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1章 1話 二度目の人生の始まり

梓は、生まれ変わった…


赤ちゃんの頃は、過去の記憶を思い出すこともなかったけど…

物心がつく頃…

少しずつ、過去の記憶を取り戻していった。


―――そうか…私は、梓だ。

―――本当に、生まれ変わったんだ!

―――この記憶を持って、生まれ変わった元を探したい…


梓は、悲惨な生活を送っていた。

父から毎日殴られたり、蹴られたり…

虐待されていた。

母も殴られている。

父は、仕事もせずに毎日飲んだくれている。

狭いアパート…

食べる物もほとんどない…


そんな毎日の中…

父を見ると…

父が前世で誰だったか、見えるようになった。


父は、前世で元夫だった渉だった…


2回目の人生で、渉と親子になるとは…

でも、前世で関わった人が分かるのは、ありがたい。


それから少しして…

母は、父から逃げるように梓を置いて出て行ってしまった。


その後、父は荒れまくった…

毎日、父に虐待をされる日々…

ひどい時は、風呂場で裸にされ…

冬なのに、冷たい水をかけられることもあった…


梓は、3歳だけど…

梓の過去を持っている。


梓は、どうにか家を出て…

誰かに助けを求めることにした。


父は、昼間は酔っ払って寝ていることが多い。

梓は、寝ている父のそばを通って、玄関に向かった…


すると…

そんな時に限って…父は目を覚ます。


「ん?梓どうした?どこに行くんだ?」


「遊びに行こうと思って…」


「誰が、遊びに行っていいって言った!」


「ごめんなさい…」


「家から出るなよ!」


―――父から、逃げることは出来ないのかな…

―――どうしよう?


それからも、辛い毎日が続いた…

父は、中から梓の届かない所に鍵をつけた…


なんで、そうまでして…私を出したくないんだろう…

私は、逃げることは出来ないのかもしれない…

もしかしたら、このまま父に殺されてしまうのかも?


まさか、前世で夫婦だった私たちが、こんな関係になるとは…


ロクに食べさせてもらえず…梓は、どんどん痩せていった。




それから、暫らくして…

突然、家に人が訪ねてきた。


それは、児童相談所の人だった。


「すみません。お話をしたいのですが…開けて貰えますか?」


「は?うるさいんだよ!」


父は、大声で怒鳴る。


「梓さんが、虐待を受けていると通報があったんです。開けて下さい」


「は?そんなことあるわけないじゃないか!」


「梓さんの安否が確認できればいいんです。開けて下さい」


父は、しぶしぶ玄関を開けた…


児相の人は、すぐ梓の手を取った。


「梓さんと話をさせて下さい」


父は…


「梓、余計なことを言うんじゃないぞ!」


梓は、外へ行き他の職員と話をすることになった。


梓には、身体のあちこちに(あざ)がある。

それを見たら、すぐ分かることだが…


「この傷は、どうしたのかな?」


「お父さんに叩かれた」


梓は躊躇(ちゅうちょ)せずに、そう言った。


梓は、すぐ保護され…

児相に連れて行かれた。

後で、出て行った母が児相に相談してくれたと知った。


そして、父は逮捕された。


これで、やっと父から離れられる…

これから、私の2回目の人生が始まるんだ…



どうにかして、元を探したい…

でも、どうすればいいんだろう…



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