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002_チュートリアル

異世界コピー転生されて現状把握中な俺。

納得するしないは置いておく。どうにもならないことは分かっている。

では、この世界においてまずすべきことは何か。

それはゲームでいうチュートリアル的なことだよな。せっかくいろいろ知っているアリシアさんがいるんだし。

「この体で前世との違いでできることってなにかありますか?」

『自己評価、異空間ストレージ、魔法ですね。まず自己評価してみましょう。自分の評価一覧を表示するイメージをしてください。

言われた通りVRゲームで自分の評価一覧。ステータスウィンドウ表示をイメージしてみる。

早速目の前にステータスウィンドウが表示される。


名称:ジャン(佐々木健一)

年齢:12

性別:男

種族:ヒューマン

状態:健康

特殊技能:地母神の加護、自己評価、異空間ストレージ


情報量が思ってたより少ない。もっとHPやらMPやらが数値が表示されるのかと思っていたのだが。

「HPとか数値で表現されないのですね」

『HP1と2の違いとか分かっても何かできることが増えるわけではないと思います。ステータス表示されなくても現状をスタミナで説明すると、元気と疲れているの違いは把握できますから』

たしかにゲームではその違いがわからないから数値化しているだけで、もともと把握できている。人体の感覚というセンサーは伊達じゃない。

「なるほど。では『状態』ってどの程度の内容が表示されるのでしょうか?」

『病名。行動に支障が出る外傷や魔法等のバフ、デバフなどです。ちなみに『特殊技能』は世界で一般的ではない技能です』

ゲームでいうとスキルってところか。

病名までわかるってすごいな。『特殊技能』の自己評価ってこのステータス表示のことだろうね。

「すごいですね。自己診断で状態を見れば、検査など確認不要でいきなり治療できる。誤診とか的外れが無い分、この世界での生存率は上がりますね」

『医療に関してこの世界は現在、前世で言う中世医学程度です。ただ魔法による治療ができるますので、前世で治療できない重い病気でも治療できる可能性があります』

「なるほど。魔法による治療ですか。魔法すごいですね」

身体欠損とかも治せるんだろうか?後で聞いてみよう。

「『特殊技能』の異空間ストレージとは何でしょうか?」

ステータス表示でかなり気になっていた表示に対して聞いてみる。

重量、体積を無視した収納系のあれか?保管できる数は無制限?生き物は収納できるのか?出し入れの方法は?

『前世のゲームやらなんやらで知識はありますよね?その認識であってます。インベントリとか時空収納とかいろいろ言われてます。収納数、重量、体積は日々拡張される感じで、液体も入れられます。使い方はステータス表示と同じような感じで、収納する対象を認識して収納するイメージをするだけです』

ふむふむ、試しになにか収納してみるか。

道端に転がる小石を収納するイメージをしてみる。

視界の端にウィンドウが表示され小石×1とリスト表示された。

「おー。そこにあった小石が消えてリスト表示されました!」

リストの小石を目の前に出すイメージをしてみる。

すると目の前の空中に突然現れ、地面に向けてぽとりと落ちた。

リストからも消えている。

これは収納量によっては商人として生きていくことは可能だろう。特殊技能という事は一般的な能力ではなく、他人との差別できる集金方法になりうるわけで。夢が膨らむ。

『重要なことですのでもう一度説明しますが、特殊技能はジャンにのみ与えられているこの世界で異質な技能になります』

つまり目立ちたくないなら秘匿すべき内容ってことね。

最後に最もあいまいな「地母神の加護」について聞いてみよう。

「地母神の加護とは?」

『そのまま地母神様の加護となります。地母神様から何らかの手助けをしてもらえます』

能動的に何かできるというものではなく、保険みたいなものかな?

といった感じでこの世界の情報などを聞きながら。あてもなく未舗装の道を歩いているわけだが。少し日が高くなり、それなりの距離を歩いたので、小休止することにする。

「その荷鞍の初心者セット。何があるのか確認して良いですか?」

『わかりました。ここでいいですか?』

道端に移動しアリシアさんは伏せの姿勢になる。

「あれ?荷鞍じゃなくてただの乗用の鞍だった。折りたたまれてあぶみもあるな」

鞍から大きな麻袋を下ろし、中身を確認する。

「食料、調理器具。雨具のフード付きのマント。ナイフ。小銭入れ。タープかな?そこそこ大きい一枚布。その1/3程度の厚手の毛布。などなど」

確認した荷物を異空間ストレージに収納する。

「なぜアリシアさんが背負ってたんですか?」

『初心者セットとして後付けで下賜されたものだったからですね』

初心者セットに入っていた水筒を異空間ストレージから取り出し一息つく。

『この子も喉が渇いた様ですね』

突如アリシアさんの前に陶器っぽい大きなバケツが現れた。

その直後バケツ上方に大きな水球が現れ落下。

水入りバケツの完成である。

「魔法?」

『入れ物は土魔法。水はそのまま水魔法と呼ばれていますね。実際はマナを物質化しただけです』

「マナ?」

『以前の世界と合わせて説明するならば。原子の前の状態です。マナから原子を作成し。分子に結合すれば素の素材となるわけです』

『様々なエネルギーにも変換できます。熱エネルギーとか運動エネルギーとかですね』

アリシアさんは水をバケツからガブガブ飲みながら、念話でそう答えた。

なんか話し方と行動がアンバランスで違和感しかないが、そこを指摘するほど空気が読めないわけではない。

「魔法すごいですね。それだとなんでもできてしましそうです」

『マナは有限なのでなんでもは無いですし、魔法を使える者はほぼいません。この世界には科学的概念の理解が乏しく、マニュアルにそって施行するだけの者がほとんどです。しかしあなたでしたら『地母神の加護』により、マナから原子やエネルギー変換に対する理解がなくとも、魔法行使はさほど難しいことではないと思います』

水を飲み終えたらしく。水入りバケツが消える。

魔法についても後で使い方を確認しよう。

「アリシアさん。現状外的要因での命に係わる危険性って何かありますか?」

『そうですね。野生動物と魔物ですかね。毒虫も該当しますでしょうか』

魔物いるのか。ファンタジー世界だしね。

「それでしたら、早めに安全なところに移動したいですね。出発しましょう」

ゆっくりと立ち上がったアリシアさんと俺は道を歩き始める。

こうして始まった異世界生活。神様は好きなくことをして良いと言ってるし。

争いがない世界平和を願う勇者?

破壊尽くす魔王プレイ?

こじんまり、前の世界でできなかったことをする?

歩きながら考えるとして、とりあえず第一異世界人との接触を目指すとしよう。


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