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第七十七話 僅かな希望

「大丈夫か大丈夫じゃ無いかで言うと全然大丈夫じゃない」


 両足を地面につかないように浮かせながら寝転び、俺はそう甲賀に答えた。


「アンタ放出のタイミングで足の魔力全て使ったでしょ?それじゃ衝撃に耐えられなくて怪我するわよ。最低限の魔力は常に全身に意識しておかないと」


「あ、あ、足どうなってる?感覚ないんだけど大丈夫?怖くて見れない、大丈夫?」


「んー、とりあえず今日は帰ろっか……」


「えっ」


 そんなにやばいのかよ。


 それから甲賀に応急処置をしてもらって、甲賀におんぶしてもらって帰った。






「とりあえず、期限ギリギリの5日間は完璧に安静にしたほうがいいわね」


 甲賀の家で布団に横たわる俺に向かって、甲賀はそう言った。


「でも、中級試験の応募資格どうしよう……、Dランク以上の迷宮石5個だよな、、?」


「そうねぇ……、そもそも5日で足が治るかわかんないし……、治ったとしても残り1日で5個、、。ドロップ確率を考えても現実的じゃないかも……」


 甲賀はそう言うと少し考え込むような顔になった。



 中級冒険者試験は年に一度、これを逃せばまた来年になる。


 なんとかして今年受けたいけど……、無理も良くないか、、。


「でも、方法がないわけでもないわよ」


「えっ」


 考え込んでいた甲賀はそう言うと俺の顔の前に手に持った冊子をむけた。


「中級冒険者応募資格、Dランク以上の迷宮石5個……」


 そこに書いてある文字を俺は読む。


 何度読んでもそう書いている。


「その下よその下、※マーク見てみなさい」


「下……?」


 そう言って、甲賀の言う※マークに目を向けた。


 文字が小さくてみにくいが、俺は読み上げる。


「ただし……、Bランク以上の迷宮石の納品実績のある冒険者は……この必要資格を満たすものとする……!?」


「そう、Bランク以上の迷宮石一つ持ってけばこの必要資格は満たされる」


「一個なら1日でもいけるかもしれない!?ん、でもBランク以上って……」


 Bランク以上の迷宮石は3層以降じゃないと出ないんじゃないか?確かそんなことが冒険者ガイドに書いていた。


 そして低級冒険者が立ち入れる階層は二層までだ。


 じゃあどっちみち無理なんじゃないか……?


「そ、Bランク以上は三層から下のモンスターからしか出ない。しかも確率は低い」


 やっぱりそうか。


「じゃあやっぱ無理……」


「でもないのよね……これが。低級冒険者が立ち入りできない三層からしかドロップしないなら、こんなルール作らないし」


 そう言うと甲賀は少しだけ苦笑いする。



「低級冒険者でも立ち入れる階層で、尚且つBランク以上の迷宮石を100パーセント、確実にドロップするモンスターがいるのよ」


「……、そのモンスターって……?」


 なんとなく嫌な予感を覚えながら俺は聞く。


 すると、甲賀は真剣な顔でこう答えた。


「第一層の階層主、女王蜘蛛よ」





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― 新着の感想 ―
[一言] 調子に乗った挙句、さらなる強敵に挑む羽目にw いいぞもっとやれ! この制度、どちらかというと実力に見合った等級じゃない人のための飛び級制度のような気も。
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