#1 神からのお告げ
「小説家になろう」での投稿初作品となります。つたない文章ですか、暖かい目で見守って下さるとありがたいです。
「ふぅーーーーーーーー」
仕事をひと通り終えて、俺は駅のホームで一息ついた。
今日も一日疲れた。家に帰って、1杯やるかそんな呑気なことを考えながら、電車が来たのを確認し、立ち上がった……
「っつ。あれ?ここ、どこだ?」
慌てて、辺りを見渡すと、そこは駅のホームではなく茶の間の1室。そこには、いかにも古来日本の和室を感じさせる生け花に、水墨画、木彫りの熊、それに最新型の電話・・・・・・あ、そうでもなかった。にわかに信じられず、顔を突っぱねるが、ただ痛いだけだった。するとそこに一人の老人が入って、ちゃぶ台の前に座った。
「座らんのか?」
そう即されて、俺もちゃぶ台の前に座る。するとお茶とお茶菓子が出された。ゴクリ。やっぱ、お茶サイコー!
「っていやいやいや!まず、ここはどこで、あなたはだれですか?」
「あぁ、ワシは神で、ここは神の国じゃ。君たち人間で言うところの天国みたいなものじゃ。」
天国か、へぇ~~~ここが。なるほどなるほど。以外にちっぽけなところなんだな。え、てことは…
「ちっぽけなところで悪かったのぉ。けど、君は死んではおらんよ。ただ、ワシらの制度でな最近地球の人口が増えすぎとるからのぉ。神の国の人口削減策でのぉ〜。ちょいと他の世界とか、過去に行ってもらっとる。」
「あ、そうなんですかぁ…」
心を読まれたせいか、顔が自分でも分かるくらい引きつっている気がする…
すると、自称神様?が1冊の分厚いファイルを出した。
「山田誠君、32歳、誕生日1月19日、独身、両親健在、姉と弟がいる。仕事は大手商社に務める商社マンで、海外赴任の経験多数あり。年収は約1200万。ほぉ〜ずいぶん、もらっとるのぉ。」
「いや〜それほどでも。ってなんで知ってるんですか??」
「神じゃからの。」
「・・・」
あ、もうわかった。本当にこの人神だわ。だって、俺のことめっちゃ知ってるじゃん。もぅストーカーみたく知ってるじゃん。
「ストーカーじゃない、神じゃ。で、君のポイントは…」
「あ、すいません。もう信じます。で、そのポイントって…」
「今から説明する。待っておれ。お主のポイントは10万ポイントある。このカタログからそのポイント分だけ、転生する世界に持っていける。しっかし、この歳でこのポイントは高いのぉ。」
そう言うと、神様はカタログとやらを差し出した。いざ、カタログを開いてみると、船や家、銃や剣など武器まで…なんか、魔法のステッキとかあったけど、魔法とか使えんの?
「なるほど、お主。商人として、よくやってきた。いろんな国の人から感謝されとるぞ。このポイントの理由も納得じゃわ。」
そう神様に言われた。あれ?なんか見えないぞ…感謝の言葉を知った俺は涙が自然と流れていた。現世からいなくなったとはいえ、自分が世のため人のため生きたかどうか心配だったのだろう。やっと、それが報われた気がした。そんな俺を神様は暖かい目で見守ってくれた。
「ほら、これで涙を拭けぃ。ところで、お主はどこに行きたい?行きたい所を言ってみなさい。」
「グスン……行きたいところですか……それならば、戦国時代がいいです。」
「よいのか?異世界とかでもいいんじゃぞ?」
「いえ、一度行ってみたかったんです。中学の頃、歴史好きでしたから。」
「そうか、早く決めることは良いことじゃ。」
まるで、おじいちゃんのように、微笑む神様に、俺は涙を拭って、カタログを開いた。改めてページをめくると、いろんなものがあって、面白い。
「じゃあ、まずはこれにします。」
俺が最初に選んだもの。それは戦艦だった。
戦国時代で戦艦って少しずるい気がしたのだが……神は笑顔で全然オッケーという顔をしている。
「戦艦っていっても何にするんじゃ?」
「あぁ、長門型戦艦一番艦長門|《高性能型》で。残りは戦国時代らしく、剣と槍を。あと、護身用で銃も。これで8万ポイント。
残りは1万ポイント分を身体強化に、剣術とか使えたらいいですね残りは戦国時代で使えるお金と服、それから食料にお願いします。」
「若さゆえか、決断もはやいのぉ?」
「そんなに、若いですかねぇ?もぉ、32歳ですよ。」
「ワシからしたら、若いんじゃ!」
それもそうか、相手は神だし、何千年何万年と生きてるんだよな。もぉ頭が上がらない!
「じゃあ、今から転生するが、本当に良いのか?家族とか…」
「良いのかと聞かれれば、嘘になります。確かに、両親にはお世話になったし、姉や弟にも、それなりに。上司や同期にも仕事でお世話になりました。でも、神様から選ばれたんです。仕方ないですよ。だから、いろんな人に感謝されている自分もいろんな人に感謝している。そんな人たちのためにも、向こうで恥じないよう新しい日本を作って、歴史に名を残してやりますよ!山田誠、ここにありってね。」
さっきとは違う不安げな表情を見せる神様に俺は、笑顔を見せる。
「わかった。お主の活躍は空から見ておるからのぉ。これは選別じゃ。」
神様はそう言うと、一つのお守りをくれた。
「そのお守りはお主をきっと守ってくれる。長年、多くの人間を見てきたが、ここまでワシが惚れた人間はおらんのじゃぞ。あと、16歳位に若返らせたから。では、頑張るんじゃぞぉ。」
「はい!ってえぇ!!」
そう言って俺は戦国時代初めの1550年への地へと降り立った。