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職業冒険者は半額シールが好き。  作者: 語谷アラタ
第一章 全てが変わる一週間
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第五話 迷宮装備5

 次の日、いつもなら朝8時ぐらいに起きる俺は1時間早く起きて支度を始めた。


 朝食にパンを食べ、顔を洗って歯を磨く。

 そして、昨日洗濯したのと全く同じ冒険者委員会が配布しているアンダー服を着る。


 それから昨日磨き忘れた鉄の胸当てを装備し、腰に剣の鞘をつける。


 またまた磨き忘れた鉄の短剣を鞘に納めて、肝心の防具、迷宮装備であるプロテクターを左腕に装着した。


そしてリュックを背負う。


「よし行くか!」


 いつもより気持ちがワクワクしていて、早く迷宮内でプロテクターのスキルを試したいと思っていたが、、玄関の横に備え付けられている全身鏡を見て思い出す。


「コート着るの忘れてたぜい」


 冒険者規則として迷宮外では原則、武器防具が人目につかないようにしなければならない。


 そのため夏でも冬でも、冒険者はコートが欠かせない。今は冬だからいいが、夏だと完全に不審者なんだよな…。


 黒いコートを羽織り、リュックを背負い直して完璧に準備が整った。


「行ってきまーす」


 誰もいない部屋に挨拶し、玄関の鍵をかけ、エレベーターを降りて下に出ると、通勤通学に駅に向かう人が自然と列をなしていた。


 俺はそれに逆らうように反対方向に歩き出した。


 この街にある迷宮はマンションから徒歩で5分ほどの公園の中にある。そして迷宮の横にはお決まりとして委員会の施設が建てられるため、公園は実質そのほとんどが迷宮関連で埋められている。


 ちなみにここの迷宮は第五迷宮と呼ばれていて、文字通り5番目に出現した迷宮だ。


 公園に近づくと、ちらほら冒険者らしい格好の人が増えてきた。


 コートを着ていたり、武器防具を納めた大きな鞄を持っていたりしているため、すぐに分かる。


 迷宮扉の前では、今日の予定を話し合ったり、この時間まで迷宮に潜っていたと思われる人が居たり、いつも通りだ。


「よし…」


 俺は迷宮扉の中へ足を踏み入れた。


 いつもこの瞬間は緊張する、迷宮扉のすぐ見えるところは白いモヤがかかっていて、一瞬何も見えなくなる


 そしてもう一歩踏み出すと、目の前には広大な草原が現れる。


 もう何度も出たり入ったりしているのにまだ不思議だ、一体ここが何処でどういう仕組みで繋がっているのか。


 とまぁ、俺がそんなことを考えても分かるわけがなく、そういう事は国の研究員がいつか解き明かしてくれることを願いつつ、俺はいつもの狩場に向かった。


 狩場には誰もいなかった。ここはかなりの穴場でほとんど誰かがいるのを見たことがない。


 スライムしかでないから誰も来ないのかもしれないけどな。


 でも誰もいないのはいい事だと思いながら、俺はコートを脱ぎ、リュックに詰めた。


 そして、プロテクターを見つめる。


「早速やってみるか」


 昨日と同じようにマナ的なものを感じるように意識を集中した。


 ―――


 ――――


 ―――――


 来た…、昨日よりもより温かいモノを周囲に感じる。


 そしてそれを身体に取り込むイメージをする、

 身体がすごく熱くなる。


 身体中をエネルギーのようなものが動き回っているように感じる。


 そしてこれを…、左腕につけたプロテクターに集めるようにして…


「発動ッ!」


 ゆっくりと目を開けると、プロテクターから昨日よりもしっかりとした青く半透明なバリアが発生していた。


 意識を集中しなくても、発動はキープされている。


「おお!うおー!」


 嬉しくなって左腕をブンブン振り回した。それから拳でポンポンとバリアを叩いてみる。


 めちゃくちゃ硬い!


 この迷宮装備のスキルは多分このバリアなんだろう。


 かなり軽いし強度もある、めちゃくちゃ強いってわけじゃないかも知れないが使い方次第ではかなり面白いかもしれない。

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