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#22 三大名のお出迎え

少し長い気もしますが、最後まで読んでいただけると幸いです。

あれから1週間、誠を含む家臣一同は船内や城内の準備にあけくれ大忙しだった。同盟会談前日の深夜までかかった大掛かりなものだった。装飾、料理に、城・港・船の整備まで、あらゆる所をできる限りやりきった。そして、今日誠は家臣以外の全ての兵、侍女、その他城内で働く者を集めた。


「みな、今日はよく眠れたか?いよいよ本日、大規模な同盟が、締結される。我々山田家としての最初の大仕事だ。今日は各々任された役目をしっかりと果たしてくれ。では、解散!」

続々と部屋を出て行く兵と侍女たち。残ったのは今回各大名の護衛を任されている三人の家臣。すでに、三秋と太平には御船城にて1,500の兵が、そして、熊本城には2,500の兵が待機している。


「では、三人共しっかりと護衛の役目を果たすんじゃぞ。」


「「「はい、しっかりとこなして見せましょう。」」」


「よし、それでは各々出発!」

その号令の合図で、直茂はマルに乗って龍造寺家の村中城へ、八助&与左衛門はレイ・ゼロに乗って大友家の立花城へ、誠はユウに乗って島津家の内城へと向かった。


〜〜鍋島直茂編〜〜

「それでは、マル殿。本日はよろしくお願いします。」


「おぅ!マスターの大切な部下だ。しっかり安全運転で行くからな。」


「はい、頼みます。あ、前々から思っていたんですが、そのますたぁというのは何なんですか?ナガトさんも確か、言ってましたよね?」


「あぁ、異国の言葉でな。お前らの国で言う所のご主人様っていうところなんだよ。マスターとは幼き時から(うそ)の付き合いだからな。よく、知ってるんだよ。」


「そうなんですか。でもマル殿も時々変な話し方をされてますよね。」


「あぁ、まぁなんだ。我の趣味ぞ。」


「そうなんですね……」

それから村中城までの2時間のドライブは、お互いただただ気まずいままとなった。そして、龍造寺家居城村中城に着くと、城門の兵はよりいっそう警戒を強めた。見たことのない緑の鉄馬。がチャッ。


「鍋島の若様!」


「おぉ~~みんな元気だったか?」


「はい!若こそ、どこぞの若造が今の主と聞きましたが…」


「こら!我が殿を悪く言うでないぞ。まぁ、何とかやっている。それより、隆信様達は?」


「もうすぐ、お見えになると思います。あ、来られました。」


「おぅ!直茂、久しぶりじゃの。」


「お久しぶりです、隆信様。それに父上。これは円城寺殿も。」


「直茂。元気にやってるようで何よりだ。」


「おぉ。鍋島殿の息子か。大分、大きくなったというより十二にしては老けてるか?」


「それに関しては触れないでください。それより、出発しますね。こちらへどうぞ。」


「「「え???これでいくのか?」」」


「はい。安心してください。マル殿、お願いしてもよろしいですか。」


「おう、任せろ。」


「おぉ。意外に、中は広いのだな。」


「はい。あ、出発する前に武器をお預かりしますね。我が殿から一応気を付けるように言われているので。」


「さすが、誠殿。抜け目がないのぉ。分かった。これでどうじゃ。」


「すいません、ご協力に感謝します。」


「それより、どうじゃ?誠殿は。」


「はい。毎日驚かされることばかりで。それととても忙しいです。」


「そうかそうか。どうだ、龍造寺家に戻ってくる気はないか?」


「すいません。我が主は誠殿故…」


「いやいや、いいのじゃ。ちょっと難儀な質問じゃったの。」


「すみません。」


「いやぁ、龍造寺の旦那はなかなかいい男じゃないか?」


「おわぁ、ビックリした。お主が直茂が言っていたマル殿か。お主、見る目があるのぉ~」


「まぁ、それほどでもねえょ。」


「「がははははははは!」」

マルと隆信は短時間で意気投合し、直茂、その父清房、円城寺はその会話を聞きながら、誠の本拠地熊本城へと向かっていった。なお、直茂・隆信以外の二人は未知の乗り物に緊張していたという。


~~八助&与左衛門~~

「ゼロ殿お願いします。」「レイ殿お願いします。」


「・・・・・・」


「・・・では、出発しますか。っておおおおおおい!八助。俺、この旅で生きて帰れる自信ない…」


「よざえも~~ん、しっかりしろ!おい!外を見てみろよ。」


「うわぁ、なんだこの絶景はぁ!ゼロ殿こんな絶景を見せるために…嬉しいです。」


「レイ殿もありがとうございます。」


「・・・・・・」

レイは基本無感情で、誠にしか反応しない。ゼロもツンデレなので、本当は誠以外を乗せるのは不服なんだが、誠の頼みだから仕方なく乗せている。それから立花城まで、終始無言であった。


「つきましたね。流石に少し疲れた。」


「だな。」


「お主らが商人・誠の使者か。」


「ひゃぁい!あなた様は…大友殿。此度は我が殿に応じてくださり、ありがとうございます。」


「そんな堅苦しい挨拶はよせぇ。我らはこれからは仲間ではないか?それより、あの奇妙な物でいくのか?」


「はい…そうです。では早速出発するので、武器をお預かりしますね。」


「何をぉ。お主ら我が殿に対して、非礼であるぞ。場をわきまえよ。」


「やめぬか、恥ずかしい。儂に恥をかかせる出ない。すまぬな、これが武器じゃ。」


「ありがとうございます。では、こちらへ。」


「全員、乗りましたね。レイ殿・ゼロ殿お願いします。大友家の皆さん、空の旅をお楽しみください。」


「「「うおおおおおおおおお!」」」


「戸次、斉藤。見てみぃ。儂らの城があんなに小さく見えるぞ。」


「「は、はい。そうですね。」」


「それにしても、あの冴えない男がこんなものを持っているとはな…」


「「はははは…」」「「ピキィ」」


「「「「「うわああああああ!」」」」」


「我がマスターに対して無礼。」「そんな奴ら、許さない。」


「なんでこいう時だけしゃべるんですかぁ!!とりあえず、大友殿、謝ってくださぁい!」


「おわああああ、すいません~~~」


「詫びをするのはあなた達もです。」「イエス!マスターの部下として情けない。」


「「すいませんでしたぁ!!」」


「それとなにが空の旅をお楽しみくださいですか。」「あなた達も二回目でしょう。」

二体のAIは乗員に不満を一層抱えながら、無事に?熊本城へと送り届けた。


~~山田誠編~~

「ユウ、行き先は島津だ。前回と同じだから大丈夫だよな?」


「うん!それより、マスター最近ずっと私をほったらかしにしてぇ~。ユウ、寂しかったんだぞ。」


「あーはいはい。すまんすまん。」


「まさかの棒読み!?もう、マスターのい・け・ず♡」


「・・・・・・」

そんなこんなで、内城までの二時間ユウの誠に対するアプローチ()が続くのであった。正直、だるい……


「貴久殿、お久しぶりです。」


「おぉ、これは誠殿。お主自らお出迎えとは嬉しい者よのぉ。」


「時間もないので、出発しますね。お三方はこちらにお乗りください。大丈夫、落ちたりしませんから。」


「お、おう。義久、義弘行くぞ。」


「はい、父上。」


「私との会話はこの画面越しにできますから。」


「それより誠殿。先の戦での勝利おめでとう。おかげで、阿蘇家の力が急速に落ちたおかげで、しばらく戦の心配はないわい。」


「それは良かったです。まぁ、大変なのはこれからですからね。」


「あぁ、そうだったな。息子たちよ、いずれ儂から薩摩の地を継いだ時は誠殿を頼りにするんじゃぞ。」


「わかりました。その時は誠殿、よろしくお願いしますね。」


「素直でいい子たちですね。私も同年代の友ができて嬉しいですよ。」


「あぁ。儂の自慢の息子たちだ。」

こちらはずいぶんと和やかな雰囲気で熊本城へと向かった。ただ、ユウが出てこなかったのは、誠以外の男に興味関心を示さないからだそうだ。黙って、運航してくれているしてくれているから助かってはいるんだけどね……


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