表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/51

#7 宿での騒動

翌朝、俺は美女の一声で目を覚ますこととなる。

「お客さん、起きてください。お客さん!」


「ん、ん〜~。綺麗な人だ。あ、え、どなたですか?」


「そ、そんな綺麗だなんて…あ、申し遅れました。ここの宿の女将の娘です。そんなことより、早く裏口の方から逃げてください!」


「な、何かあったんですか?」


「島津軍がこの宿の入口を抑えているんです。恐らく、あなたを探しているんだと思います。今、母がなんとか食い止めていますが、すぐに押し寄せてきます。その前に、早く裏口へ!」


窓からチラッと状況を見ると、本当に鎧兜をきた侍が見た限り、20数名いた。いや、俺昨日なんかしたっけ?いや、したことにはしたんだけど、この国では何にも問題起こしてないよね、そうだよね!?


「わかりました。わざわざ、ありがとうございます。支度を次第出ていきますので…」


俺が着替えるのを悟ったらしく、娘さんは入口にいますと一言そえると、へやから出ていった。


何もしてないのに、捕まるのはなぁ〜。やっぱり、関所で身分を明かしたのがダメだったのか…それにしても、これ以上ここの宿の人たちに迷惑をかけるにはいかない。潔く、投降しますか。


「裏口はこちらです。」


そう言われると、俺は娘さんが案内した逆方向、つまり、入口へと向かった。


「ど、どちらに行ってるんですか!そっちに行ってはいけません!」


「娘さん、これ以上ここの宿の人たちに迷惑をかけるわけにはいきません。なので、すいません。では、これで。」


「そうだ!名前を聞いても宜しいですか?」


結月ゆづきと言います。」


「いい名前ですね。ゆづきさん、一日お世話になりました。」


俺は改めて一礼をして、その場に立ち尽くした結月さんを後にして、入口へと向かった。


「女将さん!」


「あ、あなたは!なぜここに、いらっしゃるんですか!」


「まぁまぁ。あのぅ〜私があなたたちの探している商人だと思いますが…」


そう言うと、何人かが、こちらを見てくる。こいつら、明らかに疑いの目をかけているな。


「隈本城を落城させたのは私ですよ。ちょうど、私もあなた達の領主様に用事があったので行きましょう。」


「戯言を!貴様ような青二才が、たった一人で、あの城を落城させることはできるわけがない。」


まぁ、正論といえば、正論なんだけど。あれを落とせたのってほとんど長門からの艦砲射撃のおかげで、一人で潜入しても、安全だったんだよね。でも、こういう輩って、実力示さないとわからないんだよなぁ〜。


「なんなら、試しますか。その代わり、私が勝ったら、あなた達の主君のところへ連れていってください。あと、ここの宿には手を出さないでくださいね。」


「あなたは一体?」


「それはね、女将さん。ただの若い商人ですよ。あ、あとこれ。」


ニコッと笑顔で返した俺は女将さんに宿代を渡した。


「こ、こんなに頂けません!」


「あ~、それは今日迷惑をかけてしまった分なので、受けとっておいてください。」


呆然としたままの女将に用を済ませると、俺は侍の方へ目を向けた。


「すいません、お待たせして。ではさっそく、やりますか。殺す気でかかってきていいですよ?」


「ふん、商人ごとき、私が本気を出さずとも、勝てるわ。皆は手を出すなよ。」


その侍は部下に手を出さないよう指示した。この時代の侍って本当に律儀なんだよな、もう一対一の戦いなんか古いのに…

ちょっと、痛い目にあってもらうけど、この一発で終わらせる他ない。


俺と侍の両者が構えると、審判役の人がはじめっ!の合図で戦闘が開始する。

最初は相手の出方をお互いに伺っていたが、侍の方が痺れを切らしたのか、俺の方向めがけて斬りかかってくる。明らかに殺意を持った目。俺は剣を抜くと見せかけて、胸から拳銃を取り出す。そして、狙いを定めると、相手の足めがけて、数発打ち込む。そして、剣を抜くと、侍の方へゆっくりと近づいて、首元へと剣を差し向ける。


一方で、俺の方めがけて斬りかかってきた侍はというと、俺のところにも届くはずもなく、その場に転倒した。周りも音が鳴ったことには気づいたが、何が起こったかはわからずじまいだった。


「参った…領主様のところへ連れていく。」


「わかってもらえたなら、結構です。では、治療するので少し待ってください。」


えっと、確かここに治療器具を入れてたはずなんだけど…あった!


「ちょっと痛いですけど、我慢してくださいね。」


うわ、人体から拳銃の玉を出すって相当グロイな。流石の侍もや、やめてくださひぃーーって半べそかいてるよ。そして、たまを取り出して、出血を抑えて、包帯を巻いた。


「まだ、立って歩くのは激痛が走ると思うので、私が支えるので、あなた達の主君のところへ連れっていってください。」


「かたじけない。それと、先ほどは馬鹿にしてすまなかった。」


「もう、終わったことなんで、いいですよ。気にしないでください。」


そして、重傷者一名を支えながら、他の家来の皆さんと内城へと向かった。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ