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転生

この村は終わってる。


そう呟く理由は確かに存在した。

閑散とした村内は痩せ細ったおじいさんがひたすらに土を耕す、その手に持つ農具は取っ手は腐り果て、金属部分も錆びてもはや使い物にならない。

だが、新しい農具を買う金など無い村人達はその何十年も使い潰した農具を皆で分け合う。


村人は20人しか居ない。

その内若いやつは俺と幼馴染の二人のみ。若い人間が居ないから、高齢になっても子供を作るしか無かった。

若い人間は人身売買で売られる又は村を出てく為に、いつまでも人口は増えない。


こんな現状の中、俺は前世の記憶を思い出す。











「もういいよ」


そう俺の前で話す男は上司の盛岡

ミスばかり繰り返す俺に呆れてるのか注意すら最近はしてこない。


それなりの大学を卒業して入社した大企業

高校、大学と好成績を保ってた俺は社会を舐めていた。入社直後に洗礼を受けたのが、取引先との面談や数字管理だった。大学や高校では、それなりに答えがある物ばかりでここまで曖昧な指示の中結果を求められるのは初めての経験だった。人件費や経費や利益率を高い水準で保つのは普通の事で、新入社員はそれに加えて雑務もやる。


だが、そんな多忙な中俺は雑務でミスを繰り返して孤立している。高卒で入社したあいつはそつなくこなして、今や俺の上司になりかけている。

会社でうまくいかない俺は、高卒と言う学歴で見下す事しか出来なかった。


帰り道、暗い道を街灯が薄く照らす。

その光は、やけに心細く俺の心を更に蝕む。


「やり直したいか?」


下を見てトボトボ歩いていた俺はその声に顔を上げた。


そこに立つ男はなんの変哲もないただの成人男性だ。

ただ、顔を何故か認識できず成人男性としか認識できない異常な状態だった。


「やり直したいか?」


再度聞き直す声は機械的な人間とは思えない声だった。

やり直したい、何をやり直すのだろう。


「やり直し、何をですか」


そう聞いてみる。

分からないが、何か引っかかって話をして見ることにした。何故か、その存在に俺は救いを求めた気がした。


「魂のバランスに狂いが起きた。お前には異世界に調整の為に転生して欲しい。」


異世界?転生?

なんだ、そのファンタジーは


「お前の問いに答える暇はない。行け」


そう男は話すと目の前が真っ暗になった。












「〜〜〜!〜〜〜?」

「〜〜〜〜!」


目は見えない。男はどこだろうか。

殺されたのだろうか。


身体を起こそうとしたが、身体は動かず手足しか動かない。


身体が浮く、否抱き上げられた。


俺はそこで気付いた。自分が転生した事に。

知らない言語を話す誰かと簡単に抱き上げられる俺の身体。

それは転生したと裏付けるには十分だった。


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