表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様になったボクが守護する世界  作者: カミカミゴー
5/8

苦戦、そして目覚め

戦闘そのものはすぐに終わった。

ラウラの剣のひと振りで3人同時に後方へ吹き飛んでいた。そして残りもあっけなくノックアウト。

いやー、本当に強いなぁ・・・。



ラウラは倒した山賊をロープで木に縛り付けている。

ロープなんてどこに持ってたんだろう。気にしたら負けだ。


「聞いてもいいですか?」


山賊たちのアジトと思しき場所に向かいながら、ラウラは言う。山賊を7人倒していて、全く息を切らせていない。


「なにかな?」


「さっきの魔法ですか? 遠くの景色を映し出す・・・魔法? そんなもの聞いたことないですし、魔力も感じませんでしたけど・・・」


う~ん・・・どう説明すればいいんだろう。

誤魔化すことはできる、と思う。

でも仲間であり、恩人である彼女にウソを教えることは、良心が痛む。

だからと言って「ボク、神様なんだ」と言って信じてもらえるだろうか。

スライムにすら勝つことのできないボクが、神様なんて誰も信じないだろう。ボクも当事者でなければ信じない。


よし、いつかは伝える。だけどラウラには申し訳ないけど、今は誤魔化すことにしよう。


「あ、あ、あれは、ボクが住んでいた村では当たり前のように使われていた魔法なんだ。魔力もほとんど使わないから、それを感じなかっただけだと思うよ。うん、本当、ウソじゃないからね?」


ボクはペラペラとウソを並べる。罪悪感が半端ない。ごめんね、ラウラ。


ラウラは「んー」と、何かを考えている。


「なんていう名前の魔法?」


ラウラがそう訊ねる。

・・・魔法の名前か。考えてなかった。でも安直でいいだろう。ボクはラウラに「千里眼」と答えた。


ラウラが再び考え込む。

やめて、それ以上突っ込まないで。ウソがバレそうでこわい。


「魔法辞典にそんな魔法あったかな・・・」

「やぁやぁ! そんなことを話しているうちにアジトに到着しましたよ、ラウラさん!」


ボクはわざとらしく大きな声で正面に見える大穴を指差す。


あの大穴に山賊が5人と王子がいることは、事前のマップ検索で判明している。

しかし自分にできるのはここまでだ。情けないが、後はラウラの力を借りる他ない。

ボクが申し訳なくそのことを伝えると、ラウラは「任せてください」と笑顔で小さな胸を張った。


・・・うん、こっちの世界って下着とかないのかな。

胸の先が・・・その、ね?


ボクが視線をそれに奪われていると、ラウラの表情が真剣なものになった。

それを見ていることにバレたかとボクは怯えたが、どうやらラウラの視線は大穴に向けられているようだった。


そちらに視線を向けると、山賊の一人が大穴より出てきてこちらに気づいたようだった。

「ヒロト、その木々の影に隠れていてください」


ラウラに言われるまま、ボクは木々の影に隠れる。カッコ悪いな・・・。


正面の山賊はラウラを見て、いやらしい舌なめずりをしている。仲間を呼ばないのは、ラウラを甘く見ていることと、下衆な考えからのことだろう。

ボクも完全に安心はしていないが、山賊のウィンドウを見る限り、よほどのことがなければ大丈夫だろう。


「おー、嬢ちゃん。剣なんて物騒な物、捨てちまいな。オレがもっと楽しいこと教えてやるよ」


山賊の低く、悪意に満ちた声が届く。ボクの存在には気づいているはずだが、足早に隠れる様からザコと判断しているのだろう。事実だけど。


山賊は180センチほどの筋肉質な男だった。腕なんて、ボクの腰ほどはありそうだ。

ボクだったら絶対にケンカしたくないタイプだな。


山賊はラウラを捕まえようと手を伸ばす。しかしラウラはそれを紙一重で躱してゆく。

数手して拉致があかないと判断したのか、山賊はその鋭い目つきをボクに向け、身を翻してこちらに向かってきた。


「あいつを人質にしりゃ、大人しく捕まるだろ!」


山賊がそう叫んでボクに剣を振り上げた瞬間、爆音と同時に山賊の背中が急に爆発した。

ラウラが炎の魔法を放ったらしい。倒れた山賊の背中からは、ぷすぷすと肉が焦げるような臭いがたちこめる。


「ヒロトには、絶対手を出させない!」


いつものラウラからは想像もできないような、怒りの表情を浮かべる彼女がそこにいた。



今の爆音を聞きつけ、アジトから残りの山賊が武装して飛び出してくる。

山賊が4人。こちらは15歳程度の女冒険者だが、仲間の山賊が無残に倒されているのに気づき、思い切り警戒されてしまっている。


ボクは彼らのウィンドウを確認する。


山賊A

HP:25


山賊B

HP:33


山賊C

HP:42


山賊D

HP:51


どの山賊も、ラウラより能力は低い。

しかしウィンドウがいつもと違うことに気づいた。

一人の山賊Bのウィンドウの右下に▼というマークが追加されていた。

今までは見なかったマークだ。

ボクはそのマークに手を触れる。


――――

山賊B

HP:33

MP:20

習得魔法

ポイズンミスト(毒魔法

――――


習得魔法という欄が表示された。

・・・毒魔法?


ボクは慌てて戦況を確かめる。

山賊AとDは既にラウラの剣によって横たわっていた。

そこまでは、いい。単純な戦闘なら、ラウラが勝つことは予想できていた。

だけど、不安な要素がこの毒魔法だ。


さきほどにはなかった霧が、辺りを立ち込めていた。


「ラウラ! 毒だ、息を止めろ!」


ボクはそう進言するが、ラウラは盗賊Aを倒したところで剣を地に刺し、膝をついてしまっていた。

遅かった・・・。ラウラは既に体を毒に蝕まれているらしい。



ラウラのHPが、少しずつだが減少を始めた。


「は、ははは、手こずらせやがって! これでお前の体の自由は効かない! こいつは散々好き勝手やってくれたお返しだ!」


山賊Bはラウラの頬を思い切り殴った。

体に力の入らないラウラはそのまま横たわる。


「ぐ・・・ぅぅ・・・」


「ラウラ!」


ボクは袖で口元を押さえながらラウラに駆け寄った。


「ヒロ・・・ト、逃げ・・・て・・・」

「ラウラを置いていけるか! 毒は解除できないのか?」


ラウラは自由の効かない腕を震わせ、手に魔力を集中させる。しかし毒のせいか、すぐに魔力が飛散する。解除魔法はあるが、使用できないらしい。


「オレを無視してんじゃねぇよ!」


山賊Bの蹴りの衝撃がボクの背中に走る。


「ぐっ!」


勢いでラウラの体に覆いかぶさる。


―――――

名前:ヒロト

HP:8/14

状態:毒

―――――


自分のウィンドウが緑に変色する。状態:毒が追加されている。


ずきん、と胸に激痛が走る。それと同時にHPが1、減少する。


「オレは魔法を使えるエリートなんだよ! バカにすんじゃねぇよ!」


山賊Bはボクの腹を蹴り上げた。エリートの山賊ってなんだとツッコミたかったが、痛みで思わず咳き込んでしまった。

そしてずきん、と毒がボクの体を蝕む。


―――――

名前:ヒロト

HP:2/14

状態:毒

―――――


・・・やばい。あと一回でも攻撃されたら、または毒で死んでしまう。

死が目の前に迫ってきている。


毒が解除できれば・・・、ボクはどうなっても、ラウラの毒さえなんとかなれば・・・。

ラウラは、助かるんだ。


・・・いや、助けるんだ!


ボクがそう強く決意した瞬間、目の前にウィンドウが開かれた。


――――――

コピーできる対象

(触れている者の魔法、特技)

⇒ラウラ

――――――


一瞬で理解した。ボクはすぐにラウラの名前を選択。

次に魔法、特技の蘭。

魔法。状態回復。毒消し。『ポイゾナ』。


ボクは高速で選択していく。

そして、それを唱える。



呪文を唱えた瞬間、紫色の光がボクとラウラを包む。

ボクらのウィンドウから『状態:毒』が消失した。


毒の効果が消失したボクらに慌てた盗賊Bが、剣を振り上げていた。


選択。ラウラ。魔法。ファイヤーボール。対象、盗賊B。


ボクの目の前に熱量が生まれる。そしてそれは炎の球となり、それは剣を振り上げていた盗賊Bに直撃した。


「が・・・はっ」


盗賊Bはバタンと倒れ、毒の霧は薄れていった。


ボクはラウラの真横で力尽き、ウィンドウが視界に入る。


――――――

名前:ヒロト

HP:1/15

レベル:2

――――――


・・・あー、ぎりぎりだったなぁ。

レベルも上がってる。

って、HPは1しか増えてないのかよ。勘弁してくださいよ、全く。


ボクは自分の成長率の悪さに呆れ、意識を手放した。


語彙が貧弱で困ってます。

その戦力スライム以下!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ