098_焼き鳥
焼き鳥。それは酒の友。
限定するつもりは無いよ。
酒のつまみって色々あるけどさ、焼き鳥で一杯って結構スタンダードだと思うわけよ。それと刺身か。
あー日本酒か焼酎が飲みたくなる。
『ねぎま』を食べながらエールをのみ。悲しい思いにふける。
グレーターオーストリッチを狩り。
宿に帰る途中。おまけのボーパルシープを狩り。
帰ってきたのは昼を過ぎていた。
既に昼食は終わっていたので、俺たちは簡単に済ませ。
美味い鳥肉を食べる方法。
素直に焼き鳥となるわけだが。炭が無かったので買い出しなど、夕食の準備に取り掛かる事にした。
町の市場にて、炭を大量に購入する。インベントリでは作る事ができなかった。
魔法でもできなかったんだよ。炭素ブロックは出来たけどそれじゃ燃やす事ができない。
帰りにボーパルシープの討伐部位と普通の価値の毛皮を売却し。
宿の裏庭を借りて、焼き鳥用のグリルを作る。
石製のグリルで炭を入れる場所を横長に作る。串が乗せやすい様にだ。
まず下準備に時間が掛かる『つくね』に手を付ける。
玉ねぎのみじん切り、しょうが、塩、片栗粉。酒とかみりんが無いけど仕方がないので、鶏がらスープで代用。
良くも見込んで粘り気が出たら。少し休ませる。
串に出来上がった種を付け、形を整える。
後は炭に火を点け、安定させるまでの時間で焼き鳥の串打ちをする。
ねぎま、もも、かわ、レバー、ささみ、むね。食べやすい野菜も串打ちしておこう。
串打ちをしていると、ナタリーが手伝いを申し出てきた。
自分の飲食店を考えているので、こうして俺が料理をしていると良く手伝ってくれる。
ナタリーが手伝ってくれたおかげで、夕食で食べきれないぐらいの串打ちが出来た。
「そろそろ焼き始めようか」
炭が安定したので、焼き鳥グリルで肉串を焼く。
味付けは塩。塩だれの二種類。
そして、お酒は宿から購入して、給仕してもらう事にした。
肉が焼ける匂いでみんなが集まってくる。
確かに、グレーターオーストリッチの焼ける匂いは、普通の鳥肉より食欲がそそられる気がする。
油が炭に落ちて立ち昇る香りが何とも言えない。
良い感じで焼けた焼き鳥を皿に盛り付ける。
塩を振って完成だ。
焼き鳥は焼き立てが美味いので、焼けたそばから各自好きなように食べる様に説明してある。
俺とナタリーはエールを楽しみながら肉を焼く。
しかし、このグレーターオーストリッチの焼き鳥。正直あんまり美味くない。
これは焼き鳥には向かない肉だ。
脂肪分が多すぎるのだ。
と、言うのが俺の感想だ。
『あんこ』が美味い肉とおすすめしてくれたけど、調理方法があってないんだな。
まぁ初めての肉だし、こういう事もあるさ。
『あんこ』も含め、みんなに好評なのが何とも言えなくなる。
なんというか『もつ焼き』をイメージして調理すべきがったか?
後日博多鉄板焼きモドキを作ってみよう。
そのためには牛脂を作っておかなきゃな。
俺は『ねぎま』や『ささみ』ばかり食べていたのだが、代わりに『あんこ』とブラックウルフ達が『もも』と『かわ』をがっつり食べてくれてるので、バランスが取れている。
「失敗したなぁ。この肉はこうやって食べる肉じゃないわ」
「すごく美味しいですよ。この串焼き」
串を焼きながらナタリーが感想を述べる。
「この肉は脂肪分が多すぎるんだよ。焼き鳥はね。本当はもっと肉の味が楽しめるんだ。これだと脂肪の味なんだよね」
「そうなんですか?」
「後日ちゃんと適した鳥肉で作る事にするよ」
「楽しみにしてます」
ほどよくお腹が膨れたので、この後は焼くことに専念しよう。
主に『あんこ』とブラックウルフ達の分んだけどな。
翌朝。まだアロメダが戻ってこないので、グレーターオーストリッチの肉をうまく調理する方法を考える。
時間を潰すのにナタリーと一緒にだ。
やっぱり脂肪分が多いので、鳥肉チャーシューでも作ってみるか。
大鍋に水を張り。ネギの青い部分とショウガを入れて鍋を温める。
砂糖と塩を入れて味を整えてから、もも肉を型崩れしない様に紐でくくって投入。
沸騰するまで灰汁を取り続け、灰汁が出なくなったら鍋を竈から降ろし、ゆっくりと冷えるまで待つ。
しかし、灰汁と一緒にでた脂の量が凄かった。この肉で鳥油作るのもアリなのかもな。
鍋が常温になるまで放置して完成となるわけだが。ついでだから何か作り置きしておこうかな。
「ナタリーは何か作ってみたい物とかある?」
「教えてくれるなら何でもいいわよ」
「それじゃ鳥油を作っておくか。いろいろ利用できる便利油」
『あんこ用ごはん鍋』を取り出して、竈にセット。
だいぶ熾火になりつつあるので、丁度いい。
低温でじっくりとグレーターオーストリッチの皮から油を抽出する。
細切りに刻んだ鳥皮を、鍋で焦がさない様にかき混ぜながら焼いていく。
すさまじい油の量だな。それほど時間もかけていないのに、焼いている皮が油に沈むくらい分離している。
香りにつられて『あんこ』達がやって来る。
「油取り終わったら、おやつ作るから待っててくれ」
ぶんぶん尻尾を振ってご機嫌な『あんこ』を見るだけで癒されるな。
焼いている皮が縮みきったころ合いで、鍋から引き揚げスキレットに移す。
鳥油も窯から降ろして冷えるまで待つ事になる。
スキレットに引き上げた油を取った鳥皮に、ほんのり塩と胡椒で味付け。
ナタリーと共に、ちょいつまんでみる。
あ。これは良い酒のつまみだ。
お互い頷いて、半分をインベントリに収納する。
後日の肴にしよう。
約束通り。『あんこ』達におやつとしてふるまった。
しかし油を落とすと『あんこ』の話通り。美味い肉であった。
グレーターオーストリッチは、如何に脂を落とす料理を思いつくかが課題になりそうだ。
くどすぎる油が無ければ極上の味と分かったし。
アンさんにも相談して料理を考えよう。
それまでグレーターオーストリッチは封印だな。もったいない。




