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自習屋in異世界  作者: 景鱗
9/9

8話

おじいちゃん視点に戻ります。


 ええ娘じゃった。


 如何にも学生です、という格好じゃったな。


 魔法学園とやらの生徒なんじゃろう。


 実は部屋に付いているベルは中にセンサーが入っているハイテク仕様じゃ。


 ベルを鳴らすと何号室のベルが鳴ったか分かるのじゃ。


 だから注文もすぐに反応できる。


 こちらの世界がどれほどの利用者が来るかは分からんので、リットさんの言う通りアルバイトを雇ってもいいかもしれん。


 そう考えながらコーヒーの残りを飲み干していく。



 ふと鳴るドアベル。


 おや、またお客さんか。


 初日にこんなに入ってくるのは幸先いいのう……。



「はいはい、いらっしゃい」


「おう爺、誰に許可出してここに店出してんだ?」



 強面のお兄さん方四、五人じゃった。


 許可と言われても、リットさんしかおらんのぅ。



「商業ギルドのリットさんじゃよ」


「リットだあ?あの黒狸め…」


「どうしたんじゃ?」


「知らなさそうだから言っておく。ここはなぁ、ベルド伯爵の土地なんだよなぁ。こんなところに無許可の店なんて出されると困るわけだ。つーことで払え」


「何をじゃ?」


「ああん?土地代と営業許可代に決まってんだろうが!!」



 こんな典型的なやつらいるんじゃなぁ。


 リットさんに正式に営業許可証も貰ったし、そもそもこんな路地裏が伯爵家の土地だとも思えん。


 土地上げかのぅ。



「断るよ」


「あ?今なんつった?爺」


「断ると言ったんじゃよ。お主らに払う金など一銭たりとも無いわい。ほれわしも暇じゃないんじゃ。帰った帰った」


「てめえ、自分で何言ってんのか分かってんのか?ベルド伯爵だぞ?」



 知らんわい。


 異世界初心者に分かるわけがなかろうが。



「ほれ、帰ってくれ。これ以上いると衛兵を呼ぶことになるんじゃが」



 呼ぶ方法など無いが。



「チッ、また来るからな。なんでベルド伯爵知らないんだよ…」


「はいはい」



 また来るのか…。


 なんかもにゅもにゅ言っておったが何じゃったんじゃろうか?


 無駄に疲れたのう。


 リットさんに報告しておいたほうがいいかのぅ?


 電話が欲しくなるの。


 そんな魔道具がないか聞いてみようか。





 あのいざこざの後、お嬢ちゃんからコーヒーが飲みたいとベルが鳴った。


 多少苦いぞと忠告はしたが耐えられない苦さだったらしく、砂糖とミルクを入れた。


 それでもまだ苦さが残るがマシになったと言い、勉強に戻ったのを見てつい「大人じゃな」と言うと部屋から押し出されてしまった。


 近所の子らと同じ扱いをして怒ったんじゃろうか?


 ふむ、分からん。



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