街を外らば冒険が!
「もう!何も言わないで行くなんて、お姉ちゃん悲しい!」
「そうだぞトモキィ!」
「全くその通りだ!私の私が淋しがっているぞ?あ、ぬぁにをぉふぅふぅ!ひぃ、ふぃふぁいふいふぁういぃい!!」
とにかくお前は黙れ
「わ、悪かった!不相応だった!失言だった!何でもするから許してくれぇぇぇ!」
そうか、何でもするのか。
顔に影を落としながら
変態が羞恥に染まるであろう命令をした。
「じゃあ、脱いで貰おう!」
「お安い御用だ!!!」
すぐさま衣類を脱ぎ捨て
艶かしいその肉体を
周囲へと見せつける。
…あれ??
この手の変態って
1対1以外だと恥じらうんじゃ…
そのやり取りを見ていたティノが
俺の前に立ちはだかる。
「貴女、貴女は見ていてとても危険な匂いがします!そんな無責任な行動ばかりして、私のトモ兄を…」
そうか、しっかり見ていてくれたんだなティノ…
むしろ何でそんなに知っているんだ?
「トモ兄を…幸せに出来るんですか!?」
「うぇえ!?そっちぃ!?」
案ずるなと言わんばかりに
自信に満ちた顔をする紅髪。
「君が婿入りしてくれるのなら、私は大歓迎だ!不自由ない生活を約束し、君の肉欲を如何なる時でも満たすと誓おう!!どうだ?私の元へ来ないか?」
真剣な眼差しを向ける紅髪。
嘘偽り、という訳でも無さそうだ。
「考えてはおくよ。あ、そういえば名前、聞いてなかったな!」
婚約や、宣誓よりも、
何より重大な事を聞き忘れていた。
紅髪は思い出したかのように名乗りを上げる。
「申し遅れました。私、名をクラリーチェ=ジェロディと申しますの。貴方様との出会い、光栄に思いましてよ?」
深々と綺麗な御辞儀をするクラリーチェ。
その名を聞いた途端、3人が膝を折り
クラリーチェへと頭を下げる。
「今までの無礼な発言、大変失礼致しました。どうかお許し下さい!」
ティノが態度を急変させたという事は…
「ひょっとして貴族なの?クラリーチェって」
「あぁ、ジジ…御父上様が国王の座に君臨していてな」
「へぇ〜、って事は王妃?」
「王妃なのはババ…御母上様だ。私は王女という事になっている、一応」
「王女なのか!今さらで何だが敬語使った方が良いのか?」
クスクス、と可笑しそうに笑うクラリーチェ。
「些か遅いぞ!いや、全然そのままの口調で構わん。気に入った!トモキ、本気で私と婚約しないか?」
「クラリーチェが幼馴染にさえなってくれるなら…いや、う〜ん…」
確かに彼女より高貴で麗しい女性はいないだろう。
だが、王女と幼馴染になるという事は
それに合わせて
俺の全ても変わってしまうのではないだろうか。
家族や友人…ティノとの絆までも。
それは、それだけは避けたい。
「クラリーチェが王族をやめて、俺の所に嫁いでくれるなら、喜んで結婚するよ!」
「「「えええええええええ!?」」」
3人は血相を変え絶叫する。
1人は腹を抱えて大笑いする。
「こんな大馬鹿者は見た事ない!!トモキ、お前は何て勇敢で無礼で格好良いのだろう!王族をやめる…考えた事も無かったな…成程。では、早速準備してくる!《ヴァンデルン》!!」
変態で綺麗な紅髪の王女は
光の粒となって何処かへ消えた。
しかし、あんな変態の王女が
いるなんて予想だにしなかった。
気まずそうな雰囲気漂う中
ティノは多々呆れ顔でこちらに話し掛ける。
「あなたっていう人は…でも、そういう何者にも臆さない所、私は大好きです!」
「おう、ありがとうティノ!俺も大好きだぞ!」
ティノと抱き合う。
ティノは涙を浮かべていた。
またも兄妹の絆を深めていると
慌てて2人が抱きついて来る。
「お姉ちゃんも皆の事大好きよ〜!だから仲間外れにしないで〜」
「別にそういうわけでは…」
「トモキもティノもお姉ちゃんも大好きぃ!」
4人で抱き合う形になっており
何だか1つの家族のようだ。
少しだけ寂しいなぁ…
「怪我に気をつけるのよ〜!」
「頑張れよぉトモキー!!」
「兄さん、いいお嫁さんを連れて帰ってきて下さいね!!!」
「おう!」
後方から手を振ってくれている3人へ
こちらも大きく手を振って応える。
ーいってきますー
心の中で叫び、一歩を踏み出したー
これからが本番だぁ!!(≧∇≦)




