#2 いざ、戦国時代!
つたない文章ですが、暖かい目で見守ってください…
「あ、いてててて…」
空からこの甲板上に落とされたこともあり、気絶からようやく目覚めた俺は、青い空、青い海の下、“戦艦長門”に寝転がっていた。
俺が戦国時代に行く際、この“長門”を選んだ理由。あの第二次世界大戦を生き残った戦艦であり、クロスロード作戦の原水爆実験を2度も耐え抜いたこと。ビック7として名高い戦艦であること。
決して、某ゲームアプリの長門が好きだったからじゃないんだからね、勘違いしないでよね。どちらかって言えば、大和の方が好きだったし!
「艦橋に行くか。」
立ち上がると、“長門”の巨大な41cm砲を見ながら、艦橋までのハシゴを登っていった。
艦橋に入ると、そこには、多種多様な操縦機械があり、少々戸惑いつつも、艦長席に座り、操縦桿に触れる。ま、この船に俺しかいないし、仕方なく操縦するしかないもんな。そう、仕方ない。
「マスター登録完了。これより、本艦は山田誠様のものとなります。」
「おぉ!こんな機能もあるのか。AIみたいなもんか。」
驚きを覚えつつ、艦長席の前にある分厚い本を開いて次の指示を・・・っとその前に…
「えぇっと、現在位置はっと…」
ちょうど頭上の端末の画面に表示する。この艦本当、高性能だよな。位置情報以外にも、材料さえ手に入れば、ご飯も作ってくれるらしいし…
「ピピっ、現在位置 奄美諸島沖北西5マイル、25ノットで航行中…」
「進路長崎港へ!ヨーソロー」
「安全航路確認中……確認完了。進路変更…長崎港へ…」
この音声機能便利だな~、後は自動操縦にしてっとぉ、さてと、暇だし、艦内でも見て回りますか。そして、艦内の地図を取り出した俺は、まず食堂へと向かった。
食堂に入ると、そこは100人は入れるほどの規模があった。ま、艦内には俺一人しかいないから意味ないんだけどね。あー早く仲間が欲しい…そんな虚しさを感じながらも、居住スペース、艦長室、格納庫、医務室、倉庫と少一時間ほどで、艦内全部を回りきった。
格納庫で、零式水上偵察機、零戦、陸自のヘリの計3機見つけた。さすが高性能、水上機で十分食らいなのに、ゼロ戦や陸自のヘリまである。
そこで、試運転も兼ねて、操縦室に戻って、水偵を早速カタパルトに付けてもらうようにした。もちろん、航空免許なんて持っていないが、操縦は簡単で自動操縦も可能なので、安全安心。
「よし、空の旅へと行くか。」
スキップをしながら、俺はカタパルトへと向かった。袴だと動きにくいので、飛行服に着替え、早速搭乗する。
「レッツ、ゴー」の掛け声のもと発艦させた。
以外にも、飛行は楽しく、真下に見える“長門”も近くで見るのとはまた、違う感覚で大きな迫力を感じた。そのまま、長門の真横で飛行を続けていると、九州が見えてきたので、折角だから、長崎に入る前に見ておこうと、飛行機を旋回させて、鹿児島沖へと向かう。鹿児島は島津の領地。敵となるかもしれないからな〜、できれば家臣にしたいけど。じゃ、島津の本城、内城に行きますか。操縦桿を握ると、そのまま内城城下へと進路を変更した。
~~~内城城下~~~
「お、おい。なんか聞こえやせんか?」
「なんも、聞こえんよ。」
「お、おい。あれを見るだべ。」
「な、なんだぁ、あれはぁぁぁぁ!領主様に報告じゃあ!敵やもしれん。」
農民達はすぐさま、内城城下へと向かい事のさまを伝えに行った。農民から報告を受けた島津家当主 島津貴久は家臣に出陣の支度をするよう命じ、鎧兜を身にまとい、外へ出た。
「おぉーこれが城下町か~、なんか古い町並みって心が癒されるな。ちょっと、近くまで寄って行きますか。」
「ピロン…内城城下につきました。武装している兵多数。これ以上の接近は危険です」
「うわぉ、こんなことも知らせてくれるのか。それにしても、これが内城か……島津の本城とあってでかい城だな。こんなのどうやって建てるんだよ。」
そして、危険との知らせを受けたので、操縦桿を握り、内城を大回りするように旋回して、長門へと引き返そうと、長門の位置情報を調べた。すると、長門は既に肥前沖近くまでいたので、全速力で向かった。それにしても、早すぎない?
長門についた俺は、無事に海上に着艦し収容できたこととギリギリ肥前に到着する前に間に合ったことにホットした。艦橋に入って、次の指示を出す。
「肥前沖に向け、空砲放てー!」
その瞬間、俺でさえ、驚くぐらい大きな爆音を放った長門の一番砲と二番砲。
いやいや、これ鼓膜破れるレベルだから。
これが第二次世界大戦時の日本の戦艦か…すげぇな、感服したぜ。やっぱり、過去の偉人たちはすごいな。まぁとりあえず、上陸しますか。
「錨下ろせーー!長門はそのまま戦闘態勢のまま待機。陸から俺が指示を出す。」
「了解しました。」
俺は長門にあった小舟で陸地へと向かった。