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Universe Create Online  作者: 星長晶人
第二章

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引き籠りマスター

色々ご指摘はありますが、参考にさせていただきGW中に修正しますので


早めに叩いておくといいかもしれません(笑)

 二人と三人で獲得した報酬は分配し、ギルドで手に入れた報酬はなるべく均等に分配した。やはり金はあったので金は分配しやすかったのだが、アイテムは限定アイテムが一つか二つ入っていたりするので自分に必要のないモノだった場合は譲り、たまに交換をしてやり取りをしていた。

 俺が獲得した特別報酬は六つなので、計十三個の限定アイテムと金がかなり手に入った。少人数討伐一位が三つでMVPが四つのアイテムだ。残りは二つのが二つと一つのが二つになる。

 ……スキルの書や武器や装飾品がたくさん手に入ったので、俺は内心ウハウハである。


「……りょう、いっぱい」


 一人三つずつぐらいのアイテムを持っていると言うのに俺だけ十三個も持っているのだ。クーアがそう言うのも無理はない。……だが俺に必要ないアイテムもいくつかあるな。

 とは言え今渡すと贔屓になってしまうのでそれぞれにアイテムを渡せるようになってから渡すとしよう。


「……では、早速店を開業しようか。NPCを雇えば俺達がいなくても問題ないようだからな。だが買い取りと依頼にはギルド、ソロなら一人でも構わないが、週二回と言う制限を設けようと思う。それ以外では定期的にいくら払ってもらってどれくらいのアイテムを売ると言う契約と言う形を取ろうと思っているのだが、どうだろうか?」


「……良いと思うわ。十人もいないギルドなのに無制限に依頼を受けるのは無謀すぎるもの」


 俺が今後の方針を聞くとティアーノが真っ先に賛成してくれた。それに続いて他のメンバーも頷いてくれる。


「……大手ギルドに契約の話を持ちかけてくれ。《魔導学院》、《インフィニティ》、《マッスル帝国》には契約の話をつけてきて欲しい。心許ないなら誰か他のヤツを連れていってくれても良いが、クノ。頼めるか?」


「……リョウは行かない?」


「……ああ。新しいスキルも手に入れたからな。それに、少しやりたいこともある」


 クノに大手ギルドに契約の交渉をするのを頼み、俺は行かないと告げる。


「……じゃあリアナ、来て」


「は、はい」


 何故自分が指名されたかは分からなかったようだが、クノはリアナを指名して連れていく。……おそらく近距離で戦う者同士、クノなりのコミュニケーションをしようと思っているのだろう。無表情なヤツと言うのは人間関係において不器用なヤツが多い。何を隠そうこの俺も、小中高と特に用事がない限りは誰にも話しかけなかったコミュ障なのだ。


「……では俺はこれから籠る」


 そう言ってクーアをカタラに預け、倉庫を後にする。地下に向かい、新アイテム及び新スキルで新たな生産をしよう。新たに手に入れた素材もある。新たに手に入れた派生スキルもある。

 ……そう言えばヘカトンケイルを倒したあの攻撃、どうやらスキルだったようだ。イベントの結果発表が終わってから新スキル会得の表示が出た。

 《銃士(ガンナー)》は不遇職とされ今まで大して強いプレイヤーがβテスト時のカタラしかいないのではないかと言う懸念通り、二挺拳銃で戦いわざわざ『チャージ・ショット』のスキルレベルを上げ強大なボスに近付いて『零距離射程(レンジ・ゼロ)』を放つプレイヤーはいなかったのだろう。


 『ツインバースト』。


 それが俺の手にした新たなスキルだ。二挺の拳銃で攻撃を溜め、同時に銃口をピッタリつけて放つと発動する絶大な攻撃力を誇るスキル。

 更にこのスキルを使いやすくするスキルも報酬で手に入れた。


 『クイック・チャージ』。


 チャージ系スキルやアビリティは他にも色々あるのでかなり便利と思われる、チャージ時間を短縮するスキルだ。習得するにはSPを大きく消費するのだが、今の俺なら問題ない。スキルもプレイヤーレベルも経験値を貰ったおかげでレベルが上がり、SPも増えている。これならどんなスキルでも習得出来る状態だ。

 スキルレベルをどんどん上げて即『ツインバースト』をやりたいモノだ。


 これらのスキルレベルは後々滅茶苦茶上げるとして、今は生産だ。メンバー用の装備またはアイテムを作ってあげなければならない。……すっかり後回しになっているが、フィギュア作りも進めなければ。


 俺は密かにギルドマスター以外入れない設定にしておいたただ広いだけの工房に入り、内側から鍵をかける。

 ……実用的かつ特別報酬に劣らないアイテムを作成しなければならない。魔法を組み込むことで属性や耐性を付与出来ることが分かり、更にはベストな方法で作成すると一段階上のアイテムになることが分かっているのでそれを目指そうと思う。

 『集中』の上位スキルである『見切り』は戦闘でも多大な効果を発揮するが、生産でもベストな方法の道筋が何となく見えたりするのだ。

 カタラも『集中』をレベルMAXにしたので手に入れた『極限集中』と言うスキルを持っている。一つの作業に没頭すると周囲が見えなくなるが、やっている作業の結果は良いモノになると言う効果があり、それで小太刀を作っていた。


 ……カタラは二刀流を目指していてスキルは会得したと言っていたので、あとは難しいがカタラの作成した小太刀と同等以上のモノを作り出すしかない。

 UCOの『二刀流』はそう難しいスキルではなく、誰でも習得出来る。もちろん習得しても使いこなせるかは別だが。


 俺はカタラから貰った魔法炉を取り出す。……素材は俺も持っている。イベント中に集めた「~魔石」を使えば簡単に属性付与が行えるようなので、今の俺の全身全霊を使った最強の武器を作ってやろう。

 とは言えちゃんと他のメンバーにも同程度のアイテムを作るように計算して使わなければならない。

 カタラ最強の小太刀は今のところ、炎に強化がかかる効果を持っている。鍛冶と言う作業上、最も付与させやすいのは炎だからな。

 なので俺は、雷風の融合属性の小太刀を作ってみようと考えている。どちらも炎を手助けするには良い属性だと思われる。

 ただの「魔石」と言うアイテムは魔法を組み込むと「~魔石」になる効果があり、俺はそれを狙っている。当初は砂鉄を集めて作っていたのだが、玉鋼がアイテムとして手に入るようになった後は玉鋼を使って小太刀を作っている。そこに俺は、魔石を数個と魔法を組み込んで、自分が出来る最高の小太刀を作ろうと思っている。


 小太刀の作り方はカタラに一応教わっている。なのでそれを忘れずに『見切り』を使えば作成出来る。


「……」


 俺が開発した三つの魔法、『家事魔法』、『粉魔法』、『家電魔法』の内の一つ、『家電魔法』の【エレクトニクス・ボルテージ】と言う各種家電製品に使われる電圧を総合した電気を放つ魔法アビリティだ。それを使って強力な電気を魔石に流し込んでいく。

 これも『魔工』の内なのだが、出来上がったのは雷電魔石と言う強力な魔石だった。……これは良いな。その分MPの消費も多い魔法だが、『魔力自動回復』と『魔力回復補助』のスキルレベルが上がっているのであまり大きな消費がなければすぐに回復するだろう。

 だが三つは欲しい。と言うことで、三つ作成しておく。魔石は魔石系素材の中で最も多く手に入れやすいモノらしく、数ならある。『魔工』を習得しているのも俺だけと言うことで回ってきて量はある。

 ……一つ失敗してしまったが。


 続いて扇風機とエアコンの風を魔法で再現して魔石に込めていく。これも三つ作る。旋風魔石が出来上がった。


「……さあ、始めようか」


 俺は一人呟いて、カタラの作った魔法炉で玉鋼と雷電魔石と旋風魔石を融かし混ぜながら外に出して鎚で叩いて融合させて伸ばしていく。折り畳んで重ね、再び叩き伸ばす。そんな作業を続けていく。しばらく続けたら新たな玉鋼と混ぜて火花と言う名の不純物を飛ばして硬くしたモノと柔らかいモノと混ぜる訳だ。それで簡単には折れないモノが作れる。

 叩いて伸ばして形を整える。そうして出来上がったモノを水道水を出す魔法を使い水を大量に長方形の箱に入れておき、そこに刀を入れて一気に冷ます。

 冷ましたモノは『研磨』で研げば完成となる。


「……四時間か」


 時間短縮のシステムがあっても小太刀一本を作るのに四時間もかかってしまった。丁度夕飯の時間だ。ログアウトしなくてはならない。


 俺は完成した灰の峰と黄の刃をした美しい小太刀、雷嵐の小太刀を見て良い出来だと満足し、ログアウトする。

 ……カタラが喜んでくれれば良いのだが。

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