表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

怪異探究行

不在の女

作者: 藤代京

 

 なんでこんなしつこく霊現象について書いているのだろう?


 さっき気づいた。


 不在が俺の怖いポイントなのよ。


 親の因果が子になんとやらとか、誰かの恨みを買って怨霊がとか、そうゆうのはまったく怖くない。


 怖さのツボがずれている。


 同じえすえむでも緊縛の人たちがスカトロの人たちを苦笑いで眺めるくらいなは、違う。


 あるのにない。

 ないのにある。


 そうゆうのが嫌で、怖い。


 幽霊なんて存在しないくせに現象としてはあるから、嫌い。



 しつこく書いているのはこの嫌な気持ちを、世間のみなさまに還元してお裾分けしたいと言う善意の衝動であったのだ。



 シナバモロトモ。



 ほんとこうゆうのはパブリックなものにして世間に還元するに限る。


 特に生霊とか!


 生霊とか!



 何があったと言う訳ではなく、いわゆる見える人から背中に生霊ついてるよと言われ、非情に心当たりがあったので生霊本人の耳に入るように公にしたらいなくなっただけの話だし。


 同時に足でなんか黒いもの引きずってるとも言われたが、それは単なる腰痛からくる足のしびれだ。



 さて不在が怖い俺だが、生きてる人間で不在の存在と出会ったことがある。


 多重人格。


 人格あるじゃん、1個どころか中身一杯あるじゃんと言われるかもしれん。


 確かに多重人格自体はどの人格出ても、別に怖くはないのよ。子供の人格出たりすると相手するのが大変だったりするだけで。


 ただな、


 あの連中って人格交代の最中って、中身空なんだよ。


 黒々とした目の奥にはほんと、なにもない。


 からっぽ。


 死人の目玉だって物としての存在感はあるだろうに、それすらない。


 体は生きてるのに、目の奥はただの空。


 喰われる。


 視線そらしたら、これ喰われる、ヤバいやつだわと、必死に目で戦ってたわ。


 生きてるのに中身なんもないなんて、反則。


 あれに比べたら悪意や怨念のがはるかにましだ。


 ほんともう身近にある怪異話でも怨念話なら怖さのツボが違うから、ふうんそれで? で済むものをなんでこう不在の怪ばっかり。


 いや、血が凝り固まった怨念話に遭遇していても、ふうんそれで? で気づいてもないだけかもしれんがな。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ