3/12
春休み
.憂子
私がケータイを耳から離して画面に目を落とすと、メールが届いていた。
差出人、透子。
『やっほー、とーこでーっす♪ 明日買い物いこー^^ おっけーなら午前十時くらいに家の前いてね、オシャレは必須だからヨロ!』
……色々突っ込みたいけど、とりあえず返信しておく。
「……っと」
確認。
『了解。お洒落って言ったって、いつも通りになることは分かってるでしょ』
送信したことを確認して、欠伸をする。寝よう。
なんとなく星が一つも見えない空を隠したくてカーテンを閉め、なんとなく明るい部屋にいたくなくて、電気の紐に手を伸ばした。