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私、男子校出身ですけど!?  作者: 斎田弥生
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【第3話】女に二言はない・・・?



そんなこんなで体育が終わった後の昼休み。

キーンと反響した音が流れた後に男性教師が放送で生徒を呼び出した。




《12Hの平沢奏さん。至急職員室に来るように。》



「え、私なんかした?!」


「奏、・・・何したん?」


「いや、何もしてないて!でも何の呼び出しかわからん!」




二人で話していたが、至急と言われたので焦って職員室に行くことになった。

そんな時に廊下にいた男子がひそひそと話していた会話が聞こえた。




「あいつやばいことしたんじゃね?」


「あー、いかにも喧嘩してそうやんか。」


「うわー怖。あいつに近づいたら殺されるぞ。」




んなわけあるかああああああ!!!!

と腹の底から思いましたが、そんなこと思っている場合じゃなく、職員室へ急いだ私。



職員室に入ると、見たことがある先生がデスクにマリービスケットとオレンジジュースを準備して私を待っていた。

呼び出した私に対して待遇が良すぎる点が少々気にはなりましたが、言われるがまま椅子に座った。




「こんにちは!僕ね、柿本って言います!会ったことあるよね!?覚えとるかなー?去年の合同演奏会!あの時に指揮してたんだよー!」


「はあ、・・・存じております。」


「なら話は早い!吹奏楽部に入部しよう!!ね?ね?いいやろ!?」


「・・・・・・ん?」




確かに合同演奏会はしました。

でも高校で吹奏楽部に入る予定は全くなかったのである。




「すいません・・・吹奏楽部に入部するつもりはないんですけど・・・」


「あれ?そうなん?でも入試の時に面接あったの覚えてる?」


「はい。」


「あの時に“部活は吹奏楽部に入部します”って笑顔で言ってくれたやん!僕覚えとるよー!」


「え、そんなこと言っ・・・・・・・・・・・・てますわ。」




そうなんです。

この学校の入試は筆記試験と集団面接があったのだ。

噂ではありますが、私の学校の入試試験は

「筆記試験が点数足りなくても面接で好印象だったら受験合格する」

という謎の噂があった。



そんな私は悪知恵が働き、集団面接で好印象を与えるためには吹奏楽部に入部すると言い切った方が合格すると思い、本番で「吹奏楽部に入部します。」と断言してしまったのだ。



しかも、中学の担任の先生に

「お前は今更勉強してもあかんから面接だけは好印象与えた方が合格するぞ。」

とまで言われていた。



つまり先生自体も集団面接なら合格できると確信があったのである。




「平沢さん!」


「は、・・・はい。」


「女に二言はないね?」


「(ありまくりです。ごめんなさい。)」




と、心の中で思っていましたが、柿本先生の押しに負けてしまい、その場で入部届けを記入して提出しました。

ちなみに私の担当はアルトサックスでした。



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