1話
少しずつ少しずつ投稿していきます故、短いです。ご了承ください。
春の暖かさが眠気を誘う教室。
昼食後の授業中、机に突っ伏して寝てしまっている生徒。
眠気から意識が朦朧としている青年がここに1人...
「七都ーここ、答えろー」
青年...伊吹七都はビクッと反応する。
驚き、少し大きな音が静かな教室に響く。周囲からの視線が痛い。
七都は
「わかりません」
と一言。
「わかったから寝てたんだろ?」
ハゲ先生の説教がチャイムがなるまで続く。
その間5分、いつもの同じような内容からか七都の体感時間は1時間だっただろう。
「ここ明日解いてもらうぞ」
最後にこう言って六限目が終わった。
下校、七都は電車の中に居た。
鞄から読みかけの小説を取り出し読み始める。
下車駅に停車すると、七都は小説をしまい顔を上げる。
ふと1人の女子が目にとまった。
反対側のホームにいる、眼鏡を掛けたポニーテールの女子。
制服を着崩し、スマホを弄っている。
時々当たりをキョロキョロ見回す。誰かを待っているようだ。
七都には彼女に見覚えがあった。
名前は藤咲 さくら。
七都の最初で最後の彼女、いわゆる元カノだ。
「可愛いな…」
思わず口にでてしまう。
世間一般から見たら可愛い訳ではないが、七都には可愛く見えていた。
さくらに対する未練は残っている。
さくらに見とれていると男が駆け足でさくらに近寄ってきた。彼氏だろう。
男がさくらと話している所を目撃すると、七都は逃げるように階段を降りていった。
その日の夜、七都は3年前の事を思い出していた。
最初は隣の席の絵が上手くて不思議な女子。
突飛な話をするけども真面目なはなしもする。
さくらはそんな人であった。
七都には彼女の笑顔が輝いて見えた。
彼女に絵を描いて貰ってから遊ぶようになり、次第に好きになっていった。
出会ってから6ヶ月後には付き合っていた。
半年もしないうちに七都が引っ越す事になり別れてしまったが...
七都にとってその半年はかけがえのないものだった。
そんな思い出を振り返って居るうちに彼の瞼は閉じていた......
初投稿です。文章力が皆無なので暖かく読んでください(?)




