魔法魔術概論
どうも皆さんこんにちは。
あるいはおはよう、そしてこんばんわ。
さて、諸君らは魔法や魔術がどのようなものかご存知だろうか?
火を出したり、或いは消したり、水や風、土といった四大元素を操ったり。はたまた時間を止めたり、瞬間移動したり。
概ね、このようなことを思い浮かべるのではないだろうか。
魔法、魔術は、その発動方法や魔力の運用方法、概念、哲学、思想、主義などにより、多種多様な種類がある。
しかし、そのどれにも共通するものが、魔力という存在の話だ。
……さて、もう一度問おう。
魔法とは何か?
答えは単純だ。
魔法とは、魔力を用いて一時的、もしくは半永久的ないし永久的に、世界の一部を改変する行為だ。
改変する情報量が多ければ多いほど、要求される魔力は増え、小さければ逆に減る。
改変する情報量に、魔力の消費量は比例すると言える。
では、この魔力とは一体何なのだろうか?
小さくとも、世界を一時的に改変させられるこの不可思議な力は一体何なのか。
ここでは、魔力とは『世界に霊的な影響力を与える概念的エネルギー』と定義することにしよう。
霊的、と言うのは言わずともわかるだろうが、『目には見えない』『はっきりとわからない』という意味だ。
決してオバケや幽霊なんかと同じ意味合いではない。
では、概念的エネルギーとは何か?
簡単に例えるなら、宗教の持つ信仰の力と似たようなものだと思ってくれればいい。
神様という概念があって、信徒はその教えに従って動く。
言い換えれば『信徒』とは『現象』であり、『教え』こそが『魔力』に当たるだろう。
この場合、『神様』に相当するものが『術者』と言える。
閑話休題。
さて、魔力というものの性質を理解したところで、魔法・魔術の分類について軽く触れておこう。
多く魔法・魔術と呼ばれるもの(或いは妖術や魔女術とも呼ばれているものたち)は、ほとんどの場合、それが持つ思想や主義によって分類されている。
言い換えれば、魔法や魔術、妖術などという呼び名は、空手や柔道、合気道というような体術の分類のようなもので、結局していることにはあまり大差がない。
上で使った宗教の比喩を持ってくるならば、これらは、ただ『教典』が違うだけであると言える。
そして、そこからさらに宗派がいくつにも別れていく。
そこに、術の得意不得意が現れるのだと言えよう。
……では、魔力の運用法には一体どんな物があるのだろうか?
大きく分けて四つある。
放出系と循環系、半放出系と半循環系だ。
これについては後々詳しく話そう。
……さて、どうだろうか。
魔法というものの素晴らしさ、奥深さは少しでも理解できただろうか。
ここでは、魔力を用いて一時的、もしくは半永久的ないし永久的な世界の改変を行うすべを身につけることを目標にしていきたいと思っている。
次回からは、いくつかのパートに分けて魔法についての講義を行うつもりだ。
もし気になる方はぜひ読みに来てほしい。
それでは、またいつか会いましょう。