ぼったくり
俺はしがない大学に通い詰めている大学3年
夜空の星々は俺に同情や憐れみの感情を向けてくれるだろうか
大学受験が運命の分岐点であったのかもしれない
高校生の頃は有名大学に入学して
その大学の名前というブランドを馳せて
魅力ある異性とお付き合いさせて頂きたいというような
アラレもない願望の元に受験生活を送っていた
ここまでを聞くとさぞかし勉強してたんだろうななんて
思う人もいるかもしれないけれど実情はそんなものとは
天地の隔たりがある程に情けない受験生であった
ゲームの誘惑に負けたんだ
受験勉強とゲームを天秤にかけてみて
圧倒的多数票を獲得してゲームが俺の中で優先された
受験勉強は面白くないし
一方でゲームは楽しみと面白みがある
そこまで結論が出てしまえばゲーム生活一直線
自らの高校生活でありながら
未来の展望を描けない受験生であったなと
思い出すたびに涙が流れてくる
俺が涙を流しているのに
夜空の星々は涙1つ流してくれているんだろうか
俺は今ここで夜空の星に誓う
【3流の大学生であるけれどなんとかステキな異性を俺に明日あたえてくれと】
そしたら不思議に心が落ち着いてきた
いけるかもしれない
明日になり
都内まで出向き始める
もちろん彼女作りの為である
俺の中での彼女はただ見た目が良ければいい
その1点に尽きる
たったのそれだけ
そこさえクリアするならばどんなに性格が悪くても
俺ならば我慢出来る
表参道を歩いている人で素敵な人を発見
俺は夜空の星への誓いを信じながら急接近
「あのー、そこのお方」
女性は俺の方を見た
「なに?あたしに話しかけてんの?」
「そうです。あなたに話しかけているんです」
「何?勧誘?」
「違います。全然違うです。あのー、言いづらいんですが、俺の彼女になってくれません?」
「はぁ?何であたしが初見のあんたと付き合うのよ?」
「いえ、その美しい人であるなら俺は誰でも付き合えるんです。今日街中で見かけた女性の中で1番美しかったものですから」
「………」
「駄目でしょうか?」
「……あんた普通の人じゃないね。そんな理由を突きつけられて付き合う人なんかいないよ。……まあいい、200万円くれるなら付き合ってあげてもいいよ」
「え!?200万円??」
「嫌なら、これで話はお終い」