ー杉之原スペイン編ー
2018年4月初旬、杉之原はスペインに降り立った。
優しいそよ風、壮大な景色、目が眩むほどの人混み。
まさしくヨーロッパという感じであった。しかし、杉之原は気づいた、ズボンを履いていないと。なんならパンツも履いていない。杉之原は冷静になって記憶を遡る。
ー5時間前ー
「せや!せっかくの機会やし飛行機で爆ジコリやぁ!」
思い出した。最悪だ。このとき杉之原は過去に戻って頭蓋骨が割れるまで自分を殴りたいと思った。
そんなことを考えているとサイレンの音が聞こえた。
案の定逮捕されたのである。これで晴れて前科者である。自分は生涯警察にお世話になることなどないだろうと思っていただけにこの瞬間はとても憂鬱だった。
スペカス「¿Por qué te desnudaste?」
杉之原「ふぁっ?!」
何を言っているかわからない。生憎神童杉之原は南スーダン語しか履修してないのである。
ここで杉之原はなんとか弁明したいと思い脳をフル回転させた。そこで出た言葉は
「I'm not gay!」
失望した。こんなにも自分が非力な人間だとは。
事情聴取で性癖暴露をしてどうする杉之原。飲み会じゃないんだぞ。そのとき杉之原は激しい嘔吐と頭痛に見舞われスペカスにゲロをぶちまけた。
ー1時間後ー
杉之原は簡易ベッドの上で目を覚ました。周りを見渡すとそこは監獄だった。どうやら下半身裸とスペカスにゲロをぶちまけたおかげで監獄にぶち込まれたらしい。杉之原は叫ぶ
「 ¡Mierda! ¡Fuera de aquí!」
おいなんだ杉之原。スペイン語話せるじゃないか。なんで事情聴取のときに話せなかったんだ。そんなことを思いつつも、「まあ神童やからええか!これからビッグになるしなぁ!ギャハハハァ!」と思った。
どう考えても精神異常である。
監獄生活から1週間ほど経った頃、杉之原は刑務所の生活にも慣れ、友達もできていた。その友達の名はアレックスだった。スペイン人である。アレックスと初めて喋ったときはとても印象的だった。
アレックス「what's up bro!」
この時杉之原は思った。どんな人種でも精神異常者はいるのだなぁと。
杉之原「英語わかんねぇよスペカスが!泥水すすって性病なりやがれカスが!」
アレックス「お前いいすぎちゃう?」
杉之原は驚愕した。
杉之原「(こいつ日本語分かんねや、、)」
このとき杉之原は最悪の未来を覚悟した。最低でも火炙り、最悪の場合アナル掘られた後にそのまま体真っ二つにされる。杉之原は祈った。
杉之原「(アーメン、ザーメン、神様これまでの悪行を悔い改めますのでどうか救いぉぉ)」
アレックス「お前なんかおもろいやつやなw」
「(神様ぁぁぁ!勝った!いやーありがたい!ほんとうに!いままで神や仏は信じないタイプやったが神はおる!神がおらんとかいう戯言を言う輩は焼き殺してしまえ!)」
杉之原「お前日本語わかんねや!名前は?」
アレックス「アレックス•ドゥーム•ハイランド•ドミニクだ。これからよろしくな。」
杉之原「おう!よろしくな!(名前長すぎやろこいつ、、頭文字とったらADHDやがな、、)
杉之原「なんでアレックス捕まったんや?窃盗かなんかか?w」
アレックス「道端にいた親子レイプした後に殺したら捕まった」
Oh my god!かみさまぁ!なんであなたは私にこんな試練を与えるのですかぁ!聞いたらわかる!関わったらあかんやつや!
しかし杉之原は考えた。「こいつ敵にしたら最悪やけど、味方にしたらめっちゃ強くね?」と。
杉之原は咄嗟に言う。
「アレックスお前めっちゃクレイジーやな!、おれも日本におるときようレイプしてたでぇ!」
アレックス「....」
終わった。完全に終わった。どう考えてもいける流れやったのに。ていうか引かれるの意味わかんなすぎやろ。
アレックス「最高だぜbroー!!」
やはり神様はいる。類は友を呼ぶとはまさにこのことである。
アレックス「お前今日から兄弟や!困ったことあったならなんでも言えよな!」
杉之原は友達ができた。これでムショ暮らしも少しは良くなると思った。
ー3日後の昼食にてー
アレックス「おいbro、野菜は食べないとダメだぜ、筋肉にはミネラルが必要だからな!ゼハハハハ!」
死んでくれ、お前は黒ひげか。
杉之原「野菜は子供のころから嫌いやから食わねえよ。それに筋肉、筋肉うるせえよ。ゲイかお前。」
アレックス「そんなこと言わず食えよー、そんなんじゃ壁に穴あけれれないぜ。」
壁に穴を開ける。そう。この頃杉之原とアレックスは
脱獄を計画していた。
杉之原「そういやアレックス、例のブツは手に入ったんか?」
アレックス「ああもちろん。ジャジャーン!ハンマー!(90000dB)」
でかい声で言うな。警官にバレるやろ。なんかいま衝撃波で揺れたわ。
杉之原「何円で買ったんや?あのピーターとか言う商人ぼったくりで有名らしいけど。」
アレックス「ああ、金?金はかからんかったよ?」
杉之原「ふぇ?何言ってるんや?盗んだんけ?」
アレックス「いや、普通にぼったくられそうになったからボコボコにした。」
杉之原「あぁ、、」
このバケモンが。なんで一般刑務所おんねん。こいつ終身刑でええやろ。
ーその日の夜ー
アレックス「やるかbro」
杉之原「ああ、やろうかアレックス」
杉之原が返事をした瞬間、アレックスはハンマーを持ちながら一回転して壁にぶつけた。
バゴォォーンンン!!
とんでもない音と共に壁が壊れた。
アレックス「逃げるぞbro!」
杉之原「もっと静かにやれ!」
その瞬間警官の軍団が俺達を追いかけてきた。
警官「まてー!社会のクズども!ぶち殺してやる!」
杉之原とアレックスは脱獄することができるのか。
次回
ー杉之原東京編ー