待ち人のうた
掲載日:2021/06/10
天気がいいから外に出よう
そういうあなたはのっぺらぼう
背中にはえたコブひとつ
やさしくなでれば火の香りがして
わたしは知らない花を思い出した
いつまでに帰ってくれば間に合うのか
あなたの問いが風に消える
わたしの足は木の根に変わりつつあり
動かそうにも根が深い
探さないでと言おうとしたけど
それはわたしの役割だった
絡みあう髪も絡みあう指も刃物いらずで切り落とせば
わたしもあなたも過去の残物
手紙はいつも届かないから
青いインクで空に書き殴る
ゆっくりゆっくり年を重ねて
泥のなかでゆっくり眠るまで
わたしは手を振ってあなたが来るまで待ちましょう




