表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
87/122

078_狩り

土産屋で見せてしまったロックキャンサーの蒸し焼き。

昼食にナタリーとヘルミナの要望でカニパとなってしまった。

俺のインベントリには、調理済みの食料がたんまりストックされており。

いつでも食べる事が出来る事を知っているので、在庫があると知れてしまえば。後の祭りになるのは必然。

ロックキャンサーを食べた事が無い、ミカエルとナンシーも警戒していたが、余りにも美味しそうに食べる俺たちを見て、一度口に入れた後は、お約束の無言の殻むきが始まっていた。

宿の食堂で食べていた俺達。

なぜか『あんこ』もカニパに参戦しており。在庫のロックキャンサーが全て無くなってしまった。

ジャイアントの方はまだ半分ぐらい残っているが、あれは味が違うので別物。

ジャイアントロックキャンサーは味かさらに濃厚。

そのまま食べるより、食材として使うのが正解なんだよ。

でだ。居合わせたコボルト達にも一口食べてもらった。

あんこが食べるものを食べないという選択肢はないらしい。

一応、草食動物、肉食動物は食べるのに、腐肉食動物はなんで食べないの?って感じで、ただの食べず嫌いなだけだよと説明しといた。

ただしネズミは病気を持っているのが殆どだから、ロックキャンサーみたいに食べるのはお勧めしないと注意も忘れない。


さて、これで午後の予定が出来てしまったわけだ。

ロックキャンサー狩り。

いつ何時カニが食べたくなるか分からないので、在庫補充が必要。

幸いこの地には、ラッドなみに生息しているらしい。

今回『あんこ』は狩りに参戦出来ないが、要領はつかんである。何とかなるだろう。


ロックキャンサー狩り。女性陣は不参加。ハサミが危ないし、一応魔物。

コボルトの狩人も何人か手伝ってくれるらしい。

俺は探知魔法のマナスキャンを使って、ロックキャンサーの位置を特定し。訓練用に購入した鉄筋ソード(持ち手の部分だけしっかり作った)を振り下ろし絶命させ、インベントリに収納を繰り返し。

ミカエルはコボルトが持ってきてくれるロックキャンサーを受け取り。荷物持ちに徹する。

「嬉しいね。こんなに居るとは思わなかったよ」

「ロックキャンサーが、あんなに美味い物とは知らなかったよ」

ミカエルはしみじみと語る。

居合わせたコボルトからも同様の声。

死肉を食べる魔物だもんな。普通食べようとは思わないだろ。仕方ない事だと思う。

とは言え味を知り。食べても無害と分かった今。

ただの美味しい獲物でしかない。

集落の食料事情に一役買ってくれるだろう。

うまくすれば観光客相手に一儲けできる。ロックキャンサーの産地。郷土料理として。

しかし切りがない。俺は鉄筋ソードを振り上げるのも、そろそろ限界。

上段からの打ち下ろし。ロックキャンサーの逃げ足は速いが、近寄っても逃げないので、一撃で仕留めれば簡単に対処できる。

なので、一撃に力を込めて鉄筋ソード振り下ろす。それを数百回繰り返しているのだから、未熟な子供の体には負担が大きい。

もう無理。とロックキャンサー狩りを止め。コボルトの狩人達にまかせる。

彼ら全員で俺の討伐数と同等のロックキャンサーを狩っている。

探知魔法のマナスキャンを使える分。俺の方が早く見つける事が出来た差だろう。

近くの岩に腰掛けて、休憩しようと声を掛ける。

集まってきたコボルト達に、冷えたエールのジョッキを渡す。

「一杯ぐらいなら平気でしょ。この辺で危ない魔物ってヘルバジャーだけですよね?」

「危ないのは後、熊とジャイアントピルバグだな。俺達なら泥酔してても問題ないぞ」

そう言って気さくに話しかけてくれる。

「『あんこ』様の主ってどんなお方かと気を張っていたが。あんたが気さくでよかったよ」

「ああ、爺どもが敬語を使えとか、礼儀正しくとか。お前たちが来る前に、ぐちぐち口うるさく言われてなぁ」

まぁ。あった事もないフェンリルを従者としている人物だもの。警戒はするだろ。

ヘタにご機嫌が悪くなったら、崇拝する『あんこ』に八つ当たりとかさ。

「それで、ロックキャンサーもっと狩るのかい?」

インベントリのカウントは五百を超えている。

「そろそろ良いかなと思っていました。仕留めるペースが全く落ちないので、どれだけいるんだろうと」

「それな。俺たちも、こんなに狩った事無いから良く分からない」

「そうそう。それにだ。こいつら直ぐに増えるんだよ。ラッドより繁殖力高いんじゃねえか?」

「でもまぁ餌が無きゃ増えないし。スタンピードも起きたことないからな」

エールのお代わりを出してあげて、集落に帰る事にした。

帰り道。ヘルバジャーに追われている野生の牛を発見。

俺が出る幕もなく、コボルトの狩人達があっけなく両者を狩る。

その場で解体して、内臓などの不要な物はその場に投棄。どうせロックキャンサーが食べるだろうと笑って答える。

集落まで俺が運ぶことを提案して、インベントリに収納する。

そして、集落に到着する直前。

「ジャンさんよ。あの四角い岩はジャンさんが作ったんだって?」

午前中に作った展望台を指さし質問してきた。

夕暮れにはまだ時間があるので、説明がてら寄るこ事にした。

扉や窓はまだついていない。丘の上にある俺が作った展望台。

地下室と、屋上から遠くを見渡せるので、監視出来て便利かなと説明し。

夕日を見るために、もう一度ここに来る事になるが、一旦宿に帰る。

女性陣と合流。今回は『あんこ』も一緒に展望台に戻ってくる。

日もだいぶ落ちてきて、空が赤く染まってくる。

屋上に上り。それぞれリラックス出来る体制で、夕日が落ちる景色を眺める。

付き人のコボルトが運んできた椅子に腰かけたり。手すりに身を預けたり様々だ。

俺は立ったまま眺める事にした。

明日は目的の鍾乳洞。

有名なんだから見ごたえあるんだろうな。

つらら石や洞窟珊瑚楽しみだ。

そんな事を考えながら。ぼへっと夕日を眺めて本日は終了。

ロングスタッフの照明で道を照らし、集落に帰る。

そのまま集会場に赴き、晩餐となった。

本日とれたての野生の牛。ヘルバジャー。そしてロックキャンサーが食卓に並ぶ。

あんこが食べるロックキャンサーを見て、コボルト達も腰が引けながらだが、口に運び、そして感想の嵐。

美味しいよね、蟹ってさ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ