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020ギルド登録

チーム「いてこます」の席をはなれ、ギルドのカウンターに向かう。あんことエポックも一緒だ。

食事代は料理配膳時に現金払で思ったより安かったので、エポックからお金を借りるこ様なことにはならなかった。

さて、俺がギルド登録を行いたいことを知っているエポックが、それらしいカウンターに導いてくれる。向かうカウンターには、見た目ベテランおばさん。そのまんまだろうけど安心感があるね。


「こんにちは。ギルドに登録したいのですが」

「あら。君の年はいくつ?ギルドに登録できるのは十二歳になってからなのよ」

十二歳制限なのはすでに知っており、この年齢の場合は保証人が必要になる。ただし、孤児の場合に限り、例外で保証人不要である。これは犯罪防止の観点と自立支援の意図があるようだ。

「十二歳で親は居ません。孤児で仕事が欲しくて来ました」

「そうなのね」

そこでエポックが割り込んだ

「私はギドン商会のエポックと言います。商会長からの推薦状になります」

聞いてないが、推薦状とか必要なのか?無いよりあった方が良いだろうけど。

「確認させていただきますね」

ベテランおばさんはエポックから推薦状を受け取り内容を確認する。

「なるほど。商会が身元保証すると書いてあるわ。これは無くても登録は出来るけど。ランクがCからになるわね。それじゃこの登録用紙に記入お願いね」

ギルド加入申請書。なになに?名前と年齢、性別、得意技能。これだけか?

羽ペンを持ち、書き込むとすんなり現地語で書き込めた。これはよくわからない能力だよな。会話が出来たり、現地文字が読めた時から疑問なんだけど。助かるので深く考えていない。

得意技能には、魔法と記入した。レアだけど使える人が全くいないってわけじゃないし。

チーム「いてこます」のポツマスに聞いたところ、一万人に一人ぐらい魔法が使えるらしい。

この国「モーグ」の人口は約百万人。魔法が目的をもって使える人数は五十人程度。

後の五十人は少量の水を作成したり、火種を起こしたり程度で、実用レベルではない人たちらしい。

俺がチーム「いてこます」に見せた魔法規模はバレーボールサイズの水玉作成。

これは実用レベルに該当し。長期遠征、海洋航行などで重宝されるレベルだそうな。

なんかしっくりこないけど。だってその位の水を作ったって、どれほど役に立つのか疑問である。

あ。そういう事か。周囲にマナがあれば魔法使用し放題。つまりは際限なく水玉作成可能と。これなら納得か。

ベテランおばさんは得意能力欄に記入した「魔法」の文字を見て反応した。

「魔法が使えるの?だから商会長の推薦なのね。ギドン商会も手が早いわね。それでその大きなワンちゃんは、あなたの獣魔なのかしら?「魔法」の記述後に、「従魔」と書いて特徴を書いてもらえるかな?種族とかね」

言われるがままに記入する。ギルドに入る前に相談した「ブラックウルフ」と記入しベテランおばさんに手渡す。

ベテランおばさんは受け取った申請書を確認し、カウンター横にあった石板に手を開いて載せる様に促した。

これまたお約束の謎技術なギルドカード作成機か!

言われるがままに手の乗せると、ピリッとした感触の後。作業が終了したのか、ベテランおばさんからカードを渡された。

「無くさないよう注意してね」とのこと。

これでギルドが承認するハンターに成れたわけだ。

その後ハンターの心得やら簡単な説明を受け、クラスアップを目指すなら、資料室を利用し勉強するようにと提案などもされ。カウンターを後にした。


早速依頼掲示板をチラ見しよう。

もちろんゴブリンクラス専用掲示板である。

「庭の草取り」「ドブさらい」「害虫駆除」「港の荷下ろし」「土木工事みならい」などなど。

分かっていましたとも。完全に雑用アルバイト。薬草採取すらない。

「これが成り立てハンターの現実か。魔物の気配が全く無いぞ」

「こんなもんですよ。朝早いと薬草採取とか、配達業務、家畜の世話とか割のいい仕事がありますけど」

「家畜の世話って割が良いの?」

「ええ。従順で割と頭が良いので、面倒なことはほぼ無いですからね。それから商会長からですが、仕事ならいくらでも指名依頼するそうです」

「そんな特別優遇ありなのか?あんこの生活安定のためか」

エポックがハキハキ言ってきた。確かにゴブリンクラスの依頼報酬を見ると、かなり生活が厳しくなってしまう。日当銀貨3枚とかあるぞ。宿にすら泊まれないんじゃないのかこれ。

気になった「家畜の世話」について聞いてみた。

品種改良した牛、肉牛と豚、肉豚。通常の牛や豚より動かず、暴れず、おとなしい。

繁殖も自ら交尾することは無く人工で行い、まさに肉の工場生産と言った感じらしい。

宿舎も動かないためあまり汚れず。本当に手間がかからない。そのため生産(交尾)と餌やり、汚物処理と出荷(屠殺)だけ人手が必要。

それを家畜の世話として、依頼が出ているのだそうな。とは言え汚物処理がメインだよな。

ドブさらいとの違いは、ルーチン化できるので、頭を全く使わなくて良く、飲んだ後の二日酔いでも体力だけでこなせるところらしい。

基本依頼は無視して、魔物討伐になるだろうし掲示板はどうでもいいか。必要に迫られたらギドン商会長のエンバに相談しよう。

おっと、忘れずに討伐証明を換金しなきゃ。

換金カウンターに足を運び、道中仕留めた猪の毛皮、ホーンラビットの角と毛皮を換金して銀貨七枚。あまり良い稼ぎにはならなかった。肉を売らなかったらこんなもんらしい。

次は市場を物色してみよう。何か珍しいものがあると良いんだけど。収入の目星がはっきりしてないので、買い物は控えることになるけどね。

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