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職業冒険者は半額シールが好き。  作者: 語谷アラタ
第五章 中級冒険者試験
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第八十四話 冒険者一掃

 向けられた銃口から砲弾が発射されるその瞬間、


 俺は咄嗟にバリアーを発動した。


 しかし弾は、大砲は、すんでの所で真っ二つに斬られ落ちる。


「人が寝てるところにいきなり変なもんぶっ放しやがって馬鹿野郎が」


 瓦礫の方から出てきてそう言った男は試験官だった。


「あー!?嘘だろおい。話と違うじゃねえか。なんでこいつが試験官してんだコラ!」


 大砲を斬られた男は驚きつつそう話す。


「これはこれは、朝霞団長ではありませんか。ねぇ……」


「楽な仕事やと思ったんやけどなぁ」


 続けて残りの二人がそう口を開く。


 さっきまでの威勢は少し消えているようで、どことなく焦りを感じた。


「こ、古森殿……、これは何かのイベント……」


「じゃあないだろうな……」


 怯えたキミヒコに俺はそう返す。


 他の冒険者たちもみな、動揺を隠せないようだった。


 俺も初めは驚いたが、今は少し落ち着いている。


 これまでの経験が生きているのかもしれない。


 だが、どう動けばいい?


「大砲が斬られたんなら仕方ねえなぁ!剣で勝負と行こうぜ!団長さんよぉ!!」


 そうしていると、大砲を持っていた男がそう叫んで


 懐に手を入れた。


「なんてな!!」


 そして何かを取り出したかと思えば、いきなりまた爆音が連続で鳴り響く。


「まままま、マシンガン!!」


 隣でキミヒコが叫ぶ。


 たしかに男が取り出したそれはゲームでよく見る形をした黒い銃だった。


 それを勢いよく試験官に向けて発射している。


「ははは……!対人ならこれが一番確実なんだよボケ!」


 弾を全て出し切ったのか、打ち終わると男はそう言った。


 試験官が居たところは砂埃が立っている。


 俺はその間、どうするのが正解なのか分からず立ち尽くしてしまっていた。


「おまえらー」


 すると、砂埃の中から声がする。


「試験内容変更だー。こいつら3人取り押さえんの手伝ったら合格にしてやるよ」


 声と共に無傷な試験官が出てくる。


「冗談やろ……」


 3人の一人が呟く。


「話で聞いているよりも凄まじいですね……」


 また一人呟く。


「ばばばば、馬鹿に、馬鹿にするんじゃあねえゴラァ!」


 そしてマシンガンを撃っていた男は逆上したのかそう叫び、試験官に突進した。


 そして今度こそ剣を取り出して、斬りかかる。


「だって馬鹿だろ?実際」


 それを軽々と避けると試験官はいつ取り出したかもわからないスピードで長い剣をその男の太ももに突き刺していた。


「勝てると思ってんのかよ、俺に。



 薔薇十字団団長、


 舐めんなよ?」

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