心の闇
少年がレンガ造りの、赤くて小さな今にも崩れそうな家に駆けこんだ。太陽が、その家に燦々と降り注ぐ中、少年は、心の声を書き綴る。
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もう嫌になってきた
自分の身体に 一刺し一刺し
メスを入れるの
しちゃおうかな
ずぶっと一刺し
でも
生きるしかないよね
きっと
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少年は、斜陽の射している部屋を後にして、しっかりとした足取りで未来に向かって歩き出す。
誰かが助けるわけでもない。
険しい道の上を、一人、これから歩んでいかなければならない。
彼の未来が楽しみだ。