真に解せれば言伝を!
目醒めると、目の前にエヴェリーナの顔があった。
「ティノ…?ティノォォォ!良かったぁぁぁぁぁ!」
泣き噦り、私の胸に顔を埋める。
「おめぇさんが、こんな所でくたばるとは思ってなかったぜ…」
目に涙を浮かべながら、私を見つめるベルナルド。
どうやら暫くの間意識を失っていたようだ。
それよりも、心に引っ掛かる…。
ー‘こっち’ー
【支配者】が息絶える前に囁いた言葉。
残って、とも呟いていた…。
(!…ならば…)
頭の中に浮かぶ、ある仮説。
確かめなければ…
勢いをつけて起き上がり、問う。
「ベルナルド!」
「お、おい!いきなり動くんじゃねぇ。肉体も精神も相当疲れてるんだぜ!?」
「それより、他の【支配者】は!?」
「んん?【支配者】?あぁ、実はな…」
そういうと不可解そうな顔を浮かべ、続ける。
「城内を全て調べたんだが、【支配者】だけじゃねぇ、他の雑魚共も、何もかもいねぇんだ!」
「…やはりか」
「え、ティノどういう事?」
エヴェリーナは不思議そうな表情を浮かべる。
そして、2人が説明を促すように私を見つめる。
「私達は、戦いの火蓋を切り落としたのかもしれない」
2人は未だ解せないといった表情を浮かべている。
だが、もう限界だ。
意識が再び、深層へと沈んでいく…
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「私達は、戦いの火蓋を切り落としたのかもしれない」
え?戦いの火蓋?切り落とした?
戦いはもう終わったんじゃ…。
そういうと、ティノは気絶した。大丈夫かな…。
「この小娘がいうんだ、ちげぇね」
「ベルナルド、どういう事なの?」
ベルナルドを見上げると、応えるように言い放つ。
「まだ戦いは始まったばかりだぁって事だ!!!血が騒ぎ出すぜ!!ガハハハハ!!!」
「え?ええ?終わったんじゃないの!?どういう事なの!?教えてよベルナルド!!」
ガハハ、と笑い続ける。
一体どういう事なのか
不思議で不思議でしょうがない。
「後で小娘に聞くんだなぁ、今は早いとこ、コイツを運ぶとしよぉぜ?」
「う、うん。それもそうだね」
そう言うと、
ティノを担いで城の外へ歩き出すベルナルド。
今は何が何だか解らないけど、
大怪我してるティノの事が心配だ。
話はティノが治ってから聞こう。
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また、目醒める。
薄暗い雰囲気の空間で
低い天井には〝光魔法〟が施されている。
少し硬めの簡易ベッド
“連合”からの支給品である若芽色の毛布
〝治癒魔法〟よって治された、砕かれた筈の左腕
ここは【神殿】入り口前、野営地。
その中の医務テントのようだ。
外界からは虫の羽音と、静寂のみが聴こえる。
という事は、皆疲れ果て眠ったのだろう。
起こすのも悪いので、再び瞼を閉じ
夢の中へと沈んでいく。
【光界】、これにて攻略!!




