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107_新しい能力

海上の何もできない。そんな場所ではいろいろと考え事をしてしまう。

俺たちは王都に帰るべく、海を船で北上している。

そして、その船はコボルトの水夫たちの独壇場なので、俺たちが何かをする必要はない。

と言うか何もできない。

トローリングはもちろん。寝るのも飽きた。

魔物に襲われることもなく、暇を持て余している。

で、湿地にあったマナ溜。海には無いのか?と考えてしまった。

もちろん、これの答えを知っている人はおらず、悶々と考える事になってしまった。

多分『うずら』に聞いてみれば答えてくれるだろうけど、質問ばかりしていたら、ウザがられるだろうしな。

それに緊急性もないので、『うずら』に質問は無し。

他に何かして、海のマナ溜の件はいったん忘れる様にする。

俺は特殊技能の接触評価を使い、船の乗客全員の健康状態をチェックしつつ船を散歩する。

病気の者はおらず健康そのものだった。

そしてまたすることが無くなる。

うーん。自分の事も確認しておくか。


名称:ジャン(佐々木健一)

年齢:13

性別:男

種族:ヒューマン

状態:健康

特殊技能:地母神の加護、接触評価、異空間ストレージ(改)

メッセージ:プランターを使ってください


いつの間にか誕生日を迎えたいたらしい。

そんな事はどうでも良くて。メッセージの『プランターを使ってください』ってなに?

インベントリを確認するがプランターは持っていない。

ちなみに異空間ストレージの事を俺はインベントリと呼んでいる。

どうでもよい事だが、俺はゲームでそっちの方が良い慣れているのでそうしている。

本当にどうでもいい事だが、『(改)』ってなんだ?

悩むことが増えたよ。

とにかく少しずつ解決すべく、プランターについて考える。

プランターって植物を育てる鉢の事だよな。

近々手に入れた植物は古代米。

古代米をプランターで育てる?

神様からのメッセージだし。実行はするが、それだけのためにメッセージは無いだろう。

ならばこの『異空間ストレージ(改)』に意味があるはず。

そう考えて、とにかくプランターをインベントリで作ってみる。

ただの木の箱だけど、底に水はけ用の穴を開けた。

土は古代米栽培用に、念のためと湿地の泥を回収してあったので、それを使う。

古代米の種を植えてみるが、何の変哲もないただのプランターのままだ。

これをインベントリに収納する。

『古代米のプランター』と表記された横に『時間経過』のボタンが表示される。

ちょっと待て!なんて便利機能を追加してくれたんですか神様!

試しにボタンを押すイメージをする。

インベントリの表示は何も変わっていない。

取り出してみるが、芽も出ていない。プランターに泥が入っているだけである。

経過時間もイメージするのか?

再度収納して、時間経過のイメージ。が良く分からないので、夏をイメージしてボタンを押してみる。

表示は変わらず。取り出してびっくり。プランターの古代米が穂をつけているではないか。

まだ青々しているので、もう少し時間を進めないといけないが、要領は分かった。

念のためじっくりプランターを確認する。

泥が土に変わっている。水分がなくなっているのだろう。

インベントリでは物が消費されることが無いことは分かっているので、古代米が水分を使って成長したって事なのだろうか?

となると、他にも消費しているはずだ。養分とかさ。

植物が成長するのに必要な物。

具体的には分からないが、肥料とかだろう。

このままプランターの時間を進める事にする。

調整しながら時間を進め、少し黒っぽいが枯れた穂になったところで、古代米を刈り取る。

しかし穂の中身がスカスカ。種が出来ていない。

栄養が足りない?でもこの泥は採取したばかり。何か他に原因があるに違いない。

そう考え、少し悩んだが。当たり前の結果にたどり着く。

そう、受粉していないのだ。

今回試したのは、種を一粒植えての実験だった。

気を引き締めて再チャレンジする。

種もみを無駄にはできない。今手持ちの種が無くなると半年以上無駄になるのだ。

大きめのプランターを作り直し、泥を入れ種を手持ちの一割を蒔く事にした。

数にして百粒程度だ。

そしてインベントリに入れて時間を進める。

経過時間は先ほどの実験で、何とか刈り取りの時間まで進める感覚は掴んだので、そこまで一気に時間を進める。

プランターを取り出し古代米の穂を確認する。

良かった。ちゃんと中身があって種になっている。

つまり、受粉もインベントリはやってくれる便利機能付きという事だ。

古代米を刈り取って、インベントリに入れ乾かす。

これは薪を作った時に勝手に乾くのと同様に、稲穂から籾を分離すると乾いた種もみとなってくれた。

次は連作の実験。消費するのは水だけじゃないだろうの確認である。

種籾は今しがた作った物を使う。

プランターの土は変えずに水を入れ柔らかくして種をまく。

インベントリで時間を進める。

これを数度繰り返すと、穂の種付きが徐々に悪くなることが分かった。

やはり養分も消費すると言う結論だ。

もう一度新しい泥に入れ替えて、俺が作った種で古代米を栽培すると、ちゃんと穂が種付きで育ったので、間違いないだろう。

神様感謝しますよ。これなら、品種改良の時間がとてつもなく短縮できるので、生きているうちに美味しいご飯にたどりつけます。

自分で作った古代米を一粒手に取りじっくり眺める。

あまりにもマジマジ見ていたからだろうか、無意識に特殊技能の接触評価を使った様だ。

え?接触評価って植物にも使えたのか?

古代米の評価が表示される。

・・・

ちょっと待ってくれ、情報量が多すぎる。

品種は良いけど「甘味」「辛味」「酸味」「塩味」「うま味」「粘り」「香り」・・・。

俺の味覚基準なんだろうか?食に対する分類が数値で評価されている。

多分十段階評価で。

これを掛け合わせて、高い評価の物を作って、安定化させてを繰り返すのか。

やるしかないけど、先は長そうだ。

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