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第10話

 ハンセインは手帳にペンを沿わせると、今か今かとカルヴァが話すのを待っていた。

 しかしその手帳には、既にカルヴァが知っている以上の情報は無かった。

 「すまないが、そこに書いてある以上の情報はない」

 それを聞き、落ち込むハンセイン。

 手帳をしまい、銃を取り出す。

 「では、行きますか。お二人さんも真相を追っているんでょう」

 「真相は追ってないが、奴らに礼をしなきゃいけない。ひとまず戻ろう」

 「あるんですね、当てが」

 「ええ、サルカイドと敵対している人達がいるの」

 3人は進む。

 煙は黒く、高く、舞い上がっていた。


 ハンセインの銃の扱いは上手かった。

 彼はゾンビと相対すればすぐさま銃を撃つ。

 そして放たれた弾丸はゾンビのこめかみに吸い込まれていった。

 「上手いな」

 「場はいくつもくぐってきたんですよ」

 彼は自慢げにそう言った。


 そして燃え盛る館に着く。

 まだ燃え続いている。

 「ここだ」

 セウタとシレト、生き残った信者がカルヴァたちに気付く。

 「どうした、逃げたんじゃないのか」

 「俺の店も燃やされた。奴らは許せない」

 雪が振り始める。

 ゾンビも遠くから見え始める。

 「まずいわ、どこか場所を見つけないと」

 「いいとこがありますよ。ここから北東に進んだところにある刑務所です」

 ハンセインは地図を取り出し、その場所をペンで示す。

 「悪くないアイデアだ」

 話している中、どこからかヘリコプターの音がする。

 「やっとぞ、軍のヘリだ。お前ら信者は連れて行っても良いかもな」

 カルヴァは銃を取り出し、撃ち始める。

 ハンセインも同じだ。

 「そうしよう。多くの者は銃を握ったこともない」

 実際、ジクラム教の信者は怯えるか祈るかだけであった。それはセウタも同じだった。

 そうしている間にもゾンビは迫っている。

 「それじゃ、早速」

 ハンセインは鏡を取り出すと、ヘリに向かって光を反射させる。


 

 しばらくすると、ヘリはこちらに気付いたようで降りてきた。

 ゾンビは近い。

 ヘリコプターから軍人が4人降りてくる。

 「なんて火事だ、何人いる?」

 軍人は銃を放ちながらゾンビをなぎ倒していく。

 「15人だ」

 「乗れて11人だ、全員は乗れない、早く」

 セウタ含む信者は次々と乗っていく。

 「俺たちは近くの刑務所に向かう。そこで拾ってくれ」

 「分かった、すぐにそこに向かう」

 軍人はヘリコプターに乗った。

 ヘリコプターの羽が回転を始め、強く風が巻き起こる。

 そしてすぐに飛び立って行った。

 「幸運を祈る」

 ドアに座っていたセウタが確かに言った。

 

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