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転校生
「……どう?」
「何がだ」
「どう思った、あんたの、と、な、り、の人」
(妙に嫌味っぽいな、いつもより声に棘があるような感じもする)
「関係ないだろ」
「関係、ふん、関係ね、随分な言葉を使うじゃない」
(訂正、完全にいつもより嫌味っぽくて不機嫌だ)
「興味がないんだよ」
(その言葉に嘘偽りはなさそうだけどさ、後からどうなるかな。私の知ったことではないけれど)
「そう。でもさ」
「何だ?」
(あ、十分過ぎちゃったけど別にいいか)
(時間を過ぎても伝えたいことなんてあるのかよ)
「あの女を排除したくなったらあんたのことは嫌いだけど手を組んであげる」
(悪寒。いつもと違うあいつに)
「あれ、無言? つまらない」
(もういいや、切ってしまおう。嗚呼、苛々する。いつもと違う私に、大嫌いな奴に嫌い以外の感情を抱いたことが判ってしまう私に)