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018_現役な男たち

男たちは同じテーブルに座る子供とコボルト。その後ろに、でかい犬?狼?の従魔を前に困惑していた。

何がどうしてこうなった?俺は依頼達成のささやかな祝勝会をやってただけだ。

確かに少し飲みすぎてはいた。ちゃんと自覚しているので、思考は正常だ。

俺の名はグレン。チーム「いてこます」のサブリーダーをやっている。チーム名は俺がつけたんじゃない。リーダーのトッドが勝手にギルドに申請しやがった。

ギルドの規定で申請から1年は解散。名称変更が出来ない縛りのせいで、こんな名前で活動している。

いや、今はそんな事はどうでもいい。

その馬鹿なトッドのせいで魔法使いににらまれている。

俺に非は全くないとは言わない。確かにこの子供の魔法使いとでかい犬。それにコボルトがギルドに入ってきたとき、犬嫌いなこともあって、ぐちったさ。

誰だってトラウマぐらいあるだろ?俺は子供のころ野犬の群れに襲われ、今でも尻にでかい噛み傷があるんだよ。

それのせいで今でも襲われる夢をみるし、何かに付けてデフォルトでからかわれる。


たしかトッドが俺の過去を知ってか、くだらない正義感?だかなんだか分からねえが。からかいに席を立ったとこをはみていた。

俺は気にせずジョッキを取り、酒を煽っていたらでかい音がしてトッドが吹っ飛んで伸びていやがった。

犬の魔獣が跳ね飛ばしたことが分かったので、短剣を手に取り。トッドがこれ以上襲われないように構えたのさ。チームメンバーもそれに続いた。

でかい犬の魔獣は威嚇してきやがった。

怖えよ。普通の犬ころなら数居てもトラウマを抑えることはさすがにできる。

しかしだ、このでかい犬は体高が1メートルぐらいあるんだぜ。でかすぎだろ。震えが止まらねえ。

ギルド職員何とかしろや。ちらりと目だけ動かし確認したが、こっちをガン見してるだけで動く気配すらねえ。

「あのぉ。殴られた理由を教えていただけません?私の従魔は主人の私が攻撃されたことに対して防衛対応したに過ぎなくてですね。さらに、皆さんが武器を構えているので、威嚇しているわけで」

ガキが状況説明。おいトッド何してやがる。こんなバカでかい従魔連れている相手を小突くな!

「俺たちは仲間がお前の従魔に吹っ飛ばされたことに気が付いてだな。先に手を出したのはトッドなのか?」

「おいおい。どういうことだよ。お前に絡みに行ったのは見ていたが、手を出した?」

「ええ。頭を殴られましたね。多分そこの職員さんも見ていたかと思います」

どうやって事を収める?よろけて体がぶつかったとかじゃねえだろうし。

するとギルド職員が駆け寄ってきた。

「ギルドでの騒ぎは困ります」

困りますじゃねえ。ここじゃ何とかするのがお前の仕事じゃねえのか?

「殴られたところ見てましたよね?嘘ついたり誤魔化すと従魔が怒りますよ。人の言葉理解できる賢い従魔なので」

あああ。収拾がつかなくなる。考えろ、考えるんだ俺。頭が真っ白になった。何も考えられねえ。

ガキが魔法を使った!魔法使いなのかこのガキ!なりふり構ってられねえ。やばすぎる。貴族だったら牢獄生活も視野に入れなきゃならなくなる。

「ちょ!待ってくれ。あいつが先に殴ったことを知らなかったんだ」

俺は無意識に武器は降ろしていた。仲間もこのタイミングで武器を下ろした様だ。

落ち着け俺。後は詫びを入れれば終わりだ。最悪でも金貨1枚ぐらい渡せば済むはずだ。

「わるかっ・・・」

「せっかく知り合いになったので。お話しませんか?」

「え?俺たちとか?」

謝罪させろ!それで終わりにさせてくれ!


俺の名はグレン。亡くなった爺さんが付けてくれた名だ。

漁師の家に生まれた次男坊。

裕福ではないので、家にあった船は兄貴が相続する。つまり俺には何もない。

仕方なくガキの頃からの腐れ縁のトッドとハンターをしている。

ハンター業は性に合っているらしく、雑用クラスの『ゴブリン』から順調に『オーガー』クラスに上り、やっと魔物狩りが板についてきた。

子供なんてほっといて、いつものように打ち上げで盛り上がって、うちらだけで騒いでりゃ良かったんだ。

なのにだ、調子に乗ってちょっかい出して返り討ちで伸びてやがる。

相手は、でかい魔獣連れの魔法使いだ。でかい魔獣連れってだけで、やばいっことが分かるだろうが!

場は何とか落ち着いたが、話がしたいと言ってきた。

話ってなんだ?怖えよ。

トッドてめえ後で覚えておけよ!


俺はアイゼン。しがない農民出身のハンターだ。

目の前にいる魔法使いとテーブルを囲んでいる。

トッドの馬鹿が喧嘩を売って現在に至る。

あまり話をするのは得意じゃない。前のめりなトッドとは相性が良かった。あまり話さなくても引っ張ってくれるしな。

しかしトラブルは勘弁してくれ。見た目で判断するなよ。ハンターなんだからそのくらい常識だろ。

いまさら伸びているトッドに文句を言っても始まらん。目の前にいる魔法使いは何が目的なんだ?話がしたいって?

とにかく相手の出方を待つしかないか。頼むぞグレン。俺は話下手なんだ!


ポツマスです。港町ビメリュスはホームタウンになります。

現在ギルドで飲んだくれているメンバーはほっといて、市場物色中。

今日はめぼしいものが出てませんね。この町は王都向けの食料集積拠点の一つとなっているので、そこそこ珍しい物資が見つかることがあります。

今回私が探しているのは魔道具です。前々回の依頼で水作成の魔道具が破損し、長期の依頼が受けにくくなっています。水は必須にもかかわらず、かさばり、給水ポイントに立ち寄るという縛りが発生します。つまりは仕事選びに制限が発生しています。

水作成の魔道具を見つけることは出来たのですが、足元を見やがって買える金額じゃなかったので諦めました。

水作成の魔道具はそこそこ出回っているので、焦らず適正価格での購入を目指します。

明日は、朝一で確認しに来るとしましょう。入荷されないと困ります。

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