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ミミミリスの日常

大樹が囁くような葉音を立てる夜。

その大樹に建てられた小さな家で月猫つきねルリ(本名;ミミミリス・フェレスガット)は配信をしていた。


「みんにゃ~!今日もありがとにゃんっ!今日の配信はこれでおしまいっ!またねー!」


視聴者27人。

その画面をスクショすると、ミミミリスはそっと配信終了ボタンを押した。

彼女はいつも配信を終える前、画面をスクショするのをルーティーンとしていた。

彼女が目指すのはフォロワー百万人であり、その長き道のりを達成した時、その軌跡としてスクショをしているのだ。

彼女は自分自身をマメな獣人だと思っている。


「はぁ、だるぅ」


いやいや配信をしているわけでもなく、月猫ルナというキャラを演じることが億劫になっているわけでもない。

ミミミリスは配信を愛しているし、視聴者も彼女の承認欲求を満たしてくれるから家族以上に愛しているといっても過言ではないと思っている。


じゃあ、なぜ配信が終わった後いつも「だるぅ」と言うのだろうか。

答えはそれがかっこいいと思っているから。

つまり、そういうお年頃なのだ。


「さあ、行こっと」


ミミミリスは部屋の窓から外へ出た。

いつも、家から地面に着地するたびに舗装されてない地面は着地心地がいいなと彼女は思う。彼女は都心の学校に通っている頃(といっても、2年前だが)、いつも寮の窓から道路は飛び降りていた。たまに、怪我をしていたが、彼女が窓から飛び降りて移動するのを止めることはなかった。それは彼女にとって、本能のようなものだったからだ。



そして、彼女は夜の商店街へと出かけた。


夜の商店街といっても、特に変わった意味を持つわけではない。

彼女の住んでいるラララットリ村は獣族の村であり、そこの住民は皆夜行性なのである。

なので、住民にとって真夜中は真昼間と同じなのである。


「ますたあぁあああ!今日も超難関ダンジョンお願いしますっ!」


八百屋兼クエスト受付所でいつものやつを頼んだ。

いつものやつといっても本当に超難関ダンジョンというものを頼んでいるわけではない。これは、マスターとミミミリスとの間でのただの冗談にすぎない。


「おっ!強つわ者ものが来たなぁ~。はいよっ!瓶が割れないように気を付けるんだよ」


「はーいっ!」


ミミミリスはいくつかの果物と小瓶一つ分の練乳が入った紙袋を受け取ると自分の家がある大樹に戻った。


そして、その大樹の頂上まで登り、星空の下、さっき買ったいくつかの果物を食べた。


そして、食べ終わると家に戻ると彼女は自身の配信の切り抜き動画を編集してアップロードしたり、他の配信者の配信を見て勉強をする。


やがて、日が昇ってくると彼女は朝ご飯を食べ、そして風呂に入る。


彼女は朝の小鳥がさえずる声を子守歌に床とこに就く。


それが月猫つきねルリことミミミリス・フェレスガットの日常だった。

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