現在作成。保有している物。全てを並べた。

そしてナタリーお待ちかねのジョッキを人数分。

エール樽のコモを割り。大きな柄杓で各自注いでもらう。

俺は涎が止まらない『あんこ』に苦笑して、ザブトンを塩で焼き始める。

始めの肉は俺が焼いてあげるのが、主の仕事?と考えての行動だ。

とは言え、みんな『あんこ』のごはん鍋に料理を入れる事は普通になってきていて。何も言わなくても肉を焼いて入れてくれる事だろう。

味付けは『あんこ』が自己申告するだろうし。問題ない。

・・・

エールの樽が空になったころ。

俺とヘルミナ以外は、既に潰れて荷馬車で横になっている。

一応、夜露に濡れない様にタープは張ってあり、インベントリから簡易ベットも出してある。

俺たちは二人、厚手の毛布にくるまって寝る事にしよう。

「旅でもジャンは大活躍ね。普通はこんなに楽じゃないのよ」

「そうだろうね」

「この季節に観光旅行ってだけでも異常よ」

「せっかくの長期休みだったしね。それにコボルトの頼みは聞いておいた方が良いかなと思ってさ」

ついでになるが、コボルトと『あんこ』の関係は、神様が関係していると思っている。

神様がコボルト救ったとか、そういう好意の感情を俺の判断で駄目にしてしまうのは気が引けたのである。

「俺の今回の旅の目的は、アデルシアン湿地帯で探し物。そして周辺の調査。ガドローズのカルスト台地は来てよかったよ。なんせロックキャンサーが大量に狩れることが分かったしね」

「私は、王都から出られただけで満足よ。ジャンに会わなかったら、今頃感染症で亡くなっていたかもしれないし」

ヘルミナに出会った当時。梅毒に似た感染症にかかっていた。

そして、ヘルミナの娼館にも蔓延しており、いくら治療院での治療で完治しても、またうつされる。鼬ごっこが現在王都で繰り広げられている。

俺が対処しなくちゃならない事じゃないし。ヘルミナの娼館だけ対処するさ。

ヘルミナと雑談をしながら、時間が過ぎていく。

次に目指すのは、ホルギュカの大草原。たしかステップドラゴンとかレイジングホース。騎乗に適した魔物がいるんだよな。

騎乗用の従魔捕まえられないかな?

と思ったが、従魔ッて基本魔道具で服従させるんだよな。

手段も分からないし。今回は無理かな。

「そういえば、『あんこ』の念話って魔物にも出来るの?」

『知能が高い魔物に限られるっす。ゴブリンやオークも使えるっすが。あいつらは会話が成り立たないっす』

お腹いっぱいで瞼を閉じていた『あんこ』は薄目を開けて答えてくれた。

カワウソの件もあり、念話出来るんじゃないか?と思っていたけど。やはり出来た様だ。

ただし、声の届く範囲。パレットの様な規格外の念話は出来ないと。

あれは足に付けている神具の効果だろうし。念話が出来るだけですごい事だよ。

良い感じで、ヘルミナも眠そうなので。もう寝るとしよう。

残った食べ物だけをインベントリに回収し、簡易ベットに潜り込む。

明日はのんびり出発しよう。飲んだ翌日だし慌てる必要もない。

まさか樽のエールが空になるとは思わなかった。

果たして、何人二日酔いになるかな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ