【7】俺のハーレム
俺、異世界でお姫様と結婚することになりました。
お姫様……と。
あ、やばいなんか泣けてきた。
もちろん嬉し泣きではないです。
もう起こったことはしかたない。
ちゃんと責任はとるって……フローラ姫は言ってくれたし。
俺の純潔……いいんだ、これで俺、ハーレム持てるし。フローラ姫、全員で五名まではいいって言ってくれたしね。
そういうことにしといてくれ。
気持ち切り替えていこう。
俺の可愛い子ちゃんたちが待っている。
ハーレムに一人ゴリラが混じってたって、他の三人が可愛らしければそれでいいじゃない。
……そういう事にしておこう。
じゃないと俺の貞操が……心が痛い。
そんなわけで昨日、俺は結婚式をあげた。
人間一の美少女(この世界基準)のフローラ姫に、清楚系エルフのルカ、お姉様系で下半身が蛇のイヴ。魔王で愛らしい幼女のプリム。
全員晴れて俺の嫁だ。
それでいて、俺の側にいるならそっちの方が都合がいいからと、リックくんも書類上は俺の妻になった。
昨日は初夜で、フローラに一日中以下略。
死ぬかと思いました……なまじ再生能力半端ない俺だから、何回でもイケるだろってもうやばかった。常人だったら死んでる。
この能力に感謝するべきか、これがあるせいでこんな遠慮なく嬲られたんだと怒るべきか。
もはやそれすらわからない。
今日から、作法的に妻になった女の子たち、全員の部屋を一日一部屋まわらなくてはいけないらしい。
二日目の今日、俺が訪れたのはルカちゃんの部屋。
緊張しながら部屋に入る。
「待ってました……コウタさん」
かぁぁっと頬を真っ赤にして、もじもじしながらルカちゃんがそんな事を言ってくる。
白の薄い生地のネグリジェは、清楚可憐なルカちゃんに良く似合っている。
俺の心の清涼剤。
ベットにぼふっと押し倒し、その長い耳を食めば、色っぽい声をあげる。
「キス、してほしいです……」
可愛いおねだりに、その口の中を味わう。
ルカちゃんは結構キス魔だ。
薄い胸板の上にツンととんがった果実をくりくりとこね回して、感触を楽しんで。
穢れない純朴さを持っているのに、ルカちゃんは結構淫乱の気があると思う。
俺の手にいちいち反応して甘い声をあげる。
潤んだ瞳と、上気した吐息が最高に可愛らしい。
もっとルカちゃんを愛するために、下へと手を下げていって。
むにゅり。
……なじみのある柔らかい感触がルカちゃんの股の間で、した。
「えっ?」
もういちど手でそのあたりをまさぐる。
むにゅり。むにゅむにゅ。
「ん、やぁん!」
色っぽくルカちゃんが身悶える。
えっ? えっ?
ルカちゃん……ついてる!?
そんなはずはない。
こんな美少女が男のはずは……ない。
「いや、いやです……恥ずかしい」
がばぁっとネグリジェを捲りあげて、確認する。
ちょっと待て。
なんでルカちゃんの股間に、俺と同じナニがぶらさがってんの?
これどういうことよ!!
『そりゃ当然じゃないかな。ルカちゃん男だし。不細工ってだけでルカちゃんは塔に閉じ込められてたわけじゃないよ? エルフは特に男不足で、かなり久々に生まれた男児がルカちゃんだったから、襲われないように塔で守られてたんだ』
エルフ族が必要にルカちゃんを追ってたのは、不細工でも貴重な男の子だったからのようだ。
頭の中で、リックくんの声がする。
……憑依させた覚えはないんですけど。いつの間に?
『いや、こんな楽しそうなことを見逃す手はないからね。昨日の夜からじっとご主人の中で息を潜めさせてもらってたんだ。しかし昨日は、フローラ姫とお楽しみだったね!』
――お楽しみしようと思ってしたわけじゃねーよ!
そういう決まりだからしかたなくだ。襲われてたんだよ。いたんなら助けてよ!
『えーっ? ご主人が本気になればあれくらい避けられたでしょ? いやよいやよも好きのうちってね!』
――そういう事いうのかよ! だ、だれもあんなゴリラ好きじゃねーし!
全くリックくんは酷い。
抵抗してたんだけど、あいつ言うだけあってスゲーんだもん。くそっ、自分があんなに快楽に弱いなんて知らなかった。
「コウタさん、もしかして僕の体が男だから……その気になってくれないんですか?」
脳内でリックくんと会話して無言になった俺に、不安になったんだろう。
涙目でルカちゃんが訴えてくる。
「ボク、ずっと閉じ込められてて。知らない女の人たちと結婚させられそうで。でもそんなの嫌で。絵本で読んだ王子様が、ボクのところにも来てくれないかなって……ずっと考えてたんです」
ルカちゃんが俺の背に手を伸ばして、抱きついてくる。
「愛してますコウタさん……ボク、コウタさんのお嫁さんになれて幸せです」
ちゅっと自分から口付けしてくるルカちゃんはたまらなく可愛い。
けど男だ。
いや、もう落ち着け俺。
ここ数日で道踏み外しすぎだから!
もう結婚しちゃってる時点で手遅れじゃね?とか、可愛ければ男だっていいよねとか、そんなことを考えてる場合じゃない。
俺のハーレムはこんなはずじゃなかったはずなのに!!
「さぁさぁご主人、頑張ってみようか!」
いつの間にかリックくんがそこに立っていた。
黒のネグリジェに、黒のガータベルト。幼く未成熟な肢体が、背徳感たっぷり。
しかし、股間が……もっこ……見なかったことにしたい。
「あっ……リックさん?」
こんな姿を見られてると恥ずかしくなったんだろう。
シーツをたぐりよせるルカちゃんは、なんというか嗜虐心をくすぐられる。
しかし男だ。
「さぁルカちゃん。僕ら二人で頑張ろうか! ご主人も折角新しい世界に生まれたんだ。新しい世界ついでに、新しい世界を開こうよ!」
「いやいやいや、おかしいから! そんな世界に旅立ちたかったわけじゃない! ちょ、抱きついてくるなリックくん! 当たってるナニかが当たってるから!」
背後からリックくんに抱きつかれる。
「コウタさん、もう、我慢できないです。コウタさんを僕に下さい……」
正面からルカちゃんが抱きついてくる。意外と存在感あるナニかが足に擦り付けられて、危機感を覚える。
「可愛がってください、コウタさん」
「たっぷり可愛がってあげるね、ご主人!」
「いやぁぁぁぁ!」
その夜も、俺の悲鳴が城内に響き渡った。
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初夜、三日目。
昨日はまさかのダブル男の娘で酷い目にあった。
なんかもう、純潔どころか純ケツまで奪われてしまって……。
ぐすっ、もうお嫁にいけな……いやもう結婚してるからどっちにしろどこにもいけない。
俺の人生詰んでね?
心の痛みが半端ないが、大丈夫。
俺にはまだイヴがいる。
本日のお相手は、下半身が蛇のラミア族イヴなのだ。
下半身蛇だし、そこんとこどうするんだろうとは思うけれど。
でもまぁ、イヴには期待できる。
なにがって、もう何もしなくてもその体がエロいし。
白くたわわな胸で、今までも色々してくれてたし。
かなり艶っぽい年上お姉様って感じなんだよな……あれ以上が待っていると思うと、わくわくするな!
正直、異種族とかそんなのにこだわりはなかった。
美人で巨乳でエロいお姉さんってだけで、この世の宝です。
蛇って触手に似てるよねとか、どんなプレイが待ってるんだろ。
こういう世界の扉なら、大歓迎です!
「コウタ、待っていたわぁ」
桃色の部屋に入れば、イヴが出迎えてくれる。
「もう、準備は万端なのぉ……コウタのこと思ったら、いっぱい溢れてきちゃった」
んふぅと色っぽく息を吐いて、自らの指をイヴが舐める。
壮絶にその姿は艶っぽくて、ごくりとつばを飲み込んだ。
イヴと睦む場所は、薄いカーテンで仕切られた奥にあるらしい。
蛇であるイヴはベットを好まないので、柔らかいカーペットを床に敷いてもらったとの事だった。
ドキドキしながら、そのカーテンをくぐって。
その先には……。
ピンポン玉くらいのぬめった玉が、俺の腰の辺りまで山となってつまれていた。
えっ、なにこれ。
なんでこんなものがカーペットの真ん中においてあるの?
これじゃ色々イヴとしようにも邪魔だよ?
俺の背後からイヴが抱きついて、手をズボンにまわしてくる。
「こんなにいっぱい卵産んじゃった。結婚した日から、こんなによ? ほら……はやくコウタのをかけて? 何匹子供が受精するか……楽しみね」
いやいやいや、ちょっと待って。
これはあれですか。
理科の授業でやった、魚とかああいうのの産卵……的な!?
めしべとかおしべとか、そういう話なの!?
イヴさん、匹って言っちゃってるんだけど!!
「いっぱい、子供つくりましょうねぇ♪」
耳元で囁くイヴはご機嫌だ。
これ、俺の求めてた展開じゃないよ!
「イヴ、そうじゃなくてこう、初夜っていうのは男女が体を絡ませあってだね」
「うふぅ……いいの? 巻きついていいの?」
俺が説明しようとしたら、イヴが興奮した口調で蛇の下半身を俺の体に絡ませてきた。
ゴキゴキゴキッ……と、俺の体から骨が軋む音がする。
そういえば、イヴさんの締め付けって、超強いんでした。
「イダダダダッ! 死ぬっ! 死んじゃうっ!」
「んはぁ……いい、泣いてるコウタ最高に可愛い……」
うっとりとイヴが俺の顔を眺めてる。
「ずっと我慢してたのぉ……コウタのそういう顔ずっと見たかったぁ」
イヴさんもしかしなくてもドSですか!
モンスターたちを絞め殺したり、血まみれで恍惚としてることあったから、もしかしてそうかなって思ってたけど!
「この世界で男の人口が少ないのって、色々理由があるんだけどさ。イヴのラミア族は、女が愛情表現で男を絞め殺しちゃうから少ないんだ!」
どこからか現れたリックくんが、そんな説明をしてくれる。
そういう事は先に言ってよ!
「でも、コウタ死んじゃうの……もったいないなぁ。んっ、でももう……とまんない」
ギリギリと俺を締め付けながら、イヴが鼻にかかった息を漏らす。
「それなら心配無用! ご主人は再生能力半端ないから、遠慮なく痛めつけても死なないんだよ! そうでないとあのフローラ姫と夜の戦いなんてできないからね!」
リックくんはいい笑顔で、ぐっとイヴさんに親指を立てる。
「リックくんそれ今、イヴさんに教えちゃうの!? 俺遠慮なく殺されちゃうう!」
「大丈夫死にはしないから、ずっと楽しめるよ!」
むしろ死んだほうが、楽になれるんじゃないか。
そう思ってしまう俺に、イヴの下半身がぎゅっと絡みついてくる。
「本当? ならぁ、遠慮なく……」
物凄く幸せそうな顔をして、イヴの締め付けがさらに力を増す。
「痛い! 骨砕けてる! 口から内臓でちゃうからぁぁ!」
「その悲鳴たまらない……んぅ、はぁ……コウタぁ!」
こうして俺は、一日中……イヴにまきつかれて愛されまくったのだった。
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ラスト四日目は、魔王のプリム。
でも幼女なんで、もちろんそういう事はしません。
俺は変態の自覚はあるけど、紳士です。
しかし、しきたりらしいので今日は一日中ずっと一緒に過ごすことに。
「プリム、おにいちゃんのお嫁さんなんだね! うれしい!」
無邪気な顔が可愛らしい。
残酷な面もあるプリムだけれど、その実素直ないい子だ。
ただ、やっていいことと悪い事を教えてくれるヤツが周りにいなくて、プリムにとっての遊びが他の人にとっては死に直結していただけなのだ。
くりくりとした目。
愛嬌のあるプリムは大人になれば、誰もが目を引く美少女になることが約束されている容姿をしている。
もちろん俺世界基準の美少女だ。
俺のハーレムが、おっさん、男の娘×2、ドSと、なんでそれ集めちゃったのという状況の今、最後の望みはプリムしかいない。
今は七歳くらいの幼女でも。
俺好みに今から育て上げれば、きっと理想の女の子になるはずだ。
「ねぇ、お兄ちゃん。プリムには色々してくれないの?」
ベットで本を読んであげていたら、プリムがそんなことを言ってくる。
他の人たちから色々聞いてしまったのかもしれない。ちょっぴりおませな雰囲気を持って、俺の服を掴んでくる。
「大人になったらね」
「ちぇっ……プリム二百歳だから、あと八百年も待たないといけないんだね」
可愛らしさにくすっと笑いながら言えば、口を尖らせてプリムがそんな事を言う。
……ん? 今八百年って言わなかった?
『プリムは魔族だからね。成人するのに千年はかかるんだ。その頃にはご主人、死んじゃってるね!』
あははと笑いながら、脳内でリックくんの声がする。
またいつの間にか俺に憑依していたらしい。
「じゃあ、俺一生プリムとあんな事やこんな事できねーじゃねーか!」
「そうなるね! どんまいご主人!」
俺の目の前に姿を現したリックくんは、とてもいい笑顔だ。
「いや、まだ諦めるのは早いよな。別のハーレム要員を増やせば……」
「王族を娶ってハーレムは作れるけど、ご主人はフローラ姫と五名までって約束してたよね! イヴ、プリム、この僕リックと、ルカ、フローラ姫でもう満員だよ!」
俺の最後の希望を打ち砕くリックくんは、かなり楽しそうだった。
絶望する俺の顔を見て、恍惚に頬を染めている。
「リックくん……まさか、それを知ってて俺のハーレムに?」
「いやぁ、その方がご主人が面白いかなって」
ぐっとリックくんが親指を立てる。
俺が面白いというより、リックくんが俺のあがく姿を面白がっていると言った方が正しい。
「そんな……嘘だろ。俺の夢、ハーレムが」
「ちゃんと願いは叶ったじゃないか! 間違いなく美少女のハーレムだよ!」
「おっさんと男と、ドSと幼女しかいないハーレムなんて、おかしいだろうが!」
そんな事を考えていたら、ドアがバンと大きな音を立てて開いた。
「プリムでは満足できないだろう? 私が相手をしてやる。ハーレムは認めたが、嫉妬はするからな」
「えっ、ちょっとまってフローラ」
ベットに押し倒され、服を乱暴に引きちぎられる。
この数日待たされていたフローラは、もう我慢がならないというように瞳をギラギラとさせていた。
「私が一番だということを……その体にしっかり教え込んでやる」
「ちょ、待ッ……アーッ!」
異世界に転生して。
ずっと夢見てきたハーレム生活。
なのに、これはあんまりだろ!?
「ずるいですフローラ様! ボクもコウタさんに可愛がってもらいたいです!」
「ワタシも、まだコウタを抱きしめたりないのぉ」
「おにいちゃん、裸で戦いごっこ? プリムも混ぜて!」
「ははっ、楽しそうだから僕も仲間にいれてよご主人!」
部屋にルカとイヴが入ってきて。
ベットの上で悶える俺に、皆がよってくる。
モテモテかもしれないが、望んでたのはこんなハーレムじゃない!
「こんなハーレム、絶対におかしいからァァ!」
俺の叫びが、異世界のベットルームにこだました。
完結です。酷い話ですいません。エイプリルフールだから許してくださいm(_ _)m
ちなみに、蛇は卵生ですが本当は体内受精です。
コウタはアホなのでツッコミきれてませんが、勢いで溢れちゃったって事にしといてください。
あとあとがき入れる場所間違えて、若干ネタバレになってました。すいません。




