かんちがい?
朝ごはんを食べ終わり、自分の部屋に戻ると、
やさしい光が窓から薄く差し込もうとしていた。
窓の外に見える木々の間から、漏れて入ってくる、やさしい光が心地よかった。
カーテンをひらいて、やさしい光を確認した後、窓を開けた。爽やかな風がながれてくるのを感じながら椅子に腰掛けた。
朝日が差し込む部屋の中で、ぼーっとしながら、日常の音に耳を傾けていた。
バタンとドアの閉まる音が聞こえてきた。忙しなく動いている足音。もう少しでゴミ収集車が来るのだろう。ドアが開いた音の後には小走りの足音が聞こえ、またドアの開く音の後には小走りの足音が聞こえを何度か繰り返していた。
「おはよう、ゴミ収集車は、まだ来ていないみたい」
『あー良かった。すっかりゴミの日のことを忘れていて遅れたかと思ってたわ』
「ゴミ出してきた? 今日は天気がよさそうやね」
『ゴミ出せてたわ。今日はえらい朝からバタバタしたわ』
「今日は久しぶりの晴れの日で暑いくらいになりそうやなぁ〜。」
『ほんとに、朝からバタバタしたから汗かいてるわ。』
「今から洗濯したら良く乾きそうやね」
『そうやな〜、シャワーでも浴びて汗流そうかなぁ〜』
「そやね。今から洗濯するわ」
『そうしよう。また後で』
「またね」
何の会話だろうか、なんとなく前と後ろは合っているが中身が全く違う会話が聞こえきた。
ウイーン、ウイーン、そうの音も混じっている。一日の始まりの音が、あちこちから聞こえてくる。
色々な音が混じって内容は聞き取れないけれども、自然な会話の流れが続いて、2人は納得してお互いの家に帰っていった。
窓から聞こえてくる不思議な会話の音に、心地よい気持ちが少しの間だけ止まり釘付けにさせられた。