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047_娼館

娼館。大衆店。

繁華街の大通りに面しており店構えもそこそこ。

建物は大きく、それなりの部屋数がありそうな感じだ。

しかしどうするか。男たちから出た換金可能な相手は娼館のオーナー。

顔を隠してとか、個人を特定しない様にとか無理だろ。

入手経路だけ隠して、取引するしかないよな。

それとも切羽詰まっているわけではないから、他の相手を探すか。

うーむ。必要になってから慌てるの嫌だしな。

最悪一度限りの取引にすれば良いか。全部取られてもまた作ればいいしな。

決意完了。ボーイが店の前で煙草をふかしていたので声を掛ける。

「お約束もなく突然なのですが。ヘルミナさんにお会いしたいのですが。用件はとある仲介をお願いしていただきたく」

「確認してくるから、その場でちょっと待ってな」

ボーイは俺の全身を舐めまわす様に確認し、咥えていた煙草を投げ捨て、店の中に入っていった。

素直にこの場で動かず待って居よう。どこからか俺を確認するだろうしな。

しばらくして、ボーイが戻ってきて店の中の一室に通される。

部屋の中はプレイルームなんだろうな。大きなベットと大きな水桶。湯気が立っているのでお湯が入っているようだ。

服を脱いで待っているようにとボーイに指示され、素直に服を脱ぎ椅子に座って待つことにした。

さらにしばらくして、スレンダーで髪はロングのシルバーグリーンで奇麗な乙女が部屋に入ってきた。

エロチックなナイトガウンだろうか。

生地が薄くていろいろ見えそうである。

おい。お客はお客だろうけど、エロい事しに来たんじゃないんだけど。

「はじめまして。私がヘルミナよ。お名前とご用件は何かしら」

ヘルミナと名乗った女性は。俺の前を通り過ぎ、ベットに腰を掛ける。

「初めまして。ジャンと言います。今日は折り入ってのお願いがあり。面会のお約束もなく押しかけてきてしましました」

脊髄反射しない様に下を向いて答える。

「あら、丁寧なあいさつね。砕けた話し方でいいわよ。貴方みたいな子には似合わないわ。それで、お願いって何かしら?」

下を向いているため頭上から声が聞こえる。

「金塊の換金です。そこそこの量があるので。お願いできたらと」

「金塊の換金?私ではなく、どこかの商会とかでも問題なく換金できるんじゃないかしら」

「入手先が説明できないので・・・」

「ふぅん。私からのお願いが一つと、市価の半分なら良いわよ」

おい、ぼったくりじゃねえか。しかし全裸見られてこのまま、はいさようならはなんか悔しい。それとお願いってなんだ?

「お願いって何ですか?出来ないこと言えれても困るんですが」

「あなたなら簡単にできる事よ。私を満足させなさい。この頃、豚や爺しか相手にしていないから満足できないのよね」

エロい事しろってか。

「なんなら私がすっごく満足出来たら、市価で買い取っても良いわよ」

まじか!エロい事出来て。満足させることが出来たら市価で買い取り。

ナタリーも言っていたが、一夫多妻とか全然ありで、生活を安定させることが出来れば問題なし。

いっちょやってみるか。前世のプロの嬢と鍛練した成果を見せてやるぜ。

「それじゃ、頑張ります」

「あら楽しみ」

立ち上がり水桶のお湯の温度を確認し、ヘルミナを水桶に誘導する。

まずはエロいマッサージで洗体だ。

とその前に、接触評価を実行。病気は怖い。


名称:ヘルミナ

年齢:38(19)

性別:女

種族:ハーフエルフ

状態:感染症


年齢三十八歳っと、見た目とのギャップに少し驚いたがハーフエルフですか。例に漏れずエルフは長生き。ハーフエルフも人間よりは長生きって事なんだろう。

カッコ書きがヒューマン相当って事なんだろうな。

でだ、おい感染症!やめてくれ。性病だろきっと。

魔法で治せるかトライしてからじゃないと、相手にするのはキャンセルだな。

別とポーチから魔石を取り出し、ヘルミナを水桶に座らせ後ろから片手で肩を揉みながら、治療魔法を実行する。

魔石が消え、美味く実行できた様だ。再び接触評価を行うと。状態が変化していた。


名称:ヘルミナ

年齢:38(19)

性別:女

種族:ハーフエルフ

状態:疲労(中)


おお。感染症が治療できたことが分ったが、『疲労(中)』の表記。

つまり、表記はバッドステータスの影響が強いものが表示される?

要検証だな。まあ、魔用で感染症が治療できることが分ったし。

お相手したうえで、再確認してみよう。


俺はベットで横になり。疲れた体を一休みさせている。

ヘルミナも荒い息を整えようと、ぐったりしながらこちらを見ている。

「はぁはぁ。私の男にならない?養ってあげるわよ」

「いや。ヒモは嫌なので。遠慮するよ」

「まぁ良いわ。約束通り市価で換金してあげる。それといつでも私を抱きに来て良いわ。何ならお金も払うし」

「それヒモじゃない」

「違うわよ。あくまでお友達。援助が必要ならいつでもするってだけ」

「何が違うのやら。それに、女性には困ってないからね」

「ふぅん」

何やら目つきが変わったが、くぎを刺しとこう。

「俺の女に手を出さないでね。普通に怒るから」

「そんなことしなしわよ」

接触評価の確認を忘れず実行する。


名称:ジャン(佐々木健一)

年齢:12

性別:男

種族:ヒューマン

状態:健康

特殊技能:地母神の加護、接触評価、異空間ストレージ

メッセージ:なし


名称:ヘルミナ

年齢:38(19)

性別:女

種族:ハーフエルフ

状態:疲労(小)


俺に病気はうつってないから、他の感染症はなさそう。

ヘルミナは疲労が回復している。この疲労って肉体的疲労じゃなく精神的疲労って事かい。肉体的には疲れたはずだしな。

この後金塊の換金を行い、娼館を後にして宿に向かった。

多分深夜零時を回ったぐらいかな。ナタリーは寝たままだ。

『ほかの女の匂いがしますが。お楽しみっすか?』

「そういうのは良いから。魔法で作った金塊の換金ルートを作ってきたのさ」

『つまりお金に困ることは一切なくなったと』

「そゆこと。んじゃ寝るわお休み」

『肉食い放題楽しみっす』

あんこの発言に苦笑しながらナタリーの横で眠りにつく。前の世界じゃどえらい事だよな。

そのまんま浮気ムーブだし。

本当に大丈夫なのか心配はあるが、明日ナタリーに事実を話してどうなるかかな。

法整備や抑止力が不完全なこっちの世界じゃ、こういった裏社会まではいかないとしても、グレーなコネクションは何かの役に立ちそうだし。

間違いなく必要だと思う。

しかし、元の世界のプロ嬢との戦いが役に立つとはね。

向こうじゃ勝つことが出来なくて落ち込み、再戦を繰り返したことが良かったのか?

馬鹿なこと考えてないで、さっさと寝よう。

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