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#23 締結!九州三国同盟

各大名を迎えに行った者たちは無事に熊本城へにつき、わざと時間をずらして、会談場所である戦艦長門へと向かった。各大名家の皆さんは読者の方が想像している通り、皆啞全(あぜん)と立ち尽くしています。それを苦笑いで見つめる誠達家臣一同であった。


「では、ご三家の皆様、今日は私が提案した『九州三国同盟』を受諾していただき、ありがとうございます。私達山田家としてはこの同盟の条文を受け入れてくだされば、それで構いません。後はご三家が提案したものを入れることも可能です。八助!」


「はい!こちらになります。」

一、この同盟に参加する大友、島津、龍造寺、山田の四家は互いに互いと協力し合うこと。

二、九州内の他の大名家が四家を攻めて敗北したとしても、戦死・謀反以外は処断してはならない。

三、この四家いずれかに裏切りが発覚した場合、他の家が経済・軍事的制裁を行う。

四、みんな仲良くしましょう。


「最後のはいらん気がするが…」


「こういう単純なことが大事なのだよ、わかっとらんのぉ。最近の若いもんは。」


「うるせぇ。龍造寺のじじい。」


「なんじゃと?」


「「殿、落ち着いて下さい。」」


「「ぐぬっ・・・」」


「誠殿、別に我ら以外の家とも商売とかはしていいのか?」


「それは別に構いません。しかし、一緒に攻め入ろうとするならば条文その三に当てはまるのでご注意を。では、条文に他家との交流に関してお互い追求しないと入れておきましょうか。」


「うむ。それにしても、ちと厳しいのではないか?」


「それは私も龍造寺のじじいに賛成だ。誠よ、そもそも同盟を結ぶだけにこういう約束事を追加する?」


「そうですねぇ。盟約があれば、お互いに規律を持って動くじゃないですか。それに、す〜ぐ裏切ろうとする輩が多いですからねぇ。そんなものなければ、こんなことは決めませんよ。」


「果たして、家臣達が納得いくか…」


「誠殿。私は宗麟様を支える重臣として、他の家臣を説得するために一つ質問してもよろしいか?」


「私も隆信様の一家臣として、聞きたいことがある。」


「まぁ、焦らず順番に。何でも答えますから。戸次殿からお願いできますか?」


「あぁ。なぜこの同盟を組もうとした?何か目論みがあるのではないか?」


「ないと言えば、嘘になりますが、貴方方にとって、悪い意味ではありません。むしろ良いはずです。この中の誰しもが思っていることです。」


「「早くこの世の乱世を終わらせること。」」


「戸次殿わかっているではありませんか。そういうことですよ。私が恐れているのはですね、国内じゃなくて国外なんですよ。」


「誠殿は先を見ているわけですね。他にも大名家がいる中で、九州内だけで争っている場合ではないと。」


「そういうことです。」


「では、今度は私から質問させてもらう。なぜ、この三家なのだ?」


「清房殿、それはですね。この三家は互いに勢力が均衡しているからです。」


「我ら大友家が龍造寺や島津と変わらぬというのか!」


「斎藤殿落ち着いて、ここは穏便に。誠殿の話を最後まで聞きましょう。」


「今は確かに大友家が少し上かもしれませんが、龍造寺、島津以外では奇跡でも起きない限り、大友家と張り合えないということですよ。」


「龍造寺や島津だったらそれが可能だと?」


「あくまで可能性の話です。この三家が一番互いに上手くいく可能性が高いんです。勢力が同じだからこそ互いの足りないところを補えるんです。どれか一つが小さい国だと、どうしても、大きな国に頼ってしまう。その大きな国だけ損をするじゃないですか。だから、だいたい同じでないといけないんですよ。」


「わかりました。では、この同盟を結ぶことによる利点、欠点は?」


「利点はそれぞれの家が抱える問題を解決できます。例えば、龍造寺家は少弐氏と有馬氏の討伐、自国の安定。島津は非同盟家に対する対抗。大友家は大内・毛利への対抗。欠点は我々山田家の滅亡による乱世への逆戻り。」


「なるほど。では、この三家が協力してお主を潰しにかかったらどうする?その欠点が万一起こったら?」


「そうですね。この艦を含む我々が持つ全兵力・武器を持って、()()()()()()()()。」


「「「・・・・・・・・・」」」


誠のあえて笑顔による発言で、各大名・家臣は全身が震え上がる。若造だからと言って、誠を怒らせてはだめだと。特に龍造寺と大友は誠の戦をまじかに見ているから、なおのことだった。今のは円城寺の失言だった。


「皆さん、お腹が空いたでしょう。同盟受諾の判断はこの後にしましょう。その前に、一緒に釜の飯でも食いましょう。」


「そ、そうだな。」


「では、山田家による料理をご堪能下さい。」


誠が手を鳴らすと、山田家侍女たちがお皿いっぱいの料理を運び出す。そこには、この前の船上パーティーとは違う料理が並んでいた。


「では、料理の説明をさせていただきます。まずは、ラーメン。その次に明の料理です。麻婆豆腐(まーぼうどうふ)小籠包(しょうろんぽう)青椒肉絲(チンジャオロース)です。」


「なんか奇妙な物ばかりですね。毒とか入ってたりしませんよね?」


「こんな大事な会談にそんな事するわけなかろう。誠、とりあえず食うてみればよいのだな。」


「はい、きっと気に入ります。」


「パクッ……」


「どうですか?」


「美味じゃ!誠、美味じゃぞ。お主らも食うてみぃ。」


「お、おぉ!これは美味。今まで食べたものの中で一番美味い。」


「確かに……」「これは……」「本当に……」  「「「美味です!!!」」」


「これは誠が作ったのか?」


「うちの奥さんとか料理番にも手伝ってもらいましたけどね。」


「誠、家に来ないか。」「ずるいぞ、宗麟。誠殿は我が龍造寺に来るのだ。」「ぜひ、島津に。」


「皆さん、落ち着いてください。第一、私料理人ではないですから。」


「「「はぁ~~~~~~~」」」


「それよりたらふく食べたことですし、日も暮れてきているので、そろそろ決議を取りたいんですが……」


「「「 (誠殿の料理が食べられるなら)、大賛成です! 」」」


「ははははは、そうですか……」


こうして、九州三国同盟は一人暮らしの時に磨いた料理スキルで、半ば強引に満場一致で三家とも加入という話で幕をとじた。なんか、結構議論した気がするんだけど、最初から料理を出していれば良かったんじゃねと思う誠であった。


~~九州三国同盟盟約~~

その一、この同盟に参加する大友、島津、龍造寺、山田の四家は互いに互いと協力し合うこと。

その二、九州内の他の大名家が四家を攻めて敗北したとしても、戦死・謀反以外は処断してはならない。

その三、この四家いずれかに裏切りが発覚した場合、他の家が経済・軍事的制裁を行う。

その四、他家との交流に関してお互いに追求をしない。

その五、月に一度、、山田家主君山田誠が料理をふるまう。

その六、みんな仲良くしましょう。


いつの間にか、月に一度料理を作らないといけなくなってるし。まぁ、受け入れてもらえたから結果オーライなんだけどね。

本日集まった九州の御三家は帰りにドーナツというデザートまでもらって、大変満足したまま、行きと同じ方法で自分の領地へと帰っていった。


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