第一話 恋にっッ‼落ちろ! 落ちたな... 編
時刻はお昼休憩まで後5分という体感ではやたらと長く感じる待ち時間。
勿論さぼってるわけではないですよ?
後5分…
「今日弁当作る時間なかったし、昼食どうするかなー」
ごめんさっきのさぼってないってのやっぱ嘘。でもみんな実際そうでしょ?
一人暮らしインドア系女子の家事スキルをなめてはいけない。
お弁当なんてなんのその。男がいない分家事ばっかうまくなって…
って!そうだよ…笑えよ…。冗談抜きで母親にすら心配されてます。
昼食が用意できなかった日は大体は会社の食堂で適当に済ますのだけど、今日はなんだか外で食べたい気がして。
日課の昼休憩スマホポチポチにお別れをし、私は足早に会社を出た。
夏から秋に変わるこの季節特有の言葉に表しづらいこの感じ、私は苦手。
住んでいる所から会社までは結構近いこともあり、通勤途中に入ってみたいお店の目星をつけていた。
あーこれじゃ、出会いもないだろうねーって?
ええそうです、その通りですとも。
だってこれが現実だもの。〇〇を
※
看板はお世辞にも今の子が言うおしゃれって感じではないけど、なんて言うか古風な歴史ある落ち着きのある風貌に惹かれて私は「喫茶オリエンタル」と札の掲げられた扉を開けた。
座席はカウンター席が4つ、4人掛けの座敷席が2つというこじんまりとしたいたって普通の喫茶店。
「いらっしゃいませ、ご注文は何になさいますか?」
2次元の世界でしか見たことがないでしか見た事がない袴男子が一人そこに立っていた。
「え……うそ…?」
彼の衣装に驚いたってのは勿論の事、それより男とは思えないその声。
決して長身の美男子ってわけではなかったけれど、私は彼に惹かれるものを感じた。
その声は、じめじめとした梅雨の湿気を吹き飛ばすような爽やかな風となって。
ーーー私に遅すぎた春の訪れを告げる。
こういうのが一目惚れっていうのかな…これが恋?
はい今おばさん臭いって思ったそこのキミ、まあ事実おばさんだから許すけど。
あーあ、折角の雰囲気台無しだよ全く。
少しずつ進めます。
結婚適齢期なんてとうの昔に過ぎてしまった偏った私の思考全開の私と一緒に息苦しくなりませんか?
誤字脱字読みにくいところ頑張って直していきます。