#11 内政開始
武器紹介のところ少し変更しました。
「直茂、三秋!」
「「はっ!」」
「俺がいない間、よくやってくれた。では、この二日間、二人が何をしていたか報告を聞こう。まず、直茂。」
「はい。殿がいない間、私は農地の収穫高、一年で取れる年貢、そして殿の所有している船の銭を調べました。」
「それで?」
「とりあえず今のところ34万石。年貢の取り立ては殿の自由ですが、配下の者に給料を取らないといけないので、それなりに取らないといけないかと。あと、殿の所有している財産ですが、民に給料を与えるとすると、税を取らずに20年は持ちます。」
「ん、わかった。年貢はもちろん取るが、武士の給料には俺の懐から出す。民から徴収した税はインフラ整備に使う。」
「い、いんふら?」
「あぁ、インフラ整備というのは、公共事業のことで、道を整備したり、学校を建てたりするんだよ。この国の民のためになるものを作るんだ。」
「なるほど、民のためですか。」
「そうだ。じゃあ、次に三秋。」
「はい。私が調べたのは兵力と今この国の民の現状、そして、資源です。まず、兵力ですが、およそ3000人、徴兵すれば5000にはなると思います。武器は鉄砲500丁ですが、剣や槍などが不足しています。不足に際して、父上と兄上に剣と槍の製造を頼みましたが、作れるのはわずかとのことです。城の修繕に使っているため、鉄などの資源が少ないそうなんです。だから、鉄砲の試作も止まっています。」
「わかった今すぐにとはいかないが、資源をできるだけ早く確保しよう。それまでは武器製造は止めて構わん。現状、ある武器の整備・点検にあたってくれと伝えてくれ。それと、徴兵はしなくていい。」
「わかりました。続いてですが、民の現状は特に農家の方が食糧不足に陥っています。そのせいで、農作業もままならない状態で。あと、城下の物価がとても高いですね。座があるせいでしょうか。貧富の差が開きすぎています。」
「食料は船の中にたっぷりある。それを城下で炊き出しに使え。城内の料理番に伝えろ。結月さんとお義母さんにも手伝って貰うか。俺も手伝うから。」
「殿が、料理されるんで?できるんですか?」
「簡単なものだったら、割とすぐに。あ、そうだ。じゃあ、今日は城内で、親睦会をやりますか!料理は俺が作ります。」
「本当にやるんですか?」
「あぁ、楽しそうじゃん。ほら、俺結婚もしたし。祝いとして。もちろん無礼講で、よろしくね。」
「はぁ…わかりました。」
「で、今から最優先事項ね。城の修繕。港の整備。分国法の制定。城の修繕は三秋任せたぞ。あと、堀を二段構えにしてくれ。直茂は港の整備。いいかげん、船を陸の近くに置いておきたいんだよな。設計図はあとで渡す。俺はとりあえず、国内の法を定めるから。各々動いてくれ。」
「わかりました。」
「それと、城内に学校の建設を。文字が読めないと法律だしても意味ないからね。誰でも参加可能にね、農民の子でも、武士の子でもだ。後、座は廃止。即刻解散しないと、ここでの商売は禁ずる。」
「殿。座の廃止は慎重にやらないと。一応国の財源ですし。」
「そうか…じゃぁ、三日だけ待つ。文句があるなら、城に来いって伝えて。これからは誰もが自由に商売できるようにするから。」
「じゃあ、そのように。」
そう言うと、直茂たちは指示された準備に取り掛かった。じゃあ、夕食時まで時間があるし、食料を取りに行くついでに城下でも視察するか。あ、ついでに結月さんも誘おうっと。その前に・・・
『ナガト。聞こえるか?』
『はい、なんでしょうか、マスター。』
『これからそっちへ向かう。食料庫の準備を頼む。後、自立型AIを全員呼んどけ。聞きたいことが山ほどある、いいな?あぁ、でもゆっくりでいいから。来るの一、二時間後だし。』
『了解しました、マスター。』
「まことさーん!」
「はぁい?」
「あの城下を見に行きたいんですが、よろしいですか?」
「ちょうど、お誘いしようと思ってたんですよ。」
「あら、そうだったのですか?」
「はい、では行きましょうか。」
そして、初デートをしようと城下に行こうとした時、直茂に見つかってしまい、護衛を三人つけられてしまった。チッ、二人だけでしたかったのに。直茂めぇ、いらん心配を…
城下に下りると、城に近いほど、人の行き来があって賑わっていたものの、城から離れると、そこは静かで農地が広がっていた。その農地も耕されておらず、雑草ばかり生えていた。とてもじゃないが同じ城下内にあるとは思えない。これは実際に視察しといてよかったかもな。
「結構、ひどいですね。こんなにも差があるなんて。あ、すいません。失礼なことを。」
「いやいや、私も統治し始めたばかりですから。実際の意見をもらえると、助かります。一刻も早くなんとかしないとですね。」
「そうですね。あ、誠さん!あの人倒れてますよ!」
よく見ると、人が倒れている。急がないと!護衛3人を連れてその場へと急行した。倒れているのは50代くらいの老人。ひどい熱もある。恐らく、風邪だろうがこのまま放置してるのも危ない。
「とりあえず、船に向かいます。おい、この老人を沖まで運んでくれ」
「わかりました。」
「結月さんは僕と船に」
「はい!」
護衛3人にその老人を運ぶのを任せ、俺と結月さんは長門へと向かった。
「この小舟で向かうのですか?」
「本来だったら、そうなんですが、なにぶん、緊急時なので、こちらに呼びます。」
『ナガト、予定変更。今すぐ、俺のいる沖へ向かえ。』
『了解です、マスター。すでに他の準備も完了しています。』
『ありがとう。』
ぶぉぉぉーーーーーーーと大きな汽笛を鳴らして、五分後長門が到着。あまりの大きさに結月さんも護衛の3人も驚いたまま立ち尽くしていた。護衛の一人は失禁してたしね。
「おい!運ぶぞ。着いてこい!」
「「「はっ」」」
甲板を駆け上がって行くと、そこに見知らぬ女性が……
「マスター。お久しぶりです。後ろの方は敵ですか味方ですか?」
「え、ナガトさん?」
「さん付けは不要です。それより質問に答えてください。」
「えぇぇぇ!お前、そんなことできんの?ずっと、モニター越しだったじゃないか!」
「私だけが可能なんです。」
「それを早く言えよ。まぁ、いい。それは後だ。急を要するから、医務室に行くぞ。敵じゃないから大丈夫。」
「医薬品なら、ここに。」
「ほんと、準備が良くて助かるよ。」
「その方は熱中症ですね。ずっと外にでもいたのかと。後は私が病室に運んでおきます故、マスター達は艦橋へ、行っておいてください。」
「頼んだぞ。」
ナガトは一礼すると、横たわったお爺さんを担いで医務室へと向かった。いや、それにしても二次元が三次元になるなんて聞いてないぞ。本物の人間かと思っちゃったよ。それじゃあ、艦橋へと向かいますか。
あれ?こんなところにドアが…こんなのあったけ?開けて見ると、そこには現実世界だったら、どこにもあるもの。そう、エレベーター。
「・・・」
あんのかよ!何だよ、最初、ウキウキ気分で梯子のぼってたよ!あるなら、教えてくれよ!以外に登るのも怖かったんだからな。
「じゃあ、上がりますか。」
そして、結月と護衛三人は未知の乗り物にのって艦橋へと向かった。
「ま、誠さん。これは、一体?」
「ここはこの船の操縦するところです。それに、この船は戦う船でもあります。南蛮とかにはこのような戦う船がごまんといますよ。この船には敵いませんがね。」
「この船でやってきたのですね。ここに、この地に。」
「そうです。この船の名は長門といいます。あ、そこの3人名を教えていただけますか?」
「「与左衛門」「八助」「太平」です。」
「よし、三人共、このことは最重要機密とする。他言は無用だ。他言した場合、罰を与える。いいな?」
「「「はい!」」」
ウィーーーーーンとドアが開いて、ナガトがやって来る。
「マスター、病人の収容完了しました。心配ともに異常なしです。」
「ありがとう。ナガト、全員に説明を。」
そこから30分ほど、この船の性能から自分自身の説明まで。うん、そんなに説明しなくてよかったんだけどね。これを極秘にする俺の気持ちにもなってね?
「マスター、ここからがマスターの知りたいことです。上の画面をみてください。彼女たちは私のように立体構造になれないものの、各々が感情を持つAIで、私の配下つまり、マスターのはいかでもあります。私たちはマスターのために力を尽くします。」
「うん、それを最初に出会った時、言って欲しかった。」
「聞かれませんでしたので。」
「うん、それを聞かなかった俺が悪い、はい。もう他に隠していることはないね?」
「はい、ありません。レイ、ゼロ、ユウ、マル!マスターに挨拶を。」
「レイです。よろしくお願いします。」「ゼロです。フン」「やっほぅーマスター。ユウちゃんだよぉ。」「我が名は円、我が主よ、共にこの乱世を生き延びようぞ。」
「よ、よろしく…」
ユウは、一度会ってるから、大丈夫だけど、レイはクール系。これは大丈夫か。ゼロは言わずともツンデレで、最後のマルに関しては完全に厨二病だし。4人共、特に二人は感情豊かすぎんだろ!見てみろ!俺の奥さんと部下が口をあんぐりしてるよ。びっくりだよ。特に四人目、お前が一番キャラ濃いよ!
「あ、それとねマスター、伝えたいことあるんだ。」
「ん?なんだ?」
「ご結婚、おめでとうございます」 「おめでとう…」「おめでとぉ!私もついでに妻に!」「主もついに契りを交わしたのだな、おめでとう。」
前言撤回。こいつら、なんだかんだで、本当にいい奴らじゃないか。やばい、涙てできた。
「泣くなよ、マスター。ハハッ」
「うっせぇ、嬉し涙だ。」
「うん、ナガト。食料を城内へ運ぶから手伝って。」
「了解しました。でも、マスター。私はこの船を降りることはできませんので。」
「あ、そうなの?」
「はい。この船は私の一部なので、私が降りてしまうと、機関が全部停止してしまうんです。」
「わかった。あ、ちょっと待てよ。」
いいこと思いついた。いっそのこと、この船の上で、親睦会をやりますか。城内の者みんな、呼んで。三秋や直茂達もこの船のことは知ってもらっていた方がいいだろう。もう、機密なんてどうでもいいや!いずれ、バレることだし。
「ナガト、今回は俺と結月さんの結婚祝いでもある。お前たちも参加しないでどうするんだ?お前たちはもうおれの家族なんだから。」
「では、マスター。どうするのですか?」
「決まってる。ここでやるんだよ。名付けて、船上パーティー!」
そして、長門船上で大規模なパーティーを開くこととなった。