1話
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ここは…?
そうか、わしは津波に流されて…。
「お目覚めかの?」
そこは6畳一間の和室の上。
長く立派な髭を持ったわしと同じくらいのおじいさん。
「ああ、はい…。あなたは…?」
「まずは自己紹介じゃな。ワシは創世神という。まあ神様と思って頂きたい」
高貴な迫力をしとる故にそんな感じはしていた。
「お天道様でしたか。それでわしは何故ここに?」
「年を重ねているだけあって落ち着いているようじゃな。訳を話すとじゃな…。ワシらの手違いで、地球ではない世界に生まれるはずじゃったお主の魂を地球に送ってしもうての…。生を終える前にここへ呼んだのじゃ」
「そうだったんですか…」
「そこで勝手ながら頼みがあるのじゃが…。元々生まれるはずじゃった世界に送らせてはもらえんか?平行線が乱れる可能性があるため、頼みたいのじゃよ。寿命を増やしたうえで送る故」
向こうに行くのはわしだけなのか?
できれば、ばあさんとの思い出のあの家も一緒に持っていけはせんかの……。
「いいですよ。元々津波で死ぬ寸前だった命です。しかし、その代わりといえば聞こえは悪いですが、わしの家も一緒に持って行けはせんでしょうか?」
「やってよいか!助かる」
深々とお天道様が頭を下げる。
「顔を上げてください。お天道様に頭を下げられると困ります」
「では、その他のオプションも一緒に付けて送ろう」
願ってもない言葉である。
結構無茶なことを言ったつもりではあったのだが。
「はは、ありがとうございます」
「なに、向こうに行っても一緒にお茶してくれると助かる。」
「向こうにあなた様はいるんでしょうか?」
「ああ違う。こちらに呼ぼうと思っておる。よ、よいか?」
そのような我儘を言った孫娘のような顔をせんでも、わしとしても年齢の近い者との茶会は楽しみですよ。
「こちらこそお願いします」
「それと命の危険は絶対に起こらんようにしといたからの!!」
「分かりました。何から何までありがとうございます」
家もある故、また自習屋が開けるといいの……。
そうしておじいさんは異世界に送られたとさ。
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内容増加しました。2019年3月16日12時50分