第2話
大雪といってもここらの地区では車道は既に殆ど除雪されていた。
その道の上を人々が何かに逃げるように走る。
外に出した強盗男性3人を起こす。
「おい!」
3人は目を覚まし、辺りを見回す。
そしてカルヴァを発見した。
「わ、悪かった!許してくれ!」
「次は客として来い。でなければ警察に連絡する。店に監視カメラはあるぞ!」
3人はそれも聞かず一目散に去っていった。
カルヴァはもう一度周りを見渡す。
転び、泣き叫ぶ子供、必死に子供の名前を呼ぶ親、杖をつく老人にそれらに構わずぶつかりながら走る男性。
遠くの方では店のガラスを割る者達もいた。
異様な光景である、『世界危機』(過去に起きた世界規模のゾンビパニック)以来の光景だった。
「一体何が起きている?」
閑静な住宅地には有り得ない風景が広がっていた。
「今さっきのアラート、パンデミックよ。いえ、まだエピデミックという方が良いかもね」
「ゾンビか。逃げるぞ、ここからじゃD-3シェルターが一番近い」
歩き出すカルヴァの腕を、ミロスは掴む。
「待って」
「何だ」
「シェルターは逆に危険よ、密閉空間で入られたら逃げれない。感染者がいた場合、最悪ね。良い考えがある。私の家まで来て」
「良い考えってのは?」
「罠が貼り巡られている」
「なるほど、行ってみる価値は有りそうだ。逃げ道は?」
「シェルターよりは」
「なら十分だろう」
カルヴァ達はミロスの家へ向かう。
道中、ゾンビの姿は無かった。
「ここよ」
ミロスがそう言ったものは、マンションだった。
「マンションか、まあシェルターよりは良いだろう」
「付いて来て」
マンションに入り、階段で上に行く。
「階段か、何階だ?」
「この5階よ」
大急ぎで下る人達がいた。
だがカルヴァとミロスは、それを逆流する。
「随分用意がいいな。いつ知った?」
「人は確信的な情報より、噂に流されるものよ」
人を掻き分ける。
「着いたわ」
通常であるならさほど掛からないだろうが、今回は長い時間がかかった。
「離れないで付いて来て」
言われる通りすぐ後ろを、そして同じような動きで後ろを付いていくカルヴァ。
ただ、そこら中に赤い糸が張り巡らされていた。
「ここよ」
ミロスは扉を開ける。
「入って、ここに罠はないわ」
ミロスはカルヴァに前に行くようにジェスチャーをする。
「それじゃ、先に」
ミロスは扉を閉め、鍵をかける。
カルヴァは後ろを振り返る。
だが、男の視界は一瞬にして闇となった。




