表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
104/122

094_無力化の魔法

正直どうでもいい事だったんだが。

あのケンタウロスも不憫ていえば不憫。

親に捨てられたのか、どうか知らないけど。

ケンタウロスが多い南の国からかなりの距離らしい。

そんなところに幼くして一人放置されたんだからな。


いまいち気分が落ち込む事象だったが、気を取り直して次の目的地に向けて進むとしよう。

コシュシの町まで後一日と言ったところだろうか。

大草原で出会った行商人の男の話が気になる。

アデルシアン湿地帯での人族が行方不明になっている件だ。

待ちに到着するころには解決してくれてればいいけど。

用心に越した事は無いので、対人の無力化魔法について考えておくことにした。

物理防御は今のところ不安はない。

攻撃についても『あんこ』を筆頭に、雑魚相手ならファウラ、ツービー、アロメダが蹴散らしてくれるだろう。

なので、攻撃される前に無力化させる手段を考えようと思ったのだ。

人族相手だと殺しちゃえば解決って訳にもいかないからな。

魔法だと、スリープ、パラライズあたりがスタンダードだけどさ。

スリープ?眠る理由なんてわからない。

寝る子は育つとか言われるし、成長とか体の修復が促進されるとかなのか?

これは俺ではイメージすることができそうもない。

次にパラライズ。

これまた無理だ。意識を保ったまま体がしびれて動かない?

よくゲームとかで登場する魔法だけど、そんな都合のいい状態に出来るものなのか?

石化はやりすぎだろうしなぁ。

有力な候補は気絶。

さて手法はとなると、いろいろ考える事ができる。

病院などで使う麻酔薬などの化学物質による気絶。

頭部に強い衝撃を受けた場合などの物理的な方法での気絶。

精神的に脳にすさまじい負担がかかる場合などの精神的な気絶。

どれも加減次第で死に至るんだよな。

無力化って難しいな。

そうだこういう時こそ先人の知恵を頼ろう。

『ウズラさん。聞きたいことが有るんだけど今話せる?』

『どうした?そっちに行こうか?』

『いやみんな驚くからこのまま念話で』

『そうか。で、何が聞きたいんだ?』

『人族など無力化する魔法って知ってる?』

『知らんな。殺してしまえば良いのではないか?そうすれば無力化するであろう』

脳筋的発想。強者の考えはそういうもんなんだろうか。

『平和的に物事を解決する場合必要になるんだよ。殺しちゃったらそうもいかないでしょ』

『ふむ。そもそも無力化と言っても様々だろうて』

『そこで、眠らせるとか、麻痺させるとか、気絶させるとか魔法で出来ないかなと』

無力化について今まで考えていた内容を伝える。

『全てに共通する魔法は、精神干渉系の魔法になるな。なかなか難しいぞ。まず人族はそれぞれ考え方や知識など個々に異なっている。その精神に干渉するわけだが・・・』

『簡単に言っちゃうと、個人個人のスペシャルな魔法になってしまうと』

『そういう事だ。ジャンを眠らせる魔法とかな。他人には効果がない』

うすうす精神系の魔法ってそう言う物なんじゃないかと、考えてはいたけど。結論がここで分かってしまったか。

『じゃあ物理的に無力化する方法か』

『足の一本でも吹き飛ばせば良いのではないか?』

『確かに部位欠損しても治せるとは思うけどさ。絵ずらが流血事なのはちょっと・・・』

『血が流れなければ良いのか?それならば骨でも消してしまえばよかろう』

『え?』

『足の骨でも消してしまえば、身動きが取れなくなるだろう』

なんか物騒な事言ってるが、見た目は流血無しで痛みのない骨折みたいなものか。

『消したり元に戻したり。簡単にできるの?』

『魔法の原理は知っているんだよな?』

『エネルギーの加減。物質の作成消去。大きくこの二つをマナによって行う』

『そうそう。骨も消すのはもちろん、作り出すのもそう難しくはない』

『本当かよ?』

『ジャンは治癒魔法を使えるのか?使えないならそこからの説明となるが』

『軽くなら使えるよ』

そうして、治癒魔法について一からの説明が始まった。

流石だ。軽くとか一応とか回答する場合は、基礎をないがしろにしている場合が殆ど。なんとなく使えるって場合が多い事を知ってらっしゃる。

個々の生物には設計図があって、それを元にマナを物質化する。それが治癒魔法。

その個人の設計図は、神界にあるんだってさ。その設計図を参照する事ができるのは加護持ちと神に認められた人のみ。

治癒院で部位欠損を治せる大神官は、その神に認められた人々。

傷や病気の治療は欠損じゃなく、自己再生促進とか、感染症の防止とからしいので、人体設計図とは無関係。

でだ。俺が今まで治療してきたのは、自己再生促進とか病原菌の除去なので、全く別物だったわけ。

『ごめん。説明を聞いて、治療魔法が使えなかったことが分かった』

『ぶわはは。そんな事もあろうさ』

ナタリーが刺された時も肉体的には全てそろっており、つなぎ合わせただけ。

ケンタウロスの時も、内臓が破裂していたが、外傷は打ち身で穴は開いていなかった。

運が良かったんだな。

で、話を戻す。

『理解できたので、後は実践だけど。どうするかな』

『フェンリルにでも魔物を持ってきてもらえば良かろう』

そうなるよな。医学には人体実験が必要だし。

『さて、報酬の話をしようじゃないか!』

『うん?報酬?』

『何を言っておる。ただで知識が得られるとでも思っているのか?』

『言い方。あかの他人なら報酬で良いけどさ。せめてもうちょっと言い換えようよ』

『おお、すまんすまん。じゃぁ貸し一つな』

『了解』


野営地に着き。近くにいたツービーに生きた魔物を狩ってきてくれと依頼を出した。

ものの数分で、ぐったりしたラッドを咥えて戻ってくる。

骨除去の魔法。治療魔法の逆を実行する。実際の魔物の設計図を参照するイメージではなく医学書を見ているイメージ。中身の記述は真っ白で良いらしい。

視界に入る前足部分の骨を消去。

痛みとかは無いのか息はあるが、暴れる事は無い。

骨を消したところに触れてみるが、ぐにゃぐにゃする。

それじゃ次に、骨の再生と。

同じ様に骨再生を試みると、難なく成功する事ができた。

ラッドは、生体実験に付き合ってもらったって事で、見逃してやろう。

この骨抜きの魔法。ちょっと怖いが痛みもないし使えそうである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ