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021_ビメリュス市場

ここは港町ビメリュスにある市場だ。

雑多に露店が並んでおり、それを大きく囲むように大手商会店だろう建物が立ち並ぶ。

ハンターギルドからは15分程度だろうか、あんこに騎乗せず歩いてやってきた。

露店は統一感が全くなく、雑貨屋が立ち並んでいるかの様である。

買い物客は様々で、人間だけでなく獣人も見かけるが。子供はあまり見かけない。

エポックに聞いたところ、つい最近子供が行方不明になる事案が多発しており、警戒しているとのこと。

子供の誘拐騒ぎですか。なんかイベントが発生する気配が・・・。

警戒は、あんこに頑張ってもらおう。

さておき露店を物色しよう。

船で食料が入ってくることもあり、トイプの市場より品揃えが格段に多い。

あんこを連れて練り歩く。人々はあんこから遠ざかりなかなか歩きやすい。

そして数件の露店を見て、興味を惹かれはのは果物である。この世界に来て甘い物はほとんど見かけていない。

砂糖やはちみつは有る様だが、甘いお菓子と呼べそうな食べ物を見ていない。

ドライフルーツは見かけたが、高い!の一言である。干しブドウ一個銅貨一枚とか

バラ売りしてたし。

砂糖は高級品で入手不可能。はちみつは手に入るが、やっぱり高い。

そこで庶民の甘未はフルーツとなっているわけだが、日持ちがするドライフルーツはこんな感じなので、あまり日持ちしない近郊で栽培できるフルーツの旬が甘未を楽しめる時期となっている。

で、現在旬のフルーツはプラム(すもも)である。

プラムが山積みされている露店を発見した。

「おっちゃん。このプラムいくら?」

「一山銀貨一枚。うまいから一個食ってみな」

手渡されたプラムをかじる。ほどよい酸味と甘さで申し分ない。良い熟れごろだ。

「旨いな」

「そうだろ、今朝届いたばかりだ。」

インベントリに入れておけば、腐らずいつでも食べられるはずなので大量購入しよう。温度変化は無いことも分かっているので、川とかで冷やして保存しようかと目論んでだ。

しかし先立つものが無いので、今回は小樽で買うに止めるか。

「小樽で買うからちょい負けてよ」

「おう良いぜ。しっかりしてるな坊主」

何事も言ってみるものだ。割り引いてもらった上に、手渡しで三個おまけしてくれた。

うきうきしていたのもつかの間、気が付いてしまった。

やべえ無駄金使いすぎてる。そう収入がないのに出費しまくってる事に。

小銭入れを確認する。残金は金貨二枚と大銀貨が五枚。プラム高けえよ。

食料はトイプで購入した食材と猪の肉とかがある。

これから節約生活か。何かあった時のために残しておかないとな。


でだ、続けて海産物について。海藻類は皆無だった。

青魚は種類が豊富でマグロなんかも見かけたので、お金がたまったら買いあさろう。

貝類はそこそこ。ちょっと前に潮干狩りできたし問題ない。

甲殻類については、これまた見かけなかった。

エビがないエビが!刺し網漁も無いのかこの世界。

地引網と刺し網漁。この二つがないとエビ、カニ甲殻類の水揚げは無理だろうな。港町なのに萎えるな。

干物は結構あった。これはこれで、後で買いに来よう。すぐに無くなる物でもないし。


市場を突き抜け、桟橋までやってきた。ここは観光客も多めで屋台が並んでいる。

釣り人も見受けられ、のどかな感じがたまらない。

あんこが匂いにつられて屋台に足を向ける。

「なにか旨そうなものあったのか?」

『この匂いがたまらんす。なんの肉っすかね』

「やっぱり肉なのか」

あんこが足を向けた屋台を覗いてみる。串焼きだが、少し甘ったるい匂いが混じっている。

なかなか思い出せないので、とにかく食べてみることにした。

二本購入しあんこと食べてみた。

ああ、はちみつの焼いた匂いか!肉が少し甘い。

追加で十本購入しこっそりインベントリに収納する。

他の屋台でお茶を購入しベンチで一休み。

「あんこがいると人が避けてくれるし楽でいいわ」

『そうっすか?』

「人混みをかき分けて歩くのは結構疲れるんだよ」

前の世界での通勤。それは修行に等しかった。

仕事前に軽い運動並みに体力を消耗し、帰りもまた体力を消耗する。

恐らく人口が多い都市での社会人は皆思うところがあるだろう。

何かのイベントとかち合うと地獄である。

「そんなことは置いといて、現状金策に不安がある。ギルドで依頼を確認したが、ろくに稼げない事が分かった。かといって、コボルトのお世話になるわけにはいかないし。この辺で稼げそうな魔物っていないの?」

エポック聞いてみたが、反応がいまいち。この辺りにはゴブリンがせいぜいらしい。

困った。トイプでラッド駆除してた方が良かったんじゃね?

ずっと南下して国境の町ハールンまで行けば、そこそこ強い魔物がいるらしい。とは言えオーガクラスらしいけど。

とりあえず今日はそのまま市場調査を続行することにした。


市場に戻り、次に興味があった武器防具類を見る。銃火器は無かったけど、剣、斧、槍、弓とクロスボウ。

防具は盾に始まり、鎧についてはフルプレートがあった。

魔法の武具も存在が確認できたのでニンマリだ。いずれ手に入れてやる。

面白かったのが、ビキニアーマー。なぜそんなものがある?思わず店主に聞いてしまった。

ゴブリンやオークに効果絶大で、遠距離攻撃はされず。致死攻撃がされなくなるらしい。

要するに、繁殖用に生け捕り目的の攻撃しかされなくなる。女性専用の対ゴブリン&オーク用の鎧とのこと。

この世界の奴らは、そういう設定なのかい。

でも通常の魔物に対しては駄目じゃない?と突っ込んでみたが。ビキニアーマーはマジックアイテムなので、基本対物理障壁が付いてるんだと。

魔法付与されていないビキニアーマーなんて無いってさ。


武器防具について、なんとなく値段も把握できたので、一旦ギドン商会に戻ることをエポックに伝える。

先ほどの場所は倉庫と宿舎で、商会の建物はすぐそこにあり案内するとのこと。

エポックに案内され向かった先には、二階建ての事務所って感じの場所だった。

建物に着いたとたん、コボルト総出のお出迎え。

目立つからやめてくれる様お願いした。むろん俺ではなく、あんこのお出迎えだったけど。

紹介してくれる宿を確認し、ついでにレッドペッパーをいただいて、宿泊先の宿に向かう。

宿は従魔と同室可能な宿泊先だった。

夕食は特別料理らしく、あんこがご機嫌でコボルトの接待感が半端なかった。

そして水浴び。専用の個室がこの宿にはあったので久々に堪能させてもらった。

そういえば、異世界あるあるの生活魔法。体を洗浄する魔法とかできないのか?

考えてみたが無理だった。

あんなのイメージできるわけないだろ。汚れを落とす?汚れって土だの油だの細菌だのの総称だろうが。イメージできるわけない。

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