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神様になったボクが守護する世界  作者: カミカミゴー
6/8

戦い、終えて

目を覚ますと、そこは天国でした。

まぁ、イメージしていたお花畑や三途の川ではなく、柔らかいラウラの膝の上でしたけどね。天国には変わりない。


「良かった・・・、気がついて・・・」


ラウラはすごく嬉しそうな表情でボクを見つめていた。

涙ぐむ瞳に見つめられ、思わずドキッとさせられる。

そんなに見つめないで、惚れてまうから。いや、惚れちゃうのはいかがなものか。

ボクは21歳。彼女は15歳。中学生に手を出したら犯罪ですよね?

いや、世の中にはもっと年の差があるカップルはいるだろうけど、ラウラはまだ子供、ラウラはまだ子供・・・。


ボクはそう暗示をかけていると、ラウラは申し訳なさそうに頭を下げた。


「ヒロト・・・ごめんなさい。私が力不足なせいで・・・ヒロトを危ない目に遭わせてしまって・・・」

「ま、待って! ラウラは悪くない」


泣き出す彼女にボクは慌てて慰める。

そうだ、ラウラは悪くない。本来であれば、ボクらの立場は逆なのだ。

差別するつもりはないが、ボクがラウラを守る側でなければならない。


「でも、私は、守ろうって・・・そう決意、したのに・・・」

「それは一方的すぎないか?」


名残惜しかったが、ボクはラウラの膝枕に別れを告げ、起き上がって相対する。


「ボクらは仲間だ。助け合っていけばいい。まぁ、情けないけど、ラウラに頼る部分が多くなるかもしれない。でも、ボクにも頼っていいんだ。ボクは、ラウラの重荷になりたくはない」


「重荷、なんて」


「顔、上げて」


未だ俯いているラウラの頭を、そっと撫でる。


「それとも、ラウラはボクを仲間だと思ってない?」


ボクのその言葉に、ラウラは泣き顔のまま顔を上げた。


「そんな、わけ、ない」

「ありがとう」


ボクは笑顔で礼を言う。

立派な神様になれるかは分からない。この世界を守ることができるかは分からない。

だけど、目の前の少女。ラウラの隣に立てるくらい、強くなりたいと思った。


「ボクはラウラと一緒に戦う。守られるだけじゃない。ラウラの力になれるように戦っていきたい」

「でも」

「ボクは絶対に死なない。だから一緒に戦わせてほしい」


物事に、絶対なんて存在しない。この世界では、スライムにさえひとりで立ち向かうことができない。

筋肉質な山賊に対しても、逃げ腰になってしまうボクだけれど、そう決意する。


「約束しよう」


ボクはラウラに向かって小指を差し出す。それを理解できていないラウラに対し、ボクはラウラの手を持ち上げながら説明する。


「これはボクの故郷にある、様式みたいなものだけどね」


互いの小指を絡ませる。恥ずかしいけど、顔には出さない。いや、もしかしたら出ていたかもしれないけど。

「指きりげんまん、嘘付いたらハリセンボン飲―ます、指切った」


そして指を離す。


「これでボクはウソをつかないことを誓ったことになる」

「本当・・・に?」

「ああ」


ラウラはまだ癪を続けていたが、ボクの顔を見て、ニコッと微笑んだ。


「ヒロトの言いたいこと、分かりました。でも、ヒロトを守れるように、私はもっと強くなりますから」

「ボクだって、もっと強くなるさ」


自信ないけどね。成長率低そうだけどね! 頑張るよ!


互いにそう誓ってから、山賊のことを思い出して周りを見渡した。


山賊は全員木に縛り付けられている。どうやら抜かりはないらしい。さすがラウラさん。


「よし」

ボクのその言葉に、ラウラが涙を拭う。


「王子様、救出しないといけませんね」

「うん、だけどその前に」


ボクは再び天国、もといラウラの膝枕に頭を沈めた。


「え」

「もうちょっとだけこのままで」

「でも、救出を・・・」

「ラウラの膝枕、やわっこい。気持ちいいなー」

「も、もう」


ラウラの頬が真っ赤になる。耳まで真っ赤だ。


・・・かわいいなー。中学生に手を出すと犯罪者?

もう犯罪者でもいいような気がしてきた。神様だもん。少しくらい大目に見てもらえるよね?


あかん。それじゃ職権乱用だ。

ボクは真面目な神様を目指します。


「~♪」


ラウラの嬉し恥ずかしそうな顔を見ていると、気持ちがブレブレになりそうです。

そして救出を待つ王子様、後回しにしてしまってすいません。

悪いとは思っています。ただ、優先順位的にラウラの膝枕が優ってしまっただけなのです。

うん、こんなこと王子本人には説明できそうになさそうだ。


文字数バラバラかも。バランスって難しいと思うの。


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