第8話
カルヴァは純粋な疑問を投げかける。
「仕組まれたとして、俺たちにどうしろと?」
「別に。そうかもしれない話だ。彼らにあったら気を付けてくれ」
「なるほど、でなにか識別できるのかしら?」
「奴らは腐肉を信仰する。だが、外見で識別はできない」
「なぜここに?」
「ここを安全にするための手数が欲しい。我々は無力で、武器を持っていない。ディクソン、君は狙われている。君が殺した11人の内、5人が奴らの信者だった」
セウタは本を棚に戻す。
カルヴァ達は書庫を出る。
セウタの案内で通路を歩く。
「自然を崇拝する宗教、それにしては結構文化的ね」
「ジクラム教は2つの宗派が存在している。我々訓文派と、原典派と呼ばれる者達だ。訓文派は人類も自然であるという理念の元、ある程度の文化を許容している。一方で原典派はそれらも拒否し、森で原始的生活を送っている」
セウタはドアを開ける。
寝室のようだ。
壁に取り付けられたベッドが4つ。
狭く、質素であった。
「さて、そろそろ夜だ、我々に協力すると言うのなら食事も提供しよう」
「わかった、いいだろう」
カルヴァの返答は早かった
ほかの3人の回答もYESであった。
カルヴァとミロスは部屋に通された。
2人分の狭い部屋だった。
質素な木の机と椅子、ベッドが2台あった。
いつもよりは早く食事を取る。
しかしその質素な料理は、今が非常事態であることを示す様であった。
豆と野菜を中心に、パンが添えられていた。
不満げなミロスを他所に、カルヴァは野菜を口に運んでいた。
「店が恋しいわ」
ミロスがこぼす。
「ああ、確かにそうだな。戻ったらセールだ」
「なんで店やろうとしたの?」
ミロスは問いかける。
「昔からカクテルが好きでな、気づいたらいろいろ資格を取ってた」
「いるの?資格」
「カクテルもあるが、普通に消防責任者資格とか」
「ふうん」と言って、野菜をフォークに刺し、口へ運ぶ。
「店は良いわ、憩いの場所よ」
「お客様の声か、どうも」
カルヴァは勢いよくコップの水を飲み干す。
「さあ、明日は早い、さっさと寝よう」
カルヴァはそう言って、ベッドに横になった。
ミロスは食事が終わると、カルヴァの頬にキスをして床に就いた。
こうして、初日は終わることとなった。




