↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
窓を開くと  作者: とさか
鮮明な記憶
PR
21/29

突然

松山君が血だらけで倒れていたと聞いた私は、そのことをきちんと理解できず、静かにぽかんとしていた。


その後とりあえず小雪ちゃんの元へ、熱がありながらもとつとつと段々はやくなるよう向かった。


「どうしたの?!熱出ているのに休まないと」


彼女は私を見ると途端に心配の声を掛けてくれた。


その時、確か私はぜふぜふと息をし頭の中の引き出しをこれでもかと引っ張り出すと、小雪ちゃんにそのことを伝えた。



彼女がそのことを聞くと、私へ静かに話しを返す。いきなり彼女の顔が白くなって震え始めたのを覚えている。



「......え?全く意味がわからないけど」



そして、空白の時間がまた流れ出す。

 それ以前に、彼女も松山くんが居ないことに疑問を抱いていたとか。

その後に看護師さんへ聞きに行こうと、一斉に私達は同じ方向へ進んだ。



とんとんとんとん



しかし、ナースステーションを見てもそこはすっからかんで、忙しいのが目に見えるぐらいに。

 いつもいる所に、人がいないというのはこんなにも不安になることだったんだと、目の前も暗闇に変化した。


誰もいないから、今どういう状況なのか理解できない。



夜も深くなっていき、風がびゅるびゅるとドアを揺らすとき。


 小雪ちゃんと不安で仕方なく待っている。するとガラガラと廊下から音がした。


なにか重いものを運んでいるような......。静かな部屋にずっと響いた。

 音がするとすぐに近づいてしまう癖がある上に状況が状況だから、私はすぐさま廊下に出た。



その音の正体は移動式ベットの音だと分かった。


ベットの中には、なんと蒼白い松山君の静かそうに眠っている姿が、確かにあったんだ。


そしてそれは無慈悲に、止まることなく、私の前をすっと通り過ぎて行った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。