表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/51

#6 島津領 薩摩の国

馬って結構早いんだな~、でも揺れすぎて凄く腰が痛い。慣れてないせいか…戦国時代は色々と大変だな。ついさっきの隈本城攻略作戦の時なんて、剣をただ、振り回してただけだし。銃があって、ほんとに助かったよ。


「止まれ、何者だ。身分を申せ。」


「山田誠です。商人で、島津の領主様に献上しなければならないものがあって…」


「関銭として10銅銭をだせ。この後、殿のいる内城まで10箇所ほどあるからな。」


10箇所もあるのかよ。いくら何でも、関所多すぎだろ。てことは、残り100銅銭も取られるじゃねぇか!まだまだ、先は長いな…


途中途中で、止められては、やれ関銭を払えだ、献上する中身を確認させろとかされてるうちに、結局島津家本城である内城についたのは日が暮れ時だった。


「どこか、宿を取るか。」


それにしても、この時代の宿ってどんな感じだろう。こっちに来てから、城か船でしか、寝てなかったから、古風を感じさせる旅館は楽しみである。


「あのぉ〜この近くに、宿はありますか?」


「ん?兄ちゃん、旅人かい?若いねぇ〜、この大通りをまっすぐ進むとあるよ。なんなら、案内しようか?」


「いいんですか、ぜひ!どうも薩摩は始めてで。」


「兄ちゃん、薩摩初めてか!薩摩はいい所だ。肉も魚も米も全部美味いぞ。まぁ、ゆっくりしていくといい。ほら、着いたぞ。」


俺が見上げたでかい建物には『宿屋皐月』と看板が堂々とかかっていた。


「それじゃ、兄ちゃん。達者でな!」


「わざわざ、ありがとうございます!」


そう言うと、お爺さんはにっこりと笑顔を返して、手を振ってくれた。親切なお爺さんだったなぁ~


「いらっしゃ~い。お客さん、1名ですかぁ?」


「あ、はい。1泊したいのですが、大丈夫ですか?」


「はい。大丈夫ですぅ。お夕食はどうしますか?」


「あ、じゃあ。お願いします。」


「では、ご案内します。」


俺は綺麗な女将さんに圧倒されながらも、古風で心温まるこの旅館をすっかり気に入っていた。そして、女中に奥の部屋に案内され、部屋の中に入った。すると、お風呂を勧められたので、まずはお風呂に入ることにした。


これまた、お風呂は凄かった。周りは古風な城下町だったのに、それを一切感じさせない景色だった。しかも、ちょうど日が沈みかけていた頃で、海が紅色に輝いていた。そして、ゆったりとお風呂に浸かりながら、その日にとった疲れを癒した。そう言えば、隈本城落城してから、まだ一日も経っていない。


お風呂を満喫した後、部屋に戻ると、豪華な海鮮料理が用意されてあった。

先に、入浴を勧めたのはこのためか!と感心した。

そして・・・

「旨い!」


その一言で片付けるのがもったいないほど、料理は最高でした。直茂も紅月家のみんなも連れてくれば良かったな。せっかく、家臣にしたんだから。まぁ、それはまたの機会に…


俺は床に入ると、天井を見ながら、今日一日あったことを思い出していた。

初めて出会った龍造寺家の人たち。

主君を裏切り城を奪った者たち。

初陣での勝利。まぁ、これはチートだが…

初めての家臣たち。

今日あった出来事は起こることはずなかった歴史の変革の一つだ。少しでも、平和な国へ近づけるために。何十年かかるかわからない未来で、また、誰もが幸せに、平等に商いができるように…


そんなことを考えながら、俺の目はだんだんと閉じっていった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ