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亜人解放団ノヤリス  作者: 荒神哀鬼
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隊長……?

コル、ラニ、そしてエミイとオリセの4人に『渡り月』という名前がついた次の朝。

支度を終えた4人は団長室に呼び出される。

「ひとりふたり……うむ、全員集まったな!皆に集まってもらったのは他でもない、『渡り月』に初任務を与える!」

ノヤリスではバハメロ直々に任務を受け渡される。

「とはいえ初めてであるからな、任務について軽く説明しよう、ロナザメト!」

「はい、ではこちらをご覧ください」

ロナザメトが壁にかかっていた布を下ろすと、説明用のイラストが描かれた黒板が現れた。

(どことなく狂気を感じるけどツッコまないほうがいいかな……)

その場にいた全員がそう思った。

細い棒イラストを指すロナザメトを除いて。

「鳥でも分かるように絵を書いて置きました、まず任務とは、簡単に言って団長から与えられる仕事です、基本的に期限がありその日までに達成及び報告書を提出してもらいます、充分な準備が必要なので開始は任務が与えられてから3日以内となっています、ここまでで質問は?」

団長室の空気と真剣な雰囲気に背筋を正される中、コルが手を上げた。

「準備っていうと装備とか情報とかって事?」

「はい、あなた達には特に重要になるでしょう、開発室、武器庫、図書室の文献など利用してください、他に質問は……では次に行きます」

ロナザメトが次のイラストを指す。

(見れば見るほど気味がわりいな……)

「……?さて仕事と言うからには報酬がある物です、とはいえ金銭があっても街に行けないと使えません、先程配った封を開けてください」

「これは……カード?」

「ノヤリスポイントです、任務の達成に応じポイントが溜まって行きます、ポイントを消費し嗜好品と交換したり晩御飯をおかわりしたりできます」

「ロナザメト……やはり吾輩もそれ欲しいぞ」

「考案者のシーモに言ってください……そういえば彼曰く最大まで貯めれば願いが叶うそうです」

ため息交じりに出た冗談の様な事をシーモを知らないエミイだけが真に受けていた。

説明を終え黒板のイラストが消されていくのを見てコルは心から安堵した。

「感謝である、やはりお前の絵はわかりやすいなロナザメト!」

「いえいえ、簡単なものです」

謙遜しながらもロナザメトの犬の尻尾は喜んでいるのが分かる、心做しか彼の眼鏡も光って見えた。

「……茶番か?」


「コホン、では改めて遊撃部隊『渡り月』に任務を伝える、隊長、前へ」

バハメロの表情が団長モードに切り替わり、再び背筋が伸びる。

そして渡り月の隊長が前に、出なかった。

4人が顔を見合わせる。

「……自分じゃない」

最初に首を横に振ったのはオリセだった、そして次がラニ、そしてエミイとコルが同時に首を横に振る。

「むむ……?隊長はエミイではないのか?」

「はぁ!?なんで私?」

「『送り月』の命名はエミイなのだろう?ほらここ」

バハメロが指した書類の下の方に顔を近づける。

「『名付けた人は責任持って隊長になってもらうからそのへんも話し合って決めたまえ、まあ別に難しいことはないさ、ちょっと胃が悪くなるかもしれないけどネ!シーモより』……」

エミイが書類から目を離すとコルが天井を見上げて下手な口笛を吹いていた。

「貴方……これ読んで昨日私に回したわね!」

「いゃあ?ちょっと、わかんないな」

「めちゃくちゃ目泳いでるぞ、まあいいじゃねえか、頼んだぞ、エミイ隊長」

ラニがニヤニヤしながらエミイの肩を軽く叩く。

それにコルが笑い、オリセも頷く。

とてもじゃないが断れない雰囲気が完成していた。

「では任命!エミイ・アロン・アバロム!汝を遊撃部隊『渡り月』の隊長とする!改めて前へ!」

「ぐっ……貴方、覚えてなさい」

エミイは主にコルを睨みつけながらバハメロの前へ向かう。

(眼力で殺されるかと思った……) 



「ことの始まりは数ヶ月前の大きな地震である、この拠点は森の大樹や崖で出来た迷路のおかげで道を知らねば来れない訳だが、もし地震で崖が崩れていては不味いと調査をしたのだが……」

「崩れていたの?」

「うむ……幸い迷路の役割には問題なさそうに思えたが……」

バハメロは机に地図を広げた。

「ここなのだが、崩れた瓦礫隙間から横穴が見つかってな、見たところ深そうな上にどこに繋がっているかわからないのである、今回の任務はこの横穴の偵察、そして場合によっては塞いでもらう」

「場合というのはどういう場合何かしら?」

「横穴が拠点付近に繋がっていた場合や何か危険なものが眠っていた時である、後者の場合は早めに撤退するのだ、人命第一である」

「そう、なら一応最初の調査結果も貰ってから行くわ、あるのでしょう?『報告書』」

「では僕が先に資料室でまとめておきます」

そう言ってロナザメトは部屋を後にした。

「では諸君、入念な準備をしてから行くのだ!任務開始、健闘を祈る!」


「はぁ〜……立っとくだけってのも疲れるなぁ、でいつ出発するんだ?エミイ隊長」

「その呼び方やめて貰えるかしら……今日一日準備して明日の朝に出るわ、分担しましょう、私は資料室で調査報告を、ラニは武器庫、コルは開発、オリセは……図書室で参考資料でも探してきなさい、そして夜に纏めて作戦会議するわ、以上」

「エミイ結構リーダー向いてるんじゃない?結果的に任せて正解だな、うん」

「叩くわよ、オリセを見習って早く行きなさい、彼は指示されてすぐに向かったわ」

「ホントだいつの間に、じゃあ俺も言ってくる!」

「開発室ってナノンのとこか、じゃあ心配ないな、私は武器庫か、あ?なあエミイ武器庫ってどこ……」

それぞれ分担された場所に向かい、気づけば廊下はラニ一人だけだった。

「……まあ歩いてれば見つかるか」


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