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職業冒険者は半額シールが好き。  作者: 語谷アラタ
第一章 全てが変わる一週間
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第二十八話 薔薇十字団

「あ!今笑いましたねー!?もうっ」


 っと胸を張る姿勢を笑った俺に対して、今度はほっぺたをぷくっと膨らませる。


「……」


 夏目さんってそういう感じの人なんだなぁ、と思った。

 確かに可愛い系の美人?な人ではあるが、流石にちょっとなぁ。


 その仕草が許されるのは小学生、頑張っても中学生ぐらいまでだろ……。


「あ、そういえば今日って川田さん、上にいらっしゃいますか?」


 俺はあえてその仕草に対するリアクションをスルーし、夏目さんにそう尋ねる。


「え、ああ、川田さん、はい!いらっしゃいますよ!今朝、薔薇十字団の方達が帰って来たので一緒にいるんじゃないでしょうか!」


 薔薇十字団の人たち、もう帰ってきてるのか。だとすると色々と調査の結果とかを話し合ってたりするのかな。


「この前のお礼を改めてしようと思うんですけど、薔薇十字団の方と一緒ならまた別の日にしたほうがいい感じですかね?」



「んー、大丈夫じゃないですか?私もさっき顔を出しましたし!」


 夏目さんはあっけらかんとそう答えた。


 薔薇十字団、上級冒険者って言うからにはすごく厳格な雰囲気で俺のような一般人が会いにいくなんて有り得ない、とかそう言うのかと思っていたが、そんな感じでもないのだろうか。


 案外メンバー全員、川田さんみたいに普通の人なのかもしれないな。


「じゃあ、俺ちょっと川田さんにお礼言ってきます、夏目さんも色々とありがとうございました!」


 そう言って俺は立ち上がる。


「いえ!また何かあったら来てくださいね!暇な時でもウェルカムです!」


 それから、諸手続き所を後にして階段を上る。


 ひさびさに二階まで来たなぁ、冒険者なりたて以来だ。


 二階ではパーティを募集しまーす!という冒険者や、委員会経由の依頼を受注するために話をしている人達がいた。


 俺も縁はないと思っていたけど、もう少し強くなったら依頼を受けるのも良いかもしれないな。


 そんなことを考えながら、もう一度階段を上がる。


 三階には薔薇十字団専用のフロアがある。


 来たことのない場所に少し緊張しながらも、俺は三階へ着いた。


 着いた、と言ってもすぐにドアがあって全く中が見えない。


 ドアの上には薔薇十字団とデカデカと書かれていた。


 これはノックして良いんだろうか、いやノックしないと気付かれないよな。


 この場合のノックって二回?三回?


 就職活動の時にチラッと教えてもらったマナーを必死で思い出そうとするが、一年ぐらい前のことで何も思い出せない。


 とりあえず二回でいいか!


 と、深呼吸してからノックしようとしたその時


「だぁーーーれだっ?」


 と言う声と共に目を後ろから手で覆われた。


 だ、だれだ…。声から察するに男性だ。


 覆っている手はかなりデカくてゴツゴツとしている。


 こんなお茶目なことをする男の人、俺の知り合いにいたか?


 いや、そもそも迷宮で男の知り合いといえば川田さんと右田さんだけだ。この前遭難した男子大学生二人も一応顔は知ってるが、まさかこんなことをするわけが無い。


 とすると…右田さんか?


 手の厚さや声が降ってきた辺りからして多分結構な大男な気がする。


 右田さんってこんなお茶目なことするんだな、ちょっとキツいけど、でも丁度お礼もしたかったし居てくれて良かった。


「あっ、右田さんですか?」


 そう言いながら俺は手をどけて後ろを見た。


 そこには、右田さんぐらいの背丈で、髪は短く、所々剃り込みを入れた男性が立っていた。


「あらぁ、残念。不正解だわ」


 その男性はそう言うとにこやかに笑う。


 俺は自分の背中に冷や汗が流れるのを感じた。


 誰なんだ……、この人……。

読んでくださった方、評価、ブックマーク、感想をくださった方本当にありがとうございます。

そして、誤字脱字報告を下さった方ありがとうございます。とても助かっています。

毎日更新ではないかもしれませんが、更新し続けますのでこれからも読んでもらえたら幸いです。

ありがとうございました!

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― 新着の感想 ―
[良い点] その仕草が許されるのは小学生、頑張っても中学生ぐらいまでだろ……。 それは自分(23以上にもなって必殺技を叫ぶ)にも跳ね返ってくるだろw [一言] 相手もやる相手を勘違いしてて間違えて「…
[一言] あ、圧倒的オネエ感!!
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