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血継ぎ物語  作者: ハーモニカ
第1章 棄てられた騎士グリム
3/8

02 お楽しみの時間

〈薄く笑うベルベッド〉、か‥

書斎は焼けた。

しかし、生きていると気付かないうちに、様々な跡を残すものだ。奴に目を付けられるのも時間の問題だろう。


ロザリアはニュークリプトンのホテルへ向かい、予め取ってあった部屋へ向かった。

部屋は広くもなければ狭くもない、至ってノーマルなものだった。どうせここに長く滞在する予定はないのだ。早急にマグノリアへ行かねばなるまい。


返り血を流したい。しかし人に見られるといけないので、大浴場は禁物だ。部屋にあるシャワーで済ますしかない。

衣服を全部脱ぎ捨てる。そして、タイツからブラジャーに至るまで念入りに手洗いをする。

これはロザリアの一つの習慣のようになっていた。洗濯機は信用できない。箱に洗剤と水を入れ、かき混ぜるだけで服が綺麗になるとはとても思えない。


シャワーを浴び終えると、ロザリアは鏡を覗いた。

透き通るような、ショートにまとめられた白い髪。

隙のない冷静な表情。

大丈夫、いつものロザリアだ。

そして、持参したマゼンタ色のパジャマに身を包む。

やはり着慣れたものが落ち着く。こういうとき、ホテルに用意された寝巻きを使う神経がわからない。本当に清潔である保証などどこにも無いというのに。


そして、お楽しみの時間が始まる。


持参した二個目のトランクを開け、中から血の詰まったボトルビンを取り出し、これまた持参したワイングラスにとくとくと注いでいく。

少々特殊な薬剤を混ぜているので、血は凝固しない。艶やかな赤がルビーのように美しい。


ロザリアは一口飲んだ。


芳醇な鉄錆の香りと、柔らかな甘み。舌を刺す程よい酸味が心地良い。


今は深夜零時。


ホーホー

ホーホー


梟が鳴いている。

ロザリアはもう一口飲んだ。


さて、あと二時間程で出発せねばならない。


夜こそが我等、吸血鬼の時間なのだから。


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